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ここん
ふりがな文庫
“
古今
(
ここん
)” の例文
われは現時文壇の趨勢を顧慮せず、国の東西を問はず時の
古今
(
ここん
)
を論ぜず唯最もわれに近きものを求めてここに
安
(
やすん
)
ぜんと欲するものなり。
矢立のちび筆
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
又
(
また
)
その
内容
(
ないよう
)
も
古今
(
ここん
)
に
亘
(
わた
)
り、
顕幽
(
けんゆう
)
に
跨
(
またが
)
り、
又
(
また
)
或
(
あ
)
る
部分
(
ぶぶん
)
は一
般的
(
ぱんてき
)
、
又
(
また
)
或
(
あ
)
る
部分
(
ぶぶん
)
は
個人的
(
こじんてき
)
と
言
(
い
)
った
具合
(
ぐあい
)
に、
随分
(
ずいぶん
)
まちまちに
入
(
い
)
り
乱
(
みだ
)
れて
居
(
お
)
ります。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
当面は新約、三方は旧約の古跡に包まれたる此平原はおのづから是れ
古今
(
ここん
)
の戦場、十字軍がサラヂンの為に大敗をとりたるも此処なりき。
馬上三日の記:エルサレムよりナザレへ
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
「われわれ人間は、
古今
(
ここん
)
を問はず、東西を問はず、
架空
(
かくう
)
の幸福を得るために、
自
(
みづか
)
ら肉体を苦しめることを好むものである」と
嘆息
(
たんそく
)
してゐる。
日本の女
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
冷然として
古今
(
ここん
)
帝王の権威を
風馬牛
(
ふうばぎゅう
)
し得るものは自然のみであろう。自然の徳は高く塵界を超越して、対絶の
平等観
(
びょうどうかん
)
を
無辺際
(
むへんさい
)
に樹立している。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
のちに
歌
(
うた
)
ヶ
浜
(
はま
)
においてその同じ桂の
余木
(
よぼく
)
をもちいて
彫
(
ほ
)
らせられたのが、くだんの
薬師
(
やくし
)
の
尊像
(
そんぞう
)
じゃとうけたまわっておる。ハイ、まことに
古今
(
ここん
)
の
妙作
(
みょうさく
)
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
僕はその時、三月十二日に、
古今
(
ここん
)
書院主人橋本福松君が柹蔭山房をたづねた時に、赤彦君がこゑを挙げて泣いたといふことを思ひ出したのであつた。
島木赤彦臨終記
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
暗
(
くら
)
まさんとなす
強情者
(
がうじやうもの
)
古今
(
ここん
)
稀
(
まれ
)
なる
此
(
こゝ
)
な大惡人め穀屋平兵衞を殺せしに
相違
(
さうゐ
)
有まじサア申立よと
問詰
(
とひつめ
)
られしかども段右衞門
然
(
さ
)
あらぬ
體
(
てい
)
にて平兵衞を殺し
金
(
かね
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
日本の外には
亜細亜
(
アジア
)
諸国、西洋諸洲の歴史もほとんど無数にして、その間には
古今
(
ここん
)
英雄
豪傑
(
ごうけつ
)
の
事跡
(
じせき
)
を見るべし。
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
己は其の結果として、
沙翁
(
しゃおう
)
の価値を疑うよりも、藝術家としての自分の素質を疑った。沙翁と云えば、
古今
(
ここん
)
第一の大詩人として、世界に許された人物である。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
芭蕉は連句において宇宙を網羅し
古今
(
ここん
)
を
翻弄
(
ほんろう
)
せんとしたるにも似ず、俳句には極めて
卑怯
(
ひきょう
)
なりしなり。
俳人蕪村
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
葉居升
(
しょうきょしょう
)
の上書の
出
(
い
)
ずるに先だつこと九年、洪武元年十一月の事なりき、太祖宮中に
大本堂
(
たいほんどう
)
というを建てたまい、
古今
(
ここん
)
の図書を
充
(
み
)
て、儒臣をして太子および諸王に教授せしめらる。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
中国白話小説「
古今
(
ここん
)
小説」「
警世通言
(
けいせいつうげん
)
」等の影響のもとに書かれた思想的な歴史小説。
雨月物語:04 解説
(新字新仮名)
/
鵜月洋
(著)
中国白話小説「
古今
(
ここん
)
小説」「
警世通言
(
けいせいつうげん
)
」等の影響のもとに書かれた思想的な歴史小説。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
そこには
甘蠅
(
かんよう
)
老師とて
古今
(
ここん
)
を
曠
(
むな
)
しゅうする
斯道
(
しどう
)
の大家がおられるはず。老師の技に比べれば、我々の射のごときはほとんど
児戯
(
じぎ
)
に類する。儞の師と頼むべきは、今は甘蠅師の外にあるまいと。
名人伝
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
自然児
(
しぜんじ
)
としてのほこりを感ずることもあったし、夕映えのけんらんたる色どりの空をあおいで、神の国をおもい、
古今
(
ここん
)
を通じて流れるはるかな時間をわが短い生命にくらべて、涙することもあった。
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
況
(
いわ
)
んやだらしのない人間が、だらしのない物を書いているのが
古今
(
ここん
)
の文壇のヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽ
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
松
(
まつ
)
に
古今
(
ここん
)
の
色
(
いろ
)
無
(
な
)
し
