“護謨:ゴム” の例文
“護謨:ゴム”を含む作品の著者(上位)作品数
夏目漱石8
夢野久作3
小栗虫太郎3
北原白秋3
泉鏡花2
“護謨:ゴム”を含む作品のジャンル比率
自然科学 > 自然科学 > 論文集 評論集 講演集11.8%
歴史 > 地理・地誌・紀行 > 日本2.3%
文学 > 日本文学 > 日記 書簡 紀行0.9%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
下半身不随のこの老史学者は、ちょうど傷病兵でも使うような、護謨ゴム輪で滑かに走る手働四輪車の上に載っているからだった。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
手持無沙汰てもちぶさたなのは鉛筆えんぴつしりに着いている、護謨ゴムの頭でテーブルの上へしきりに何か書いている。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
早く頬摺ほおずりしてひざの上に乗せ取り、護謨ゴム人形空気鉄砲珍らしき手玩具おもちゃ数々の家苞いえづとって
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
——甲谷はイギリス政府の護謨ゴム制限撤廃の声明が、今頃自分の嫁探しにこんなに早く、影響を及ぼそうとは考えなかった。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
逆巻くなみのように、こずえや枝葉を空に振り乱して荒れ狂っている原始林の中を整頓せいとんして、護謨ゴムの植林がある。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
兩側にはいとすぎ、亞刺比亞アラビア護謨ゴムの木(アカチア)茂りあひて、その下かげに今樣なる石像、噴水などあり。
なめらかなる坂を、護謨ゴムの輪が緩々ゆるゆる練り上る如く、低くきより自然に高き調子に移りてはたとやむ。
幻影の盾 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
これを例えば当時の封建社会は、既にその弾力を失したる護謨ゴム枕の如し、しこうして空気の量は倍々ますますその中に膨脹し来る。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
帽子を被って二重マントを着た、護謨ゴム長靴ばきの彼れの姿が、自分ながら小恥こはずかしいように想像された。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
ところが案外なもので、まず護謨ゴムを植えるための地面を借り受けるのにだいぶんな手数てすうと暇がる。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
秋子の盲乳めくらぢちによりも一層安々と、護謨ゴムの乳首に吸いついて、咽せるほど吸っている子供の様子を、順造は涙ぐましい心地で眺めた。
幻の彼方 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
護謨ゴムの林の奥を目がけてヒューッとその矢を放すと同時に、木立の上から南洋鷹が弾丸のように落ちて来た。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
しかし、他からの運動には全然無抵抗で、まるで、柔軟な蝋か護謨ゴムの人形のように、手足はその動かされた所の位置に、いつまでも停止している。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
色のついた線を作るには細い格子のようなものと護謨ゴム写真と同じ法で板に写しこれを染めるのである。
話の種 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
忽ち何かに躓いて前へのめった。その拍子にぐにゃりと柔かいが、しかし弾力のあるあたかも護謨ゴムの如きものの上に、両掌と膝頭とを突いたのだった。
黒猫十三 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
敬二東道の下に章子を帯同、一路自動車にて奥田彩坡さいは経営の士乃セナイ護謨ゴム園を訪ふ。
五百五十句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)
すべて壮年期の椰子やしばかりで、其間そのあひだに近年護謨ゴム栽培𤍠の流行する影響から若木わかぎ護謨樹ゴムじゆを植ゑた所もある。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
十二三年前にふみの上のまじはりせし同氏は今新嘉坡シンガポウルより五六十里奥の山にて護謨ゴムの栽培に従事されるよしにさふらふ
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
割合に美味な海胆うにの卵、護謨ゴムのように強靭で、疑もなく栄養分はあるのだろうが、断じて口には合わぬ holothurian 即ち海鼠なまこ
僕たちの車の硝子ガラスが、護謨ゴムまりをたたきつけたかのようにジジーンと音を立てた。
人造人間殺害事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
帽子外套からズボンまですべて護謨ゴム引きの防水着で固め、しかも全身ずぶぬれである。
聖アレキセイ寺院の惨劇 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
しかし、父はず、曳舟通りなんぞにある護謨ゴム会社や石鹸工場のなかへ私を連れてはいり、しばらく用談をしている間、私を事務所の入口に一人で待たせておいた。
幼年時代 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
