“棗形”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なつめがた71.4%
なつめなり28.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今、通って来た右側の樹立の奥に見えた築地ついじと屋根が、東山殿どのの銀閣寺であったらしい。ふと、振顧ふりかえると、そこの泉が棗形なつめがたの鏡のように眼の下に見えたのである。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
欄間らんま蜀江崩しょっこうくずしがまた恐れ入ったものでげす、お床の間は鳥居棚、こちらはまた織部おりべの正面、間毎間毎の結構、眼を驚かすばかりでございます、控燈籠ひかえどうろう棗形なつめがた手水鉢ちょうずばち
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
あぎとや頬はくりっとしていて、全体には棗形なつめなりだが、ただ美貌だけの人形美でもない。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
自然の力も、未だそれを全くかくし去ることは出来なかつた。例へば、もとはこんもりと棗形なつめなりに刈り込まれて居たであらうと思へる白斑入しらふいりの羅漢柏あすならうである。それは門から玄関への途中にある。