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反対
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あべこべ
ふりがな文庫
“
反対
(
あべこべ
)” の例文
旧字:
反對
そしてまた(結婚式は、安東村の、あの、乞食小屋見たような
茅屋
(
あばらや
)
で挙げろ)でしょう。貴下はまるッきり私たちと考えが
反対
(
あべこべ
)
だわ。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
反対
(
あべこべ
)
に巡査さんの手を捉って向山の坂を下りましたが、世の中には理不尽な奴もあれば有るもので、是からお調べに相成ります。
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
対
(
こた
)
うる者はなかったから予が答えたは、まず日月出でて
爝火
(
しゃっか
)
息
(
や
)
まずと支那でいうのが西洋の「日は火を消す」と
全
(
まる
)
反対
(
あべこべ
)
で面白い。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
急いで別れて行く高柳を見送つて、
反対
(
あべこべ
)
な方角へ一町ばかりも歩いて行つた頃、
斯
(
こ
)
の
噂好
(
うはさず
)
きな町会議員は一人の青年に
遭遇
(
であ
)
つた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
ところが
反対
(
あべこべ
)
ですよ。お蔭で屋上庭園に行く者は一人も居なくなった代りに、その声を聞きに行く者であのホテルは一パイなんだそうです。
人間腸詰
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
使いの途中、明神下できこし召したばかりに品物を
反対
(
あべこべ
)
に、鎧櫃を饗庭様へ、九谷の花瓶を向島関屋の里の主人の寮へ——。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
それとは
反対
(
あべこべ
)
に幾ら腕が冴えてゐても、食後に
定
(
きま
)
つて
規那鉄
(
きなてつ
)
葡萄酒をたつた一杯づつ飲むやうな美術家は余りぞつとしない。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「どう致しまして、
反対
(
あべこべ
)
だ、恐縮するのは
私
(
わっち
)
の方で。……さて、お訪ねのご用の筋は? とこう一つゆきやしょうかな」
戯作者
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
反対
(
あべこべ
)
に世話をしてやらねばならなくなったことを思うと、父親の丹七は、短刀をもって胸を
抉
(
えぐ
)
られるほど辛かった。
血の盃
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
「東京駅で人を見送ると何時も汽車が
反対
(
あべこべ
)
の方角へ出て行くような気がするが、矢っ張りこれでも宜いんだね。
彼処
(
あすこ
)
では何うして
那様
(
ああ
)
なるんだろう?」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
意外事
(
とんだこと
)
を素破抜かれた芸妓が、対手が新聞記者だけに、弱つて了つて、
援助
(
すくひ
)
を朋輩に求めてるのもあれば、
反対
(
あべこべ
)
に芸妓から素破抜かれて頭を掻く人もある。
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
母から
反対
(
あべこべ
)
に怒鳴つけられたら、どうしようなど思うと、母の剣幕が目先に浮んで来て、足は
自
(
おのず
)
と
立縮
(
たちすく
)
む。
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
ああありがたい、茶袋だと
此方
(
こち
)
で一本というところを
反対
(
あべこべ
)
にもう
廃
(
よ
)
せと云いますわ、ああ好い心持になりました、歌いたくなりましたな、歌えるかとは情ない
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
私は、
慄然
(
ぞっ
)
とするような気がして、これはなるたけ障らぬようにして置くが好いと思って、後を黙っていると、先は、
反対
(
あべこべ
)
に、何処までも、それを
追掛
(
おっか
)
けるように
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
趙季和
(
しょうきわ
)
という男がそれを知って
反対
(
あべこべ
)
にその餅を老婆に啖わして老婆を驢にしたという話で、高野聖では幻術で旅人を馬にしたり猿にしたりする美しい女になっており
怪譚小説の話
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
ですけれど、此処ぢや
反対
(
あべこべ
)
に空が青く晴れてゐますよ。何処でも同じ時に雨が降るんぢやないんですね。ある国が雨が降つてゐても、他の国では晴れてゐるんですね。
科学の不思議
(新字旧仮名)
/
ジャン・アンリ・ファーブル
(著)
これが一つ。その翌日には、それを
反対
(
あべこべ
)
に、境から二つの外港に寄港して矢張午後四時頃に西郷港に着き、今度は内港の二つに寄港して帰途につくやうになる。これが一つ。
隠岐がよひの船
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
反対
(
あべこべ
)
に、出刃を振廻したとか、振廻さぬとかで、結局
失業
(
くび
)
になって此方、ブラブラして居る。
越後獅子
(新字新仮名)
/
羽志主水
(著)
所が
親爺
(
おやぢ
)
の腹のなかでは、それが全く
