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風雅
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ふうが
ふりがな文庫
“
風雅
(
ふうが
)” の例文
雪を
掃
(
はら
)
ふは
落花
(
らくくわ
)
をはらふに
対
(
つゐ
)
して
風雅
(
ふうが
)
の一ツとし、
和漢
(
わかん
)
の
吟咏
(
ぎんえい
)
あまた見えたれども、かゝる大雪をはらふは
風雅
(
ふうが
)
の
状
(
すがた
)
にあらず。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
河部
(
かわべ
)
の渡しで死んだとき、彼は胸に大海の茶入れを
懸
(
か
)
けていたという。あの
豪骨
(
ごうこつ
)
でも、やさしい
風雅
(
ふうが
)
の一面があったとみえる。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
竹はだんだん彼にうるさい思いをさせ、よわよわしい末流の
風雅
(
ふうが
)
につき落されそうで、危なくてひやひやしてならなかった。
生涯の垣根
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
渡る。橋の少し上にドン/\がある。低いけれどやっぱり滝だから、一寸
風雅
(
ふうが
)
を添えている。僕はあすこを通ると、ついその小説を思い出すんだ
田園情調あり
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
しかし
琴
(
こと
)
、
生花
(
いけばな
)
、
茶道
(
さどう
)
によって教育され、和歌や昔物語によって、物のあわれの
風雅
(
ふうが
)
を知ってた彼の妻は、良人と共に、その楽しみを別ち味わうことができた。
小泉八雲の家庭生活:室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
▼ もっと見る
引連
(
ひきつれ
)
出
(
いで
)
はしたれど
騷
(
さわが
)
しき所は素より好まねば
王子
(
わうじ
)
邊
(
あたり
)
へ立越て
楓
(
かへで
)
の
若葉
(
わかば
)
若緑
(
わかみどり
)
を
眺
(
ながめ
)
んにも又上野より
日暮
(
ひぐらし
)
里などへ掛る時は
渠
(
かれ
)
醉人の多くして
風雅
(
ふうが
)
を妨げ
面白
(
おもしろ
)
からねば音羽通を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
そこへ
汚
(
きた
)
ない支那人が二三人、
奇麗
(
きれい
)
な
鳥籠
(
とりかご
)
を
提
(
さ
)
げてやって来た。支那人て
奴
(
やつ
)
は
風雅
(
ふうが
)
なものだよ。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
かくのごときは人工の美にして
天然
(
てんねん
)
の美にあらず、谷深き山路に春を訪ね花を探りて歩く時流れを
隔
(
へだ
)
つる
霞
(
かすみ
)
の
奥
(
おく
)
に思いも寄らず啼き出でたる藪鶯の声の
風雅
(
ふうが
)
なるに
如
(
し
)
かずと
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
只〻數多き
公卿
(
くげ
)
殿上人
(
てんじやうびと
)
の中にて、
知盛
(
とももり
)
、
教經
(
のりつね
)
の二人こそ
天晴
(
あつぱれ
)
未來事
(
みらいこと
)
ある時の大將軍と覺ゆれども、これとても
螺鈿
(
らでん
)
の
細太刀
(
ほそだち
)
に
風雅
(
ふうが
)
を誇る六波羅上下の武士を如何にするを得べき。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
梅の花ぢやよ、——
巣鴨
(
すがも
)
のさる御屋敷の庭に、大層見事な梅の古木がある。この二三日は丁度盛りで、時には
鶯
(
うぐひす
)
も來るさうぢや。場所が場所だから、
俗
(
ぞく
)
も
風雅
(
ふうが
)
も一向寄り付かない。
銭形平次捕物控:027 幻の民五郎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
十一日午前七時青森に着き、田中
某
(
ぼう
)
を
訪
(
と
)
う。この行
風雅
(
ふうが
)
のためにもあらざれば
吟哦
(
ぎんが
)
に首をひねる事もなく、追手を
避
(
さ
)
けて
逃
(
に
)
ぐるにもあらざれば
駛急
(
しきゅう
)
と足をひきずるのくるしみもなし。
突貫紀行
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
水
(
みず
)
くきのあとも
細々
(
ほそぼそ
)
と、
流
(
なが
)
したように
書
(
か
)
きつらねた
木目
(
もくめ
)
の
浮
(
う
)
いた
看板
(
かんばん
)
に、
片枝折
(
かたしおり
)
の
竹
(
たけ
)
も
朽
(
く
)
ちた
屋根
(
やね
)
から
柴垣
(
しばがき
)
へかけて、
葡萄
(
ぶどう
)
の
蔓
(
つる
)
が
伸
(
の
)
び
放題
(
ほうだい
)
の
姿
(
すがた
)
を、三
尺
(
じゃく
)
ばかりの
流
(
なが
)
れに
映
(
うつ
)
した
風雅
(
ふうが
)
なひと
構
(
かま
)
え
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
牧之
(
ぼくし
)
老人は
越後
(
ゑちご
)
の
聞人
(
ぶんじん
)
なり。
甞
(
かつて
)
貞介朴実
