“もくし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
黙思25.0%
黙示25.0%
黙止16.7%
黙視16.7%
默止8.3%
黙子8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かくては自分の名声とやらは喧伝けんでんされるにきまっているが、彼は今、決してそんなものを求めていなかった。むしろ、もっと独りの沈潜ちんせんと、独りの黙思もくしとを必要としている。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
甚だしくあかかりし雲あせゆきて黙示もくしのごとき三つ星の見ゆ
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
市民の黙止もくし難き推戴に依って遂に王位に即いたが、勇悍ゆうかんにして粗野なる人民を統御するには、信仰と法制との力に依らねばならぬとは、彼がはやくより気附いたところであって、彼はその守成策として
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
かねがねのまま指をくわえて黙視もくししては居まいと考えていた大牟田公平が、出府して、自分たち夫婦の居所を突きとめているからには、これはもう、無言の果し状をつけられているのも同様である。
死んだ千鳥 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今此方にて不審ふしん致す詞のに付て彼是かれこれ申は可謂いはゆる引れ者の小うたとやら取に足ずと申せしかば外記も暫時しばし默止もくし居たりしを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
よつて平左衞門は増々ます/\心中に驚くと雖もなほも其の色を見せず默止もくして居たりしかば大岡殿少しこゑ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かれは名を正根まさねといって、はやくから文芸の道にたずさわっていたので、黙子もくしなんぞという筆名で多少知られている。学歴とてもなく、知友にも乏しかったかれは、いつでも孤立のほかはなかった。