反対
(
あべこべ
)
に解釈されて仕舞つた。
何
(
なに
)
をしやうと
血肉
(
けつにく
)
の
親子
(
おやこ
)
である。子が
親
(
おや
)
に対する天賦の情
合
(
あひ
)
が、子を取扱ふ方法の如何に因つて変る
筈
(
はづ
)
がない。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
スルト今度は美人から
反対
(
あべこべ
)
に「貴方は此の塔の中を色々検査成さるお積りでしょうね」
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
生
(
い
)
きて
居
(
い
)
る
時
(
とき
)
にはさんざん
悪口
(
わるぐち
)
を
言
(
い
)
われたものが、
死
(
し
)
んでから
口
(
くち
)
を
極
(
きは
)
めて
讃
(
ほ
)
められたり、
又
(
また
)
その
反対
(
あべこべ
)
に、
生前
(
せいぜん
)
栄華
(
えいが
)
の
夢
(
ゆめ
)
を
見
(
み
)
たものが、
墓場
(
はかば
)
に
入
(
い
)
ってからひどい
辱
(
はずか
)
しめを
受
(
う
)
けたりします。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
危
(
あやう
)
くお杉
婆
(
ばばあ
)
に殺される所を、若旦那が早く気が
注
(
つ
)
いたんで、お杉の方が
反対
(
あべこべ
)
に穴の底へ
墜落
(
おっこ
)
ちて死んだんですとさ。何でも人の話で聞くと、お杉婆の身体は
粉微塵
(
こなみじん
)
になって居ましたとさ。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
そこで今度は攻勢に出て、こッちから
反対
(
あべこべ
)
に前へ出てゆくと、向うも少し気味がわるくなったとみえ、ジリジリあとへもどりましたが、突然、ピカッとしたものを真ッ直に向けてきました。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これ以上に感動しろというのは無理なことで、もし感動しないのが悪いと
仰
(
おっ
)
しゃるなら、この光景を平気で見ておられる貴方を、
反対
(
あべこべ
)
に私が告発して差支ないという理窟になるではありませんか
青蠅
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
それが
反対
(
あべこべ
)
に西洋にはこういう例があるの日本の医者がこういうのと悪い
言草
(
いいぐさ
)
の種ばかり覚えて今更お代をイヤがるとは
以
(
もっ
)
ての
外
(
ほか
)
だ。
己
(
おれ
)
たちが相談ずくで
極
(
き
)
めたのだ。イヤもオーもあるものか。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
聴けばある坂道で、剛力先生
凹垂
(
へこた
)
れて容易に動かばこそ、仕方がないので、衣水子金剛力を出して、エイヤエイヤと剛力の尻を押上げたとの事。これではまるで
反対
(
あべこべ
)
だ。呆れ返った剛力どのかな。
本州横断 癇癪徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
私が何とかいって
蔑
(
くさ
)
すと、今までと打って変って
反対
(
あべこべ
)
に、「それは君、君は誤解している。紅葉は
开
(
そ
)
んな男じゃない。君、今度は十分肝胆を
披瀝
(
ひれき
)
して話して見給え、」と
俄
(
にわか
)
に紅葉の弁護を
做初
(
しだ
)
した。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
西川一草亭氏はこれとは
反対
(
あべこべ
)
に、物を食べる時には、その値段から切り離して持前の味のみを味はひ
度
(
た
)
いと言つてゐる。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
下手人がしらばくれて、(死)をたしかめに来たものらしい。わざと化されて、怪まぬように見せて
反対
(
あべこべ
)
に化かしてやった。油断をするに
相違
(
ちがい
)
無い。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
斯うして会場の正面に
座
(
す
)
ゑられた敬之進を見ると、今度は
反対
(
あべこべ
)
に彼の古壁に倚凭つた娘のことを思出したのである。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「まるで
反対
(
あべこべ
)
ね。私は夏中置いたらあの不良少女に誘惑されるだろうと思って心配しているんでございますよ」
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
小坊主の癖に生意気だから投げ飛ばしてやろうと思って、相撲をとってみると
反対
(
あべこべ
)
に投げ飛ばされるので、これはおかしいと思ってまたかかって往くとまた投げ飛ばされる。
鷲
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
時々紋太郎がこんなことを云うと却って用人三右衛門の方が昔と
反対
(
あべこべ
)
に慰めるのであった。
大鵬のゆくえ
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ところが親爺の腹のなかでは、それが全く
反対
(
あべこべ
)
に解釈されてしまった。何をしようと血肉の親子である。子が親に対する
天賦
(
てんぷ
)
の
情合
(
じょうあい
)
が、子を取扱う方法の
如何
(
いかん
)
に
因
(
よ
)
って変る
筈
(
はず
)
がない。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
第一此罪人を男か女かとお考えなさい、アノ傷で見れば
