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途方
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とはう
ふりがな文庫
“
途方
(
とはう
)” の例文
さうして初めて
途方
(
とはう
)
にくれ、困惑した。初めて身邊をあちこちぐる/\と見まはして、周圍はたゞ
測
(
はか
)
り知られぬ深い淵だと思つた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
すると河の泥に隠れてゐた、
途方
(
とはう
)
もなく大きな
蛭
(
ひる
)
が、その頃はまだ短かつた、お前の先祖の鼻の先へ、吸ひついてしまつたのに違ひない。
動物園
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
御米
(
およね
)
は
猶
(
なほ
)
と
泣
(
な
)
き
出
(
だ
)
した。
宗助
(
そうすけ
)
も
途方
(
とはう
)
に
暮
(
く
)
れて、
發作
(
ほつさ
)
の
治
(
をさ
)
まるのを
穩
(
おだ
)
やかに
待
(
ま
)
つてゐた。さうして、
緩
(
ゆつ
)
くり
御米
(
およね
)
の
説明
(
せつめい
)
を
聞
(
き
)
いた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
震
(
ふる
)
はしアノ
白々
(
しら/″\
)
しいと
言
(
いふ
)
時
(
とき
)
長庵は
顏色
(
がんしよく
)
かへて五十兩には何事ぞや拙者は
更
(
さら
)
に
覺
(
おぼ
)
えなき大金を拙者に渡したなどとは
途方
(
とはう
)
も
無
(
なき
)
事を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
月
(
つき
)
雪
(
ゆき
)
花
(
はな
)
は
魯
(
おろ
)
か
犬
(
いぬ
)
が
子
(
こ
)
を
産
(
う
)
んだとては
一句
(
いつく
)
を
作
(
つく
)
り
猫
(
ねこ
)
が
肴
(
さかな
)
を
窃
(
ぬす
)
んだとては
一杯
(
いつぱい
)
を
飲
(
の
)
み
何
(
なに
)
かにつけて
途方
(
とはう
)
もなく
嬉
(
うれ
)
しがる事おかめが
甘酒
(
あまざけ
)
に
酔
(
ゑ
)
ふと
仝
(
おな
)
じ。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
▼ もっと見る
途方
(
とはう
)
にくれて
其
(
そ
)
の
嫁
(
よめ
)
が
塩原
(
しほばら
)
の
内井戸
(
うちゐど
)
へ
飛込
(
とびこ
)
んで
幽霊
(
いうれい
)
に出るといふのが
潰
(
つぶ
)
れ
初
(
はじ
)
めで、あの大きな
家
(
うち
)
が
潰
(
つぶ
)
れてしまつたが、
何
(
なん
)
とこれは
面白
(
おもしろ
)
い
怪談
(
くわいだん
)
だらう
塩原多助旅日記
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
『
此兒
(
このこ
)
を
私
(
わたし
)
の
弟子
(
でし
)
にするといふのですか
貴樣
(
あなた
)
は?
途方
(
とはう
)
もないこと、
此兒
(
このこ
)
が
私
(
わたし
)
の
師匠
(
しゝやう
)
だ、
私
(
わたし
)
が
此兒
(
このこ
)
に
習
(
なら
)
いたい
位
(
くらゐ
)
だ!』
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
『
否
(
いゝ
)
え、
然
(
さ
)
うではありません』と
云
(
い
)
つて
白兎
(
しろうさぎ
)
は、『
實
(
じつ
)
に
不思議
(
ふしぎ
)
だ』(
陪審官
(
ばいしんくわん
)
は
皆
(
みん
)
な
途方
(
とはう
)
に
暮
(
く
)
れて
了
(
しま
)
ひました)
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
二人は
途方
(
とはう
)
に暮れ、どこへ行くあてもなく、溝に沿つた暗い路地をうろついてゐた。
天国の記録
(旧字旧仮名)
/
下村千秋
(著)
ある
猟人
(
かりうど
)
が、
山
(
やま
)
へ
猟
(
かり
)
にゆきますと、
何処
(
どこ
)
からか
鸚鵡
(
あうむ
)
の
啼声
(
なきごゑ
)
が
聞
(
きこ
)
えます。
声
(
こゑ
)
はすれども
姿
(
すがた
)
は
見
(
み
)
えぬ、
猟人
(
かりうど
)
は
途方
(
とはう
)
にくれて「おまへはどこにゐる」と
言
(
い
)