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
寿陵余子
(
じゆりようよし
)
雑誌「
人間
(
にんげん
)
」の為に、
骨董羹
(
こつとうかん
)
を書く事既に三回。東西
古今
(
ここん
)
の雑書を引いて、
衒学
(
げんがく
)
の気焔を挙ぐる事、
恰
(
あたか
)
もマクベス曲中の
妖婆
(
えうば
)
の
鍋
(
なべ
)
に類せんとす。
骨董羹:―寿陵余子の仮名のもとに筆を執れる戯文―
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
路
寂寞
(
じゃくまく
)
と
古今
(
ここん
)
の春を
貫
(
つらぬ
)
いて、花を
厭
(
いと
)
えば足を着くるに地なき
小村
(
こむら
)
に、婆さんは
幾年
(
いくねん
)
の昔からじゃらん、じゃらんを数え尽くして、
今日
(
こんにち
)
の
白頭
(
はくとう
)
に至ったのだろう。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
殊
(
こと
)
に政府の
新陳
(
しんちん
)
変更
(
へんこう
)
するに当りて、前政府の士人等が自立の
資
(
し
)
を失い、
糊口
(
ここう
)
の
為
(
た
)
めに新政府に職を
奉
(
ほう
)
ずるがごときは、世界
古今
(
ここん
)
普通の
談
(
だん
)
にして
毫
(
ごう
)
も
怪
(
あや
)
しむに足らず
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
一、自ら俳句をものする側に
古今
(
ここん
)
の俳句を読む事は
最
(
もっとも
)
必要なり。かつものしかつ読む間には著き進歩を為すべし。己の句に並べて他人の名句を見る時は他人の意匠
惨澹
(
さんたん
)
たる処を発見せん。
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
また
星野麦人
(
ほしのばくじん
)
をして『
古今
(
ここん
)
俳句大観』四巻を編纂せしめき。
書かでもの記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
彼が
古今
(
ここん
)
に独歩する
所以
(
ゆゑん
)
は、かう云ふ壮厳な
矛盾
(
むじゆん
)
の中にある。Sainte-Beuve のモリエエル論を読んでゐたら、こんな事を書いた一節があつた。
点心
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
威
(
い
)
を
振
(
ふる
)
って
驀地
(
ばくち
)
に進めと
吼
(
ほ
)
えたのみである。このむさくろしき兵士らは仏光国師の
熱喝
(
ねっかつ
)
を
喫
(
きっ
)
した訳でもなかろうが驀地に進むと云う
禅機
(
ぜんき
)
において時宗と
古今
(
ここん
)
その
揆
(
き
)
を
一
(
いつ
)
にしている。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
是れ十六世紀の末葉、独人 Wierus が悪魔学に載する所、
古今
(
ここん
)
を問はず、東西を論ぜず、魔界の消息を伝へて詳密なる、
斯
(
か
)
くの如きものはあらざるべし。
骨董羹:―寿陵余子の仮名のもとに筆を執れる戯文―
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「好きって、いいじゃありませんか、
古今
(
ここん
)
の傑作ですよ」
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
金瓶梅
(
きんぺいばい
)
が
古今
(
ここん
)
無双の痴情小説たる
所以
(
ゆゑん
)
は、一つにはこの点でも無遠慮に筆を
揮
(
ふる
)
つた結果なるべし。
雑筆
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
因
(
ちなみ
)
に云ふ。「
古今
(
ここん
)
実物語」は
宝暦
(
はうれき
)
二年正月出板、
土冏然
(
とけいぜん
)
の漢文の序あり。
書肆
(
しよし
)
は大阪南本町一丁目
村井喜太郎
(
むらゐきたらう
)
、「古今百物語」、「当世百物語」号と同年の出版なりしも一興ならん
乎
(
か
)
。
案頭の書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
実際また、女のミカドといふものは、
古今
(
ここん
)
に少くはないのである。たしかに日本の女の位置は、家畜や奴隷のやうに売買されるにも
拘
(
かかは
)
らず、
存外
(
ぞんぐわい
)
辛抱
(
しんばう
)
の出来る点もないではないらしい。
日本の女
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
従つてマツチの商標は
勿論
(
もちろん
)
、油壺でも、看板でも、
乃至
(
ないし
)
古今
(
ここん
)
の名家の書画でも必死に集めてゐる諸
君子
(
くんし
)
には敬意に近いものを感じてゐる。時には多少の
嫌悪
(
けんを
)
を
交
(
まじ
)
へた
驚嘆
(
きやうたん
)
に近いものを感じてゐる。
蒐書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
本阿弥
(
ほんあみ
)
の
折紙
(
をりかみ
)
古今
(
ここん
)
に変ず。
羅曼
(
ロマン
)
派起つてシエクスピイアの名、四海に轟く事
迅雷
(
じんらい
)
の如く、羅曼派亡んでユウゴオの作、八方に
廃
(
すた
)
るる事
霜葉
(
さうえふ
)
に似たり。茫々たる
流転
(
るてん
)
の
相
(
さう
)
。目前は泡沫、
身後
(
しんご
)
は夢幻。
骨董羹:―寿陵余子の仮名のもとに筆を執れる戯文―
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
しかし時の
古今
(
ここん
)
を問はず
続野人生計事
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“古今”の意味
《名詞》
古 今(ここん、こきん)
(ここん)昔と今。昔か今か。
(ここん)昔から今まで。その間の(長い)時間。副詞的にも用いられる。
(ここん)昔から今までならぶものがないほどすぐれていること。
(こきん)古今和歌集の略。
(出典:Wiktionary)
古
常用漢字
小2
部首:⼝
5画
今
常用漢字
小2
部首:⼈
4画
“古今”で始まる語句
古今集
古今著聞集
古今無双
古今来
古今調
古今注
古今説海
古今未曾有
古今註
古今稀