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山脈
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さんみゃく
ふりがな文庫
“
山脈
(
さんみゃく
)” の例文
獣
(
けもの
)
の
牙
(
きば
)
をならべるように、
遠
(
とお
)
く
国境
(
こっきょう
)
の
方
(
ほう
)
から
光
(
ひか
)
った
高
(
たか
)
い
山脈
(
さんみゃく
)
が、だんだんと
低
(
ひく
)
くなって、しまいに
長
(
なが
)
いすそを
海
(
うみ
)
の
中
(
なか
)
へ、
没
(
ぼっ
)
していました。
しいたげられた天才
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
東の
灰色
(
はいいろ
)
の
山脈
(
さんみゃく
)
の上を、つめたい風がふっと通って、大きな
虹
(
にじ
)
が、明るい
夢
(
ゆめ
)
の
橋
(
はし
)
のようにやさしく空にあらわれました。
めくらぶどうと虹
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
余の
書窓
(
しょそう
)
から西に
眺
(
なが
)
むる
甲斐
(
かい
)
の
山脈
(
さんみゃく
)
を
破
(
は
)
して緑色
濃
(
こ
)
き
近村
(
きんそん
)
の松の
梢
(
こずえ
)
に、何時の程からか紅白
染分
(
そめわけ
)
の旗が
翻
(
ひるがえ
)
った。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
なお、はるかにあなたの
野
(
の
)
のはてには、一
抹
(
まつ
)
、
霞
(
かすみ
)
のように白い
河原
(
かわら
)
がみえる。あとは、西をあおいでも、北を見ても、うっすらした
山脈
(
さんみゃく
)
のうねりが
黙思
(
もくし
)
しているのみだ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
こんどの
旅
(
たび
)
では、リンデレード
山脈
(
さんみゃく
)
の
荒
(
あ
)
れはてた
山肌
(
やまはだ
)
や、オーヴェスホルム
荘園
(
しょうえん
)
や、クリスチャンスタッドの教会の
塔
(
とう
)
や、ベッカ森の
王家
(
おうけ
)
の
領地
(
りょうち
)
や、オップマンナ湖とヴェー湖のあいだのせまい
岬
(
みさき
)
や
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
▼ もっと見る
そのなかの一
枚
(
まい
)
は、のこぎりのはをたてたような、
山脈
(
さんみゃく
)
の
姿
(
すがた
)
であって、もっとも
高
(
たか
)
いいただきには、
雪
(
ゆき
)
が
白
(
しろ
)
くのこっていました。
考えこじき
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
山脈
(
さんみゃく
)
の雪はまっ白に
燃
(
も
)
え、
眼
(
め
)
の前の野原は
黄
(
き
)
いろや茶の
縞
(
しま
)
になってあちこち
掘
(
ほ
)
り
起
(
お
)
こされた
畑
(
はたけ
)
は
鳶
(
とび
)
いろの
四角
(
しかく
)
なきれをあてたように見えたりしました。
おきなぐさ
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
少年
(
しょうねん
)
は、
海
(
うみ
)
をながめていました。
青黒
(
あおぐろ
)
い
水平線
(
すいへいせん
)
は、うねりうねっていました。それはちょうど、一
連
(
れん
)
の
遠
(
とお
)
い
山脈
(
さんみゃく
)
を
見
(
み
)
るように
思
(
おも
)
われたのです。
北の少女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
山脈
(
さんみゃく
)
の雪も光の中で
機嫌
(
きげん
)
よく空へ
笑
(
わら
)
っています。湧きます、湧きます。ふう、チュウリップの光の
酒
(
さけ
)
。どうです。チュウリップの光の酒。ほめて下さい。
チュウリップの幻術
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
高
(
たか
)
い
山脈
(
さんみゃく
)
の
頂
(
いただき
)
は、
明
(
あか
)
るく
雲切
(
くもぎ
)
れがして、
日
(
ひ
)
は
暮
(
く
)
れてしまいました。一
夜
(
や
)
は
無事
(
ぶじ
)
に
過
(
す
)
ぎて、
翌朝
(
あくるあさ
)
になると、
空
(
そら
)
はいつものごとく
青
(
あお
)
く
晴
(
は
)
れていました。
北海の波にさらわれた蛾
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
五日の月が、西の
山脈
(
さんみゃく
)
の上の黒い
横雲
(
よこぐも
)
から、もう一ぺん顔を出して、山に
沈
(
しず
)
む前のほんのしばらくを、
鈍
(
にぶ
)
い
鉛
(
なまり
)
のような光で、そこらをいっぱいにしました。
シグナルとシグナレス
