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両手
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りやうて
此の
按摩杖を
力に、
川べりの
水除け
堤へ
来ると、
杖の
先へ
両手をかけて、ズイと
腰を
伸ばし、
耳欹てゝ
考えて
居る
様子、——と
言ふ。
こは
何事やらんと
胷もをどりて
臥たる
一間をはせいでければ、
家の
主両手に
物を
提、水あがり也とく/\
裏の
掘揚へ
立退給へ、といひすてゝ持たる物を二階へ
運びゆく。
へえゝ……
成程……
是は……あゝ(
両手を
合せ
拝み)
有難う
存じます、
南無薬師瑠璃光如来、お
庇陰を
以ちまして
両眼とも
明かになりまして、誠に
有難う
存じます……
成程ウ
是は手でございますか。
麪麺を買ひ
紅薔薇の花もらひたり爽やかなるかも
両手に持てば
其処でもう
所詮叶はぬと
思つたなり、これは
此の
山の
霊であらうと
考へて、
杖を
棄てゝ
膝を
曲げ、じり/\する
地に
両手をついて
と
云ひながら
両手を
合せ、梅
袖は
両方から
振が
合つて、
乳のあたりで、
上下に
両手を
重ねたのが、ふつくりして、
中に
何か
入つて
居さうで、……
駆けて
行つて
と
親しげに
身を
寄せて、
顔を
差覗いて、いそ/\していふと、
白痴はふら/\と
両手をついて、ぜんまいが
切れたやうにがつくり一
礼。
堪へよ、
暫時、
製作に
骨を
削り、
血を
灌いで、…
其の
苦痛を
償はう、と
城ヶ
沼に
対して、
瞑目し、
振返つて、
天守の
空に
高く
両手を
翳して
誓つた。
魚が
寄ると
見れば、
網を
揚げる、
網を
両手で、ぐい、と
引いて、
目も
心も
水に
取られる
時の
惨憺さ。
手をあげて
黒髪をおさへながら
腋の
下を
手拭でぐいと
拭き、あとを
両手で
絞りながら
立つた
姿、
唯これ
雪のやうなのを
恁る
霊水で
清めた、
恁云ふ
女の
汗は
薄紅になつて
流れやう。
駅員の
一人は、
帽子とゝもに、
黒い
頸窪ばかりだが、
向ふに
居て、
此方に
横顔を
見せた
方は、
衣兜に
両手を
入れたなり、
目を
細め、
口を
開けた、
声はしないで、あゝ、
笑つてると
思ふのが