ひますと「わたしはこ〻にゐる」と
答
(
こた
)
へた。
コドモノスケッチ帖:動物園にて
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
吃驚
(
びつくり
)
したのやら、
呆
(
あき
)
れたのやら、ぎよつとしたのやら、
途方
(
とはう
)
もねえ、と
言
(
い
)
つた
面
(
つら
)
をしたのやら、
手
(
て
)
を
突張
(
つツぱ
)
つて
慌
(
あわ
)
てたのやら、
目
(
め
)
ばかりぱち/\して
縮
(
すく
)
んだのやら、五六
疋
(
ぴき
)
入
(
はひ
)
つたのを
屆
(
とゞ
)
けられた。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
全體
(
ぜんたい
)
何
(
なに
)
が
何
(
ど
)
うしたのだらう、
己
(
お
)
れはお
前
(
まへ
)
に
怒
(
おこ
)
られる
事
(
こと
)
はしもしないに、
何
(
なに
)
が
其樣
(
そん
)
なに
腹
(
はら
)
が
立
(
た
)
つの、と
覗
(
のぞ
)
き
込
(
こ
)
んで
途方
(
とはう
)
にくるれば、
美登利
(
みどり
)
は
眼
(
め
)
を
拭
(
ぬぐ
)
ふて
正太
(
しようた
)
さん
私
(
わたし
)
は
怒
(
おこ
)
つて
居
(
ゐ
)
るのでは
有
(
あ
)
りません。
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「誰でせう。そんな
途方
(
とはう
)
もないことをしたのは」
銭形平次捕物控:177 生き葬ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ドン・キホオテ
流
(
りう
)
に、
途方
(
とはう
)
も無い勇氣を出して
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
途方
(
とはう
)
に暮れた私に
憇
(
いこひ
)
の場所を惠んでくれるやうな氣にさせることは、もうとても出來さうもなく思はれるのであつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
偖質屋よりは今日中
猶豫
(
いうよ
)
致し明日は是非とも
質物
(
しちもつ
)
相流し候旨
斷
(
ことわ
)
りに來りければ文右衞門は
途方
(
とはう
)
にくれ如何はせんと女房お政に
相談
(
さうだん
)
なしけるにお政も
太息
(
といき
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
昔の人で
了簡
(
れうけん
)
が
狭
(
せま
)
いから、
途方
(
とはう
)
に
暮
(
く
)
れてすご/\と
宅
(
うち
)
へ
帰
(
かへ
)
り、
女房
(
にようばう
)
に
一伍一什
(
いちぶしじう
)
を話し、
此上
(
このうへ
)
は
夫婦別
(
ふうふわか
)
れをして、
七歳
(
なゝつ
)
ばかりになる女の子を
女房
(
にようばう
)
に
預
(
あづ
)
けて、
国
(
くに
)
へ
帰
(
かへ
)
るより
仕方
(
しかた
)
がない。
塩原多助旅日記
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私
(
わたし
)
は
途方
(
とはう
)
にくれた。——
成程
(
なるほど
)
ちら/\と、……
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
小僧は
途方
(
とはう
)
もないことを言ひます。
銭形平次捕物控:165 桐の極印
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
致せしやと申故兩人は
途方
(
とはう
)
に暮て
答
(
こた
)
へも出來ざれば三吉小猿は
汝等
(
なんぢら
)
役所へ來れとお時文藏並に
供
(
とも
)
の吉平三人へ繩を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
しかし、私は誰にも見られたくないのだ、行きずりの人達は、明らかに目的もなく
途方
(
とはう
)
に暮れて、この道標の傍に佇んでゐる私を、一體何をしてゐるのかと
訝
(
いぶか
)
るだらう。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
“途方”の意味
《名詞》
向かうべき方向。
手段。方法。
道理。筋道。
(出典:Wiktionary)
途
常用漢字
中学
部首:⾡
10画
方
常用漢字
小2
部首:⽅
4画
“途”で始まる語句
途
途中
途端
途々
途切
途絶
途轍
途次
途上
途断