“黙思”の読み方と例文
読み方割合
もくし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なお、はるかにあなたののはてには、一まつかすみのように白い河原かわらがみえる。あとは、西をあおいでも、北を見ても、うっすらした山脈さんみゃくのうねりが黙思もくししているのみだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かくては自分の名声とやらは喧伝けんでんされるにきまっているが、彼は今、決してそんなものを求めていなかった。むしろ、もっと独りの沈潜ちんせんと、独りの黙思もくしとを必要としている。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
黙思もくし久しかった。勝家の望みとしていた項目にベタベタ墨が引かれているからである。けれど、秀吉は自分へ割りあてられて来た江州ごうしゅう坂本の知行分にも自分で棒を引いて消していた。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)