(
ていかいぼくじつ
)
を
以
(
もつて
)
聞
(
きこ
)
え、
屡
(
しば/\
)
県監
(
けんかん
)
の
褒賞
(
はうしやう
)
を
拝
(
はい
)
して氏の
国称
(
こくしよう
)
を
許
(
ゆるさ
)
る。
生計
(
せいけい
)
の
余暇
(
よか
)
風雅
(
ふうが
)
を以四方に
交
(
まじは
)
る。余が
亡兄
(
ぼうけい
)
醒斎
(
せいさい
)
京伝の別号
翁
(
をう
)
も
鴻書
(
こうしよ
)
の
友
(
とも
)
なりしゆゑ、
余
(
よ
)
も
亦
(
また
)
是
(
これ
)
に
嗣
(
つ
)
ぐ。
北越雪譜:05 北越雪譜二編凡例
(新字旧仮名)
/
山東京山
(著)
風雅
(
ふうが
)
の森のそこなひぞ
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
かなり隔てている波越八弥の眼にも、その家の
風雅
(
ふうが
)
な小門にかけてある看板の文字が、ありありとこう読めた。看板の木が新しいからである。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかるに文政のころ此地の
邦君
(
はうくん
)
風雅
(
ふうが
)
をこのみ玉ひしゆゑ、かの二枚
持主
(
もちぬし
)
より奉りければ、吉兵ヱヘ
常信
(
つねのぶ
)
の三幅対に白銀五枚、かの寺へもあつき賜ありて
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
着
(
き
)
持物等
(
もちものとう
)
に至る迄
風雅
(
ふうが
)
でも
無
(
なく
)
意氣
(
いき
)
でも無く
何
(
どう
)
やら金の有さうな
浪人
(
らうにん
)
とお
勇
(
ゆう
)
は大いに重四郎に
惚込
(
ほれこみ
)
しが翌日は上の宮へ
參詣
(
さんけい
)
なし
額堂
(
がくだう
)
にて重四郎はお勇と
只
(
たゞ
)
兩人
差向
(
さしむか
)
ひの
折柄
(
をりから
)
お勇は
煙草
(
たばこ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
しかるに文政のころ此地の
邦君
(
はうくん
)
風雅
(
ふうが
)
をこのみ玉ひしゆゑ、かの二枚
持主
(
もちぬし
)
より奉りければ、吉兵ヱヘ
常信
(
つねのぶ
)
の三幅対に白銀五枚、かの寺へもあつき賜ありて
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
玉造
(
たまつくり
)
の一角。——ここも変らない新開地的な色彩の中に、
難波津
(
なにわつ
)
のむかしのまま、こんもりと青葉の
樹立
(
こだち
)
に抱えられた
一宇
(
いちう
)
の
堂
(
どう
)
と
風雅
(
ふうが
)
な人の
住居
(
すまい
)
の
址
(
あと
)
がある。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
双坡楼
(
そつはろう
)
扇
(
あふぎ
)
をいだして
余
(
よ
)
に
句
(
く
)
を
乞
(
こ
)
ふ、妓も
持
(
もち
)
たる扇を
出
(
いだ
)
す。京水画をなし、余
即興
(
そくきやう
)
を
書
(
しよ
)
す。これを見て
岩居
(
がんきよ
)
をはじめおの/\
壁
(
かべ
)
に
句
(
く
)
を
題
(
だい
)
し、
更
(
さら
)
に
風雅
(
ふうが
)
の
興
(
きやう
)
をもなしけり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「
風雅
(
ふうが
)
の友が
秦代
(
しんだい
)
の
名硯
(
めいけん
)
を手に入れたので、詩会を催すというから、こよいは一人で行ってくる」
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
双坡楼
(
そつはろう
)
扇
(
あふぎ
)
をいだして
余
(
よ
)
に
句
(
く
)
を
乞
(
こ
)
ふ、妓も
持
(
もち
)
たる扇を
出
(
いだ
)
す。京水画をなし、余
即興
(
そくきやう
)
を
書
(
しよ
)
す。これを見て
岩居
(
がんきよ
)
をはじめおの/\
壁
(
かべ
)
に
句
(
く
)
を
題
(
だい
)
し、
更
(
さら
)
に
風雅
(
ふうが
)
の
興
(
きやう
)
をもなしけり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
陣中、
茶事
(
さじ
)
に
耽
(
ふけ
)
り、
風雅
(
ふうが
)
にうつつ抜かす事、言語道断。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
心
(
こゝろ
)
帰家
(
かへりたき
)
にありて
風雅
(
ふうが
)
をうしなひ、
古跡
(
こせき
)
をも
空
(
むな
)
しく
過
(
よぎ
)
り、
惟
(
たゞ
)
平々
(
なみ/\
)
たる
旅人
(
りよじん
)
となりて、きゝおよびたる
文雅
(
ぶんが
)
の人をも
剌問
(
たづね
)
ざりしは今に
遺憾
(
ゐかん
)
なり。
嗟乎
(
あゝ
)
年
(
とし
)
の
倹
(
けん
)
せしをいかんせん。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
風雅
(
ふうが
)
を談じている姿を、
瞼
(
まぶた
)
にえがいた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
風
常用漢字
小2
部首:⾵
9画
雅
常用漢字
中学
部首:⾫
13画
“風雅”で始まる語句
風雅集
風雅人
風雅士
風雅男
風雅癖
風雅和歌集