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償
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つぐな
ふりがな文庫
“
償
(
つぐな
)” の例文
それだけでも既にこのダムの建設に要した経費は、十分に
償
(
つぐな
)
われたといっていいかも知れない。ところが、更に驚くべきことがある。
アメリカの沙漠
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
これを化して良田沃野となして、外に失いしところのものを内にありて
償
(
つぐな
)
わんとするのがそれがダルガスの夢であったのであります。
デンマルク国の話:信仰と樹木とをもって国を救いし話
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
一
方
(
ぱう
)
貿易外
(
ぼうえきぐわい
)
の
受取超過額
(
うけとりてうくわがく
)
が
毎年
(
まいとし
)
一
億
(
おく
)
六七千
萬圓
(
まんゑん
)
あるから
大體
(
だいたい
)
に
於
(
おい
)
て
昨年
(
さくねん
)
の
海外支拂勘定
(
かいぐわいしはらひかんぢやう
)
は
受取勘定
(
うけとりかんぢやう
)
で
償
(
つぐな
)
ひ
得
(
う
)
ることとなつたのである。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
平次の探索が身近く來て、不意にお桃の方へ外れると知るや、忠義な番頭の佐助は其處で首を
縊
(
くゝ
)
つて、罪の
償
(
つぐな
)
ひをして了つたのです。
銭形平次捕物控:107 梅吉殺し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その消息の端に、「——
過
(
あやま
)
って、雨露次の妻へ、毒物を与えた。過失といえ、悔恨にたえぬ。何とか、罪の
償
(
つぐな
)
いをしてやってほしい」
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
イエ何、御方様の御指図でござりましたので、……私はただ私の不調法を
償
(
つぐな
)
いましょうばっかりに、一生懸命に致しましたことで。
雪たたき
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
領主 ロミオはチッバルトを、チッバルトはマーキューシオーを
殺
(
ころ
)
したとすれば、マーキューシオーの
血
(
ち
)
を
償
(
つぐな
)
ふべき
者
(
もの
)
は
誰
(
た
)
れぢゃ?
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
家賃や間代を先取した家主が
店子
(
たなこ
)
に向って濡れた着物の損害を
償
(
つぐな
)
ってやった話は聞いた事がない。大岡政談などにも無かったようである。
仮寐の夢
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
が、その程度の
償
(
つぐな
)
ひとして充分あの時
追悼
(
ついとう
)
はしてやつた——彼はまた幾らか奉公人に酷な所もなかつたかと省みられる
節
(
ふし
)
もないではない。
老主の一時期
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
ここで神樣たちが相談をしてスサノヲの命に澤山の品物を出して罪を
償
(
つぐな
)
わしめ、また
鬚
(
ひげ
)
と
手足
(
てあし
)
の爪とを切つて逐いはらいました。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
神の愛は彼女のやうな愛を
償
(
つぐな
)
つて余りある程大きなものではない。兄弟よ、之がわしの若い時の話なのだ。忘れても女の顔は見ぬがいゝ。
クラリモンド
(新字旧仮名)
/
テオフィル・ゴーチェ
(著)
和煦
(
わく
)
の作用ではない
粛殺
(
しゅくさつ
)
の運行である。
儼
(
げん
)
たる天命に制せられて、無条件に生を
享
(
う
)
けたる
罪業
(
ざいごう
)
を
償
(
つぐな
)
わんがために働らくのである。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
隣国
支那
(
シナ
)
でいう
聘金
(
へいきん
)
が、今までの養育費を
償
(
つぐな
)
う意味であるらしきに反して、
此方
(
こちら
)
は是から入用なものを貰って行くかわりである。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
じっと其の声に聞き入りながら、もう大分移った六日月の影を眼で追って、私は始めて今日一日の騒がしい行動の
償
(
つぐな
)
いをなし得たと思った。
六日月
(新字新仮名)
/
岩本素白
(著)
士は
過
(
あやまち
)
なきを貴しとせず、過を改むるを貴しと為す。善く過を改むるは
固
(
もと
)
より貴しと為すも、善く過を
償
(
つぐな
)
うを尤も貴しと為す。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
而して自らの受けたる害を
償
(
つぐな
)
ふことを得るは、甚だ稀なる塲合なり。己れが受けたる害の為に、
対手
(
あひて
)
に向つて之に相当なる害を与ふるにあり。
復讐・戦争・自殺
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
是故に己が
價値
(
