三郎さぶろう)” の例文
ぼくたちだって、そのかわり、くりや、どんぐりを、ひろうことができないのだから、おんなじこった。」と、三郎さぶろうさんはおもいました。
おかめどんぐり (新字新仮名) / 小川未明(著)
その志津子さんには、喜田川三郎さぶろうという凡そ『似もつかぬ』感情と生活様式と教養とを持った良夫おっとのあったことも皆様は御存じの筈です。
三郎さぶろうひとり、上をまわっておよいでげたら、しゅっこはすぐにいて、おさえたほかに、うでをつかんで、四、五へんぐるぐる引っぱりまわした。
さいかち淵 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
むかし、三にんの男の子をったおかあさんがありました。総領そうりょう太郎たろうさん、二ばんめが次郎じろうさん、いちばんすえのごく小さいのが、三郎さぶろうさんです。
物のいわれ (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
こぼれ糸さでにつくりて魚とると二郎じろう太郎たろう三郎さぶろう川に日くらす
曙覧の歌 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
三郎さぶろうさまと申のなり此頃このごろたまひしは和女そなた丁度ちやうど不在るすときよ一あしちがひに御歸宅ごきたくゆゑらぬのは道理どうりひかけてお八重やへかほさしのぞき此願このねがかなはゞ生涯しやうがい大恩だいおんぞかしくどうははぬこゝろこれよとはすうれしきいろはあらはれたり
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
三郎さぶろう野原のはらなかしました。ほかの二人ふたりももときたみちをもどりました。すると、だれやら、三郎さぶろうあとっかけてきました。
空色の着物をきた子供 (新字新仮名) / 小川未明(著)
太郎たろう次郎じろうはそっと相談そうだんをしていますと、おくではもりもり山姥やまうば三郎さぶろうべるおとが、だんだんたかこえました。
物のいわれ (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「さっぱり魚、浮ばなぃよ。」三郎さぶろうさけんだ。しゅっこはびくっとしたけれども、まだ一しんに水を見ていた。
さいかち淵 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
三郎さぶろうや、あんなに、ご近所きんじょでやかましくおっしゃるのだから、ボンを、だれかほしいというひとがあったら、やったらどうだい。」
少年の日の悲哀 (新字新仮名) / 小川未明(著)
まもなく、小指こゆびぐらいの茶いろなかじかが、横向よこむきになって流れて来たので、ろうとしたら、うしろのほうで三郎さぶろうが、まるでうりをすするときのような声を出した。
さいかち淵 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
おくるのは山姥やまうばにちがいない。山姥やまうばがおかあさんにけて、三郎さぶろうちゃんをべているのだよ。ぐずぐずしていると、こんどはわたいたちがべられる。はやげよう、げよう。
物のいわれ (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
おもって、三郎さぶろうくちにボンのびながら、あっちこっちとさがしてあるきました。けれど、ついにそのかげかたちなかったのです。
少年の日の悲哀 (新字新仮名) / 小川未明(著)
三郎さぶろう、この時間うな木ペン使つかってがら、おれさせな。」キッコがとなりの三郎に云いました。
みじかい木ぺん (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
三郎さぶろうは、しばらくってこのようすをていましたが、ボンは、いまだ三郎さぶろうつけませんでした。そこで三郎さぶろう口笛くちぶえらしました。
少年の日の悲哀 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「高田三郎さぶろうさんです。」
風の又三郎 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
小僧こぞうさんの三郎さぶろうといって、田舎いなかから、この叔父おじさんをたよってきたのです。そして、いまの製菓工場せいかこうじょう見習みなら小僧こぞうはいったのでした。
波荒くとも (新字新仮名) / 小川未明(著)
「なんだろうね、あの人形にんぎょうは? くちからていたよ。ぼくはあんなすごい人形にんぎょうたことがないよ。」と、三郎さぶろうがいいました。
空色の着物をきた子供 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あるのこと、まさちゃんは、大将たいしょうとなって、近所きんじょちいさなヨシさんや、三郎さぶろうさんたちといっしょにはらっぱへじゅずだまりにゆきました。
左ぎっちょの正ちゃん (新字新仮名) / 小川未明(著)
「ああきみかい。ぼくは、またじいさんがおいかけてきたのかとおもって、いっしょうけんめいにげたよ。」と、三郎さぶろうははじめて安心あんしんしました。
空色の着物をきた子供 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「おまち、ポチ、おまち。」といって、三郎さぶろうはそのあといましたけれど、ポチは、さっさと、帽子ぼうしをくわえてどこへかいってしまいました。
頭をはなれた帽子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
みんなは、三郎さぶろうさんのまわりにたかって、はなれないのでした。そのうち、うばいから、けんかをはじめたのであります。
おかめどんぐり (新字新仮名) / 小川未明(著)
かあさんは、じつにものの道理どうりのわからないひとでありましたけれど、おとうと三郎さぶろうはこのあねしたい、そのいうことをよくきく、いいでありました。
めくら星 (新字新仮名) / 小川未明(著)
三郎さぶろうさんは、さっそく、孝二こうじくんに、れいをいってやりました。それから、そのうちに、また雑誌ざっしおくるからときました。
おかめどんぐり (新字新仮名) / 小川未明(著)
三郎さぶろうは、往来おうらいで、いぬあそんでいるうちに、ふいに、自分じぶんのかぶっていた帽子ぼうしをとって、これをいぬあたまにかぶせました。
頭をはなれた帽子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、あとにきたおかあさんにまれた、おとうと三郎さぶろうりをしたり、自分じぶんのできるかぎりの世話せわをしたのであります。
めくら星 (新字新仮名) / 小川未明(著)
三郎さぶろうさんも、ヨシさんも、いってみたかったのだけれど、まさちゃんが、いっしょうけんめいで、じゅずだまをとおしているのでゆくことができませんでした。
左ぎっちょの正ちゃん (新字新仮名) / 小川未明(著)
たくさん子供こどもたちが、わいわいとあつまってきました。ヨシさんも、三郎さぶろうさんも、我慢がまんがしきれなくなって、とうとう、そっちへかけしていってしまいました。
左ぎっちょの正ちゃん (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、なつかしい真実ほんとうのおかあさんにあうこともできれば、また三郎さぶろうさんの大事だいじにしていたとりを、世界せかいじゅうめぐりめぐってさがすこともできるだろうとおもいました。
めくら星 (新字新仮名) / 小川未明(著)
その三郎さぶろうも、いぬも、工夫こうふも、そして、電信柱でんしんばしらも、この帽子ぼうし行方ゆくえについてることができなかった。ただひとり、つきだけは、世界せかいじゅうをたびしますので、それをりました。
頭をはなれた帽子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
三郎さぶろうは、また病気びょうきがなおって、これも来月らいげつのはじめから、工場こうばかえることになりました。二人ふたりは、ここ数日間すうじつかんたのしくあそぼうと緑色みどりいろつつみうえまで、てきたのでした。
波荒くとも (新字新仮名) / 小川未明(著)
叔父おじさんは、足音あしおとをたてぬようにして、三郎さぶろうているへやへはいりました。
波荒くとも (新字新仮名) / 小川未明(著)
三郎さぶろうは、かたをならべて、おうちほうかえりました。
春の日 (新字新仮名) / 小川未明(著)