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閃
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きらめ
ふりがな文庫
“
閃
(
きらめ
)” の例文
其
(
その
)
鋭利
(
えいり
)
なる
三尖衝角
(
さんせんしやうかく
)
は
空
(
そら
)
に
閃
(
きらめ
)
く
電光
(
いなづま
)
の
如
(
ごと
)
く
賊船
(
ぞくせん
)
の
右舷
(
うげん
)
に
霹靂萬雷
(
へきれきばんらい
)
の
響
(
ひゞき
)
あり、
極惡無道
(
ごくあくむだう
)
の
海蛇丸
(
かいだまる
)
は
遂
(
つひ
)
に
水煙
(
すいゑん
)
を
揚
(
あ
)
げて
海底
(
かいてい
)
に
沒
(
ぼつ
)
し
去
(
さ
)
つた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
汝
實
(
まこと
)
にかゝる都——これが名について神々の間にかのごとき爭ひありき、また凡ての知識の光この處より
閃
(
きらめ
)
きいづ——の君ならば 九七—九九
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
泥海
(
ぬかるみ
)
に落つる星の影は、影ながら
瓦
(
かわら
)
よりも
鮮
(
あざやか
)
に、見るものの胸に
閃
(
きらめ
)
く。閃く影に
躍
(
おど
)
る
善男子
(
ぜんなんし
)
、
善女子
(
ぜんにょし
)
は家を
空
(
むな
)
しゅうしてイルミネーションに集まる。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「お房か、ありや
天眞爛熳
(
てんしんらんまん
)
だ。心は確に處女だ!………體だツて………」とまた頭に
閃
(
きらめ
)
く。と、激しく頭を振つて、「何だつて此様なことを考へる。」
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
貫一は彼を
以
(
も
)
て女を
偸
(
ぬす
)
みて
奔
(
はし
)
る者ならずや、と
先
(
まづ
)
推
(
すい
)
しつつ、
尚
(
な
)
ほ如何にやなど、飽かず疑へる間より、
忽
(
たちま
)
ち一片の反映は
閃
(
きらめ
)
きて、
朧
(
おぼろ
)
にも彼の胸の
黯
(
くら
)
きを照せり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
ここに一際夜の雲の
濃
(
こま
)
やかに緑の色を重ねたのは、隅田へ潮がさすのであろう、水の影か、星が
閃
(
きらめ
)
く。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
海
(
うみ
)
の
上
(
うえ
)
は
穏
(
おだ
)
やかで、やがて
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
が
高
(
たか
)
く
上
(
のぼ
)
ると
波
(
なみ
)
は、いっそう
美
(
うつく
)
しく
閃
(
きらめ
)
いて、
前日
(
ぜんじつ
)
までのものすごさはどこへか
消
(
き
)
えてしまい、
帆船
(
ほぶね
)
や、
小船
(
こぶね
)
や、
汽船
(
きせん
)
は
海
(
うみ
)
の
上
(
うえ
)
に
浮
(
う
)
かんで
小さな金色の翼
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
然しジツと物の色に
滲入
(
しみい
)
る光では無く、軽く物の表に
浮
(
うは
)
ついて動く光である。向うから高下駄を
穿
(
は
)
いて、雨傘をさした職工らしい男が来る。番傘がキラ/\と目に
閃
(
きらめ
)
いた。
茗荷畠
(新字旧仮名)
/
真山青果
(著)
狭い掘割の両側には
種々
(
しゆじゆ
)
な樹が繁つて、それが月の光を
篩
(
こ
)
して、美しい
閃
(
きらめ
)
きを水に投げた。
夜
(
よ
)
はしんとして居た。ところ/″\にかゝつてゐる船の
苫
(
とま
)
の中からは灯が見えた。
朝
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
気味悪い眼球のように
閃
(
きらめ
)
いているが、背後の鴨居には、
祝詞
(
のりと
)
を書きつらねた覚え紙が、隙間なく貼り付けられていて、なかには莫大な、信徒の寄進高を記したものなどもあった。
白蟻
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
濡
(
ぬ
)
れて光る夜の町々の灯——白い灯——紅い灯——電線の上から落ちる青い電光の
閃
(
きらめ
)
き——そういうものが窓の
玻璃
(
ガラス
)
に映ったり消えたりした。寂しい雨の中を通る電車の音は余計に私を疲れさせた。