ねうち
)
によりていと重くいかなる
天秤
(
はかり
)
をも
引下
(
ひきさ
)
ぐる物にありては、他の
費
(
つひえ
)
をもて
償
(
つぐな
)
ふことをえざるなり 六一—六三
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
「いや、どうもこの頃は
咽喉
(
のど
)
を痛めているもんですから——それより『城』の売行きはどうです? もう収支
償
(
つぐな
)
うくらいには行くでしょう。」
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
姫の咎は、姫が
贖
(
あがな
)
ふ。此寺、此二上山の下に居て、身の
償
(
つぐな
)
ひ、心の償ひしたと姫が得心するまでは、還るものとは
思
(
おも
)
やるな。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
僕もそんな不愉快なことほぜくり返す気イないねんよって、こいから後、本気で罪の
償
(
つぐな
)
いする決心あるかないか、それ聞かしてくれたらええ。
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
父は始終、伯父が私たちに財産を
遺
(
のこ
)
して呉れることによつて失敗の
償
(
つぐな
)
ひをしてくれるだらうといふ望を抱き通してゐました。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
世の中に人間ほど貴い者はない、物はこれを
償
(
つぐな
)
うことが出来るが、いかにつまらぬ人間でも、一のスピリットは他の物を以て償うことは出来ぬ。
我が子の死
(新字新仮名)
/
西田幾多郎
(著)
それは、自分の失策を
償
(
つぐな
)
うために、京子を
愧死
(
きし
)
せしめることである。人間として、そんなことは死んでもいえなかった。
第二の接吻
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
だからそれを
償
(
つぐな
)
うために米友を片輪にしたら承知ができるだろう。しかし米友は跛足であってもう片輪になっている。
大菩薩峠:11 駒井能登守の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
その眼付は慈悲を施して罪の
償
(
つぐな
)
いをするようにと私に懇願したのでした。それで、助力と権力とを求めましたが無駄だったので苦しんでいるのです。
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
お身はまだ
羞
(
はず
)
かしいことを知っているし、その羞かしいものの
償
(
つぐな
)
いを世の人におくる善良さを持って、それを
挨拶
(
あいさつ
)
として殿中と別れようとしていられる
花桐
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
人殺しの罪を
償
(
つぐな
)
うためか、それとも病苦に堪えないためか、それらを説明するような書置なども残してなかった。
水鬼
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
しかし、いずれにしても、専務が自分の食い込みを、無価値な担保を有価値に見せかけて
償
(
つぐな
)
っている以上、その欠損は早晩表面に現れるに違いなかった。
上海
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
……私は貴女に思う存分に恨みを晴らして頂くよりほかに父の……父の罪の
償
(
つぐな
)
い
方法
(
かた
)
を知らないのですから……。
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
した
揚句
(
あげく
)
、自殺と出掛けても娑婆から借金取りが無線で押し寄せるなぞ、
洒落
(
しゃれ
)
にもならない。この世の悪事は、すべて
自
(
みずか
)
らが
償
(
つぐな
)
わねばならなくなるわけだネ
十年後のラジオ界
(新字新仮名)
/
海野十三
、
佐野昌一
(著)
政府もし国法の趣意を達すること能わずして人民に損亡を蒙らしむることあらば、その
高
(
たか
)
の多少を論ぜずその事の新旧を問わず、必ずこれを
償
(
つぐな
)
わざるべからず。
学問のすすめ
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
……
償
(
つぐな
)
いも捨てた。……僕は
世捨人
(
よすてびと
)
だ。僕はたったひとりだ。僕は世間の者達からは気違いとして葬られた。都では、ただ一人の正しいものをこう呼んでいる。
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
ふり立て如何に請人六右衞門此久八の
盜賊
(
たうぞく
)
めが五十兩と言大金を
汝
(
おのれ
)
が
奢
(
おご
)
りに遣ひ捨て
引負
(
ひきおひ
)
成
(
なし
)
たる上からは
直
(
すぐ
)
に當人久八を引取
行
(
ゆき
)
五十兩の金子を
償
(
つぐな
)
ひたる上本金を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
聴かないもんだから、今じゃその
償
(
つぐな
)
いをしなけりゃならん。みんな身から出た錆だ。誰も怨むでないぞ。
女房ども
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
それはある
場合
(
ばあひ
)
、ある
心
(
こゝろ
)
の