午飯ひるめしを済ますやいなや、護謨ゴム合羽かっぱを引き掛けて表へ出た。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「車輛会社にゃかなわん。護謨ゴム輪でん何でんチャアンと持っとる。はっはっは。」
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
「俺はあの女を泣かせる事に興味を覚えていた。あの女を叩くと、まるで護謨ゴムのように弾きかえって、体いっぱい力を入れて泣くのが、見ていてとてもいい気持ちだった。」
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
一人は細いつえ言訳いいわけほどに身をもたせて、護謨ゴムびき靴の右の爪先つまさきを、たてに地に突いて、左足一本で細長いからだの中心をささえている。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
のびない護謨ゴムもゆとりがあって面白いと云う人を屈服させる訳には行かない。
高浜虚子著『鶏頭』序 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
が、彼はかたきの勝平からさうした恩恵を受けたことを、死ぬほど恥しがつて、学業を捨ててしまつて、遠縁の親戚が経営してゐるボルネオの護謨ゴム園に走らうとしてゐる。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
運転手ははずしたタイヤをガバガバガバと地上にひっ転がすと、今度のまた破損の箇処にゴムの継ぎを当て当て、アラビヤ護謨ゴム粘着くっつけると、トントンと叩いて見た。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
その店のある階床フロアには固護謨ゴム製の品を山と積んだ卓子が沢山あった。
護謨ゴムを延ばして、今少し引っ張ると切れると云う所迄構わず持って行く。
高浜虚子著『鶏頭』序 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
上り口をちょっと入った処に、茶の詰襟の服で、護謨ゴムのぼろ靴を穿いて、ぐたぐたのパナマを被った男が、ばちてのひらたたきながら、用ありそうに立っている。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
が、彼はかたきの勝平からそうした恩恵を受けたことを、死ぬほど恥しがって、学業を捨ててしまって、遠縁の親戚しんせきが経営しているボルネオの護謨ゴム園に走ろうとしている。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
まくりや、米の粉は心得たろうが、しらしらあけでも夜中でも酒精アルコオルで牛乳をあっためて、嬰児あかんぼの口へ護謨ゴムの管で含ませようという世の中じゃあなかった。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
み締めるものに護謨ゴムの弾力がなくては無事には行かぬ。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
すると左枝は、右側の羽目にある、よく見ると、色が変っているめ込みを指差した。そこは、よく魔窟にある、「魔鏡」に類したもので、色のよく似た、護謨ゴム板が嵌め込まれてあった。
地虫 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
この色の前に平身せざるものは、弾力なき護謨ゴムである。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
回教の寺院へ参り、それより護謨ゴム園を見に行く。四十哩の速力で三四十分の間、両側は護謨林ばかりだ。紅葉期らしく、護謨は紅葉。突如として香料の匂いが林中から吹き襲う。香木があるらしい。
欧洲紀行 (新字新仮名) / 横光利一(著)
窓が両開き硝子ドアであり、華麗のカーテンがかかって居り、床が護謨ゴム敷になって居り、煖炉の前にオリエンタルカラーの、段通だんつうが一面に敷いてあるのも、好ましい趣味でありましたよ。
医者の注意によって護謨ゴム氷嚢ひょうのうを彼の頭の上に載せた細君は、蒲団ふとんの下に差し込むニッケル製の器械を下女げじょが買ってくるまで、自分の手で落ちないようにそれを抑えていた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
護謨ゴム人形の鼻のとがりにねかへる。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
私の父は本所に小さな護謨ゴム工場を持っていた。
三つの挿話 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
お尻の上の帯をゆすぶりゆすぶり玄関のドアを開いて、新派悲劇みたいな姿態ポーズを作って案内したから吾輩も堂々と玄関のマットの上に片跛かたびっこ護謨ゴム靴を脱いで、古山高帽を帽子掛にかけた。
超人鬚野博士 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「マガイ」とは馬爪ばづ鼈甲べっこうに似たらしめたるにて、現今の護謨ゴム象牙ぞうげせると同じく似て非なるものなれば、これを以て妾を呼びしことの如何いかばかり名言なりしかを知るべし。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
それから金庫の扉を開けようとすると、扉のところによれよれになった護謨ゴムのようなものがはさまっていて、開ける拍子にぽろりと落ちたので、それも拾って、ハンケチと一緒にポケットの中に入れてしまいました。
機密の魅惑 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
そして加之しかのみならず、事実を興味深く粉飾するために、何の小説にも一様に、護謨ゴム靴の刑事と、お高祖頭巾こそずきんの賊とが現れ、色悪と当時称せられた姦淫が事件の裏にひそんでいるのに極まっていた。
大衆