芽生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
閃
(
きらめ
)
く林の
黄色
(
きいろ
)
い日
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
薄
(
すすき
)
の穂を丸く曲げて、左右から重なる金の
閃
(
きらめ
)
く中に織り出した
半月
(
はんげつ
)
の数は分からず。幅広に腰を
蔽
(
おお
)
う藤尾の帯を一尺隔てて
宗近
(
むねちか
)
君と
甲野
(
こうの
)
さんが立っている。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
蛇
(
くちなは
)
も
閃
(
きらめ
)
きぬ、
蜥蜴
(
とかげ
)
も見えぬ、其他の
湿虫
(
しつちう
)
群
(
ぐん
)
をなして、
縦横
(
じうわう
)
交馳
(
かうち
)
し奔走せる
状
(
さま
)
、
一眼
(
ひとめ
)
見るだに胸悪きに、手足を
縛
(
ばく
)
され衣服を
剥
(
は
)
がれ若き
婦人
(
をんな
)
の
肥肉
(
ふとりじし
)
を
酒塩
(
さかしほ
)
に味付けられて
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
もし
木立
(
こだち
)
は、その
煙
(
けむり
)
が、
自分
(
じぶん
)
たちの
屍
(
しかばね
)
を
焚
(
や
)
く
煙
(
けむり
)
であったと
知
(
し
)
ったら、どんなに
驚
(
おどろ
)
いたことでしょう。やがて、
夕日
(
ゆうひ
)
が
沈
(
しず
)
んで
暗
(
くら
)
くなると、
燈火
(
あかり
)
がちらちらと
閃
(
きらめ
)
きはじめました。
縛られたあひる
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
閃
(
きらめ
)
くは
電
(
いなづま
)
か、
轟
(
とゞろ
)
くは
雷
(
いかづち
)
か。
砲火
(
ほうくわ
)
閃々
(
せん/\
)
、
砲聲
(
ほうせい
)
殷々
(
いん/\
)
。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
普門品
(
ふもんぼん
)
、大悲の
誓願
(
ちかい
)
を祈念して、下枝は気息
奄々
(
えんえん
)
と、
無何有
(
むかう
)
の里に入りつつも、
刀尋段々壊
(
とうじんだんだんね
)
と唱うる時、得三は白刃を取直し、電光
胸前
(
むなさき
)
に
閃
(
きらめ
)
き来りぬ。この景この時、室外に声あり。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
山も、空も氷を
透
(
とお
)
すごとく澄みきって、松の葉、枯木の
閃
(
きらめ
)
くばかり、
晃々
(
きらきら
)
と
陽
(
ひ
)
がさしつつ、それで、ちらちらと白いものが飛んで、奥山に、熊が
人立
(
じんりつ
)
して、針を
噴
(
ふ
)
くような雪であった。
眉かくしの霊
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
老爺
(
ぢゞい
)
の
手
(
て
)
にも
小刀
(
こがたな
)
が
動
(
うご
)
く、と
双
(
なら
)
んで
二挺
(
にちやう
)
、
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
に
晃々
(
きら/\
)
と
閃
(
きらめ
)
きはじめた……
掌
(
たなそこ
)
の
木
(
き
)
の
枝
(
えだ
)
は、
其
(
そ
)
の
小刀
(
こがたな
)
の
輝
(
かゞや
)
くまゝに、
恰
(
あたか
)
も
鰭
(
ひれ
)
を
振
(
ふる
)
ふと
見
(
み
)
ゆる、
香川雪枝
(
かがはゆきえ
)
も、さすがに
名
(
な
)
を
得
(
え
)
た
青年
(
わかもの
)
であつた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
小雨
(
こさめ
)
の色、
孤家
(
ひとつや
)
の
裡
(
うち
)
も、媼の姿も、さては炉の中の火さへ淡く、
凡
(
すべ
)
て
枯野
(
かれの
)
に描かれた、幻の如き
間
(
あいだ
)
に、ポネヒル連発銃の銃身のみ、青く
閃
(
きらめ
)
くまで磨ける鏡かと壁を
射
(
い
)
て、
弾込
(
たまごめ
)
したのがづツしり
手応
(
てごたえ
)
。
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
閃
漢検準1級
部首:⾨
10画
“閃”を含む語句
閃々
閃光
一閃
閃電
電閃
閃過
閃閃
閃耀
角閃花崗岩
大閃光
閃刃
閃付
閃影
閃火
紫電一閃
閃刀
閃爍
閃尾
閃弧
閃条
...