状態
(
じやうたい
)
の時には、さういふことも考へないではなかつたけれど、
離婚
(
りこん
)
をもつてその
悔
(
くい
)
を
償
(
つぐな
)
ふものだとは
決
(
けつ
)
して思はなかつたらうと思ひます。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
宝石商
(
ほうせきしょう
)
は、この
損
(
そん
)
をきっと
償
(
つぐな
)
うだけの
宝石
(
ほうせき
)
をもう一
度
(
ど
)
、
北
(
きた
)
の
国
(
くに
)
へいって
集
(
あつ
)
めてこなければならないと
決心
(
けっしん
)
しました。
彼
(
かれ
)
の
頭
(
あたま
)
の
中
(
なか
)
はそのことでいっぱいになりました。
宝石商
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
『ほかにもわけはありましょうが、神様はわしをここに置いて、村の人達がひどくしたお前さん方に、出来るだけの
償
(
つぐな
)
いをするようにとのお心だと思いますのじゃ。』
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
金で
償
(
つぐな
)
うにも償えぬ過失をした時の辛さったらなかった。私は時々、金の代りに体刑を課せられた。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
雖然其苦痛を
償
(
つぐな
)
ふだけの滿足もあツたのだから、何うにか此うにかおツ
怺
(
こら
)
へては經てゝ來た。滿足とはガラスを
透
(
すか
)
して見てゐた花を手に取ツて頬ずりしたことであツた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
反対にまた、この苦悩の
償
(
つぐな
)
ひとして払はれるには、安すぎるとの腹立しさもないでもない。いづれにしても、人間の精神が
愚弄
(
ぐろう
)
されてゐるやうな憂欝が頭をもたげて来る。
大凶の籤
(新字旧仮名)
/
武田麟太郎
(著)
『やっぱりあいつがやったんだわい』と大屋さんはまたこのことを云いふらしたそうですが、その実お侍さんは、大事な刀を売りはらって、その金で
償
(
つぐな
)
ったのだそうです。
猿ヶ京片耳伝説
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
その間これから学生となるべき者たちは学校に自分たち自身を適応させつつあるといわれる。こういった手落ちのためにつぎつぎの世代が
償
(
つぐな
)
いをしなければならないのだ。
森の生活――ウォールデン――:02 森の生活――ウォールデン――
(新字新仮名)
/
ヘンリー・デイビッド・ソロー
(著)
「まァ放してみるがいい。もし鶉が死んでしまったら、その方に十分
償
(
つぐな
)
いをしてとらせる。」
王成
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
自分はそこに自分の過失を
償
(
つぐな
)
い、生かし、いなむしろその過失によっていっそう完きものに近づく知恵を獲得することができたと思っている。この書はその過程の記録である。
愛と認識との出発
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
「今度は発憤したんだから
償
(
つぐな
)
いをつける。早速だ。何か話し給え。読んだ本があるだろう」
田園情調あり
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
いよいよ
出立
(
しゅったつ
)
の日妾に向かい、内地にては常に郷里のために目的を
妨
(
さまた
)
げられ、万事に失敗して
御身
(
おんみ
)
にまで非常の心痛をかけたりしが、今回の
行
(
こう
)
によりて、
聊
(
いささ
)
かそを
償
(
つぐな
)
い得べし。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
海抜高一、六○○米、気温は最高二五度、最低六度のところで、玄武岩質の赤土地帯で、茶の生育には、気候条件の不利を
償
(
つぐな
)
つてあまりある由なのだと、富岡が説明してくれた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
しかしその
償
(
つぐな
)
いにともちゃんを得た以上、不平をいわないでくれ。な、そうしておまえは新たに戸部の弟として新生面を開いてくれ。俺たちはそれを待っているから。じゃさよなら。
ドモ又の死
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
あの十字架にかかったキリスト、一切の人々の罪を
償
(
つぐな
)
うために、すべての人々の
救済
(
すくい
)
のために、十字架にかかったとすれば、そのキリストのこころこそ、まさしく菩薩のこころです。
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
不景気の折に一円三十銭で雇い入れた
儘
(
まま
)
であり、人間も多少は入れかわったが、最初は六人居ったが、収支が
償
(
つぐな
)
わず、現在では四人居るのだが、一人だけ上げるわけには行かないから
糞尿譚
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
償
常用漢字
中学
部首:⼈
17画
“償”を含む語句
報償
辨償
賠償
無償
相償
代償
弁償
賠償金
無代償
抽籤償還
償金
無償働
償却
要償金
代償物
贖償
不買歌鬟償
返還賠償
追償