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雙方
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さうはう
(
家内が。)(
家内が。)と
雙方同音に
云つたが==
毎々お
世話に==と
云ふべき
處を、
同時に
兩方でのみ
込みの
一寸默然。
『
耻かしくもなく
能くこんな
莫迦げた
事が
訊かれたものだ』とグリフォンが
云ひ
足しました。
彼等は
雙方とも
默つた
儘坐つて
憐れな
愛ちやんを
見てゐました。
嫁入つたは
三年の
前、
其當座は
極仲もよう
御座いましたし
雙方に
苦情は
無かつたので
御座いますけれど、
馴れるといふは
好い
事の
惡い
事で、お
互ひ
我まゝの
生地が
出て
參ります
彼等は
漸次家族の
間の
殊に
夫婦の
爭ひに
深入して
却て
雙方から
恨まれるやうな
損な
立場に
嵌つた
經驗があるので、
壞れた
茶碗をそつと
合せるだけの
手數で
巧に
身を
引く
方法と
機會とを
知つて
居た。
雙方行違ふ。サンプソン
指の
爪を
噛んで
見する。
隣に
居た
其の
旅客は、
何處から
乘合せたのか
彼はそれさへ
知らぬ。
其の
上、
雙方とも、もの
思ひに
耽つて、一
度も
言葉は
交さなかつたのである。
と
恐しく
鐵拐に
怒鳴つて、フト
私と
向合つて、……
顏を
見て……
雙方莞爾した。
同好の
子よ、と
前方で
思へば、
知己なるかな、と
言ひたかつた。
親と
親との
許嫁でも、
十年近く
雙方不沙汰と
成ると、
一寸樣子が
分り
兼る。
況や
叔父と
甥とで
腰掛けた
團子屋であるから、
本郷に
住んで
藤村の
買物をするやうな
譯にはゆかぬ。
楕圓形の
葉は、
羽状複葉と
云ふのが
眞蒼に
上から
可愛い
花をはら/\と
包んで、
鷺が
緑なす
蓑を
被いで、
彳みつゝ、
颯と
開いて、
雙方から
翼を
交した、
比翼連理の
風情がある。
又來るよ、とふられさうな
先を
見越して、
勘定をすまして、
潔く
退いた。が、
旅宿へ
歸つて、
雙方顏を
見合せて、ためいきをホツと
吐いた。——
今夜一夜の
籠城にも、
剩すところの
兵糧では
覺束ない。