死
(
しぬ
)
る迄に余ほど闘った者ですが女ならアレほど闘う中に早く男に刃物を
奪取
(
うばいとら
)
れて
反対
(
あべこべ
)
に殺されます、又背中の傷は
逃
(
にげ
)
た証拠です
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
茶袋だと此方で一本といふところを
反対
(
あべこべ
)
にもう廃せと云ひますは、あゝ好い心持になりました、歌ひたくなりましたな、歌へるかとは情ない、松づくしなぞは彼奴に賞められたほどで
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
お徳はどうかすると
譏謔
(
あてこすり
)
を言い兼ないがお源さんにそんなことでもすると大変よ、
反対
(
あべこべ
)
に
物言
(
ものいい
)
を附けられてどんな目に
遇
(
あ
)
うかも知れんよ、私はあの亭主の磯が気味が悪くって成らんのよ。
竹の木戸
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
お前の
阿母
(
おっか
)
さんや
𤢖
(
わろ
)
だろう。それだから、若旦那の方こそお前さん達を
怨
(
うら
)
んでも
可
(
い
)
いのに、お前さんの方で
反対
(
あべこべ
)
に若旦那を怨むなんて、早く云えば
外道
(
げどう
)
の
逆恨
(
さかうらみ
)
で、理屈が
全然
(
まるで
)
間違っているんだよ。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
反対
(
あべこべ
)
に
眉間
(
みけん
)
に石を
叩
(
たゝ
)
き付けられて、傷を負つた者は
幾人
(
いくたり
)
もある。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
で、これを
反対
(
あべこべ
)
に
他人
(
ひと
)
に芸をさせて、それで食つて
往
(
ゆ
)
く事が出来たなら、そんな結構な事はない筈だと、色々思案の末が、ふといゝ考へを思ひついた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
今
行
(
ゆ
)
かっしゃるのは
反対
(
あべこべ
)
に秋谷の方じゃ。……はてな、と思うと、変った事は、そればかりではござりませぬよ。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
成程、父の厳しい性格を考へる度に、自分は反つて
反対
(
あべこべ
)
な方へ
逸出
(
ぬけだ
)
して行つて、自由自在に泣いたり笑つたりしたいやうな、
其様
(
そん
)
な
思想
(
かんがへ
)
を持つやうに成つた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
門から玄関までの長い家へ行くと
帰途
(
かえり
)
には出て来てから屹度
反対
(
あべこべ
)
の方角へ向う。子供の時分の話だが、自分の学校が分らなくなって巡査に訊いたことさえあるんだからね
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
だから、恐らく学問などは習う必要はないだろう。ひとつ
反対
(
あべこべ
)
に弟子でも取って、お前さんの方で教授するかな。……いや待ったり他のことがある、生花や茶の湯を習うがいい。
神秘昆虫館
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ただ御米に遠慮がある上に、それほど気が進まなかったので、つい口へ出さなかったまでだから、細君からこう
反対
(
あべこべ
)
に相談を掛けられて見ると、
固
(
もと
)
よりそれを
拒
(
こば
)
むだけの勇気はなかった。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
次に又
最
(
もう
)
一本同じ位の毛をお抜なさい、イエナニ何本も抜には及びません唯二本で試験の出来る事ですから
僅
(
わずか
)
に
最
(
もう
)
一本です、
爾々
(
そう/\
)
、今度は其毛を前の毛とは
反対
(
あべこべ
)
に根を左り向け末を右向て
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
(おや、
反対
(
あべこべ
)
に往ってたか)
春心
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
西洋の習慣で男子の外套は左から右に合はせるのに、女子のはそれと
反対
(
あべこべ
)
に右から左に合せることになつてゐるが、その
理由
(
わけ
)
を知つてゐる人はたんと有るまい。
茶話:06 大正十一(一九二二)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
敵
(
むこう
)
が使ってる道具を
反対
(
あべこべ
)
にこっちで使われたんだね、別なこたあねえ、知事様がお豪いのでござりますだ。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「シッカリものだが何だ」こう以前の自分とは
反対
(
あべこべ
)
なことを言って、家へ戻って来た。彼は自分の家の内に、居ないおせんを捜した。幾つかある部屋部屋へ行って見た。
刺繍
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
“反対”の意味
《名詞》
反対(はんたい)
対になるものの一方。対義的なもの。
あるものに対して位置や向き、順序、ありかた、言動などが逆の関係にあること。対称的、また対照的であること。
予想や意図と逆の結果になること。
ある命題に対して否定を主張すること。提案などに否定的な意思表示をすること。
(出典:Wiktionary)
反
常用漢字
小3
部首:⼜
4画
対
常用漢字
小3
部首:⼨
7画
“反対”で始まる語句
反対者
反対返
反対窖道
反対的態度