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
まさに、
日
(
ひ
)
はくれようとしていました。そして、はるか
西北
(
せいほく
)
の、だいだい
色
(
いろ
)
の
空
(
そら
)
に、むらさき
色
(
いろ
)
をしたひとつづきの
山脈
(
さんみゃく
)
が、
頭
(
あたま
)
をならべていました。
考えこじき
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
山脈
(
さんみゃく
)
は
若
(
わか
)
い
白熊
(
しろくま
)
の
貴族
(
きぞく
)
の
屍体
(
したい
)
のようにしずかに白く
横
(
よこ
)
たわり、遠くの遠くを、ひるまの風のなごりがヒュウと
鳴
(
な
)
って通りました。それでもじつにしずかです。
シグナルとシグナレス
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
よっぽど西にその
太陽
(
たいよう
)
が
傾
(
かたむ
)
いて、いま入ったばかりの雲の間から
沢山
(
たくさん
)
の白い光の
棒
(
ぼう
)
を
投
(
な
)
げそれは
向
(
むこ
)
うの
山脈
(
さんみゃく
)
のあちこちに
落
(
お
)
ちてさびしい
群青
(
ぐんじょう
)
の
泣
(
な
)
き
笑
(
わら
)
いをします。
チュウリップの幻術
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
また一
方
(
ぽう
)
は、はるかに、
青黒
(
あおぐろ
)
い
山脈
(
さんみゃく
)
が、よく
晴
(
は
)
れた
月
(
つき
)
の
明
(
あか
)
るい
空
(
そら
)
の
下
(
した
)
に、えんえんと
連
(
つら
)
なっていました。
生きた人形
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
どうです、よく
見
(
み
)
えませんか。あの
雲
(
くも
)
のようなのが、
山脈
(
さんみゃく
)
で、ぼつ、ぼつが、
噴火口
(
ふんかこう
)
のあとです。
月
(
つき
)
の
世界
(
せかい
)
には、
水
(
みず
)
がないから、
生物
(
せいぶつ
)
もいない。
死
(
し
)
んだ
世界
(
せかい
)
ですよ。
水七景
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
太陽
(
たいよう
)
はいまはすっかり
午睡
(
ごすい
)
のあとの光のもやを
払
(
はら
)
いましたので
山脈
(
さんみゃく
)
も青くかがやき、さっきまで雲にまぎれてわからなかった雪の
死火山
(
しかざん
)
もはっきり
土耳古玉
(
トルコだま
)
のそらに
浮
(
う
)
きあがりました。
チュウリップの幻術
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
石
(
いし
)
の
上
(
うえ
)
に
腰
(
こし
)
をおろして、
前方
(
ぜんぽう
)
を
見
(
み
)
ていると、ちょうど、
日
(
ひ
)
があちらの
山脈
(
さんみゃく
)
の
間
(
あいだ
)
に
入
(
はい
)
りかかっています。
金色
(
こんじき
)
にまぶしくふちどられた
雲
(
くも
)
の一
団
(
だん
)
が、その
前
(
まえ
)
を
走
(
はし
)
っていました。
手風琴
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
花
(
はな
)
は
冷
(
つめ
)
たい
霧
(
きり
)
にぬれて、しずくの
滴
(
したた
)
る
美
(
うつく
)
しい、なやましげな
姿
(
すがた
)
を
自
(
みずか
)
ら
見
(
み
)
ることもなく、また、
黄昏
(
たそがれ
)
がた、
高
(
たか
)
い
山脈
(
さんみゃく
)
のかなたのうす
明
(
あか
)
るい
雲切
(
くもぎ
)
れのした
空
(
そら
)
を
憧
(
あこが
)
れる
悲
(
かな
)
しい
思
(
おも
)
いもなくなって
公園の花と毒蛾
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
夜
(
よる
)
となく、
昼
(
ひる
)
となく、
深
(
ふか
)
い
谷底
(
たにそこ
)
からわき
起
(
お
)
こる
霧
(
きり
)
は
転
(
ころ
)
がるように、
高
(
たか
)
い
山脈
(
さんみゃく
)
の
谷間
(
たにま
)
から
離
(
はな
)
れて、ふもとの
高原
(
こうげん
)
を、あるときは、ゆるゆると、あるときは、
駆
(
か
)
け
足
(
あし
)
で、なめつくしてゆくのでした。
公園の花と毒蛾
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“山脈”の意味
《名詞》
(サンミャク)山が帯状に連なった山岳地形。
「やまなみ」の漢字表記のひとつ。
(出典:Wiktionary)
“山脈”の解説
山脈(さんみゃく)とは、低地の間に挟まれる、細長く連続的に伸びる山地のことである。
(出典:Wikipedia)
山
常用漢字
小1
部首:⼭
3画
脈
常用漢字
小5
部首:⾁
10画
“山”で始まる語句
山
山家
山路
山羊
山茶花
山間
山中
山谷
山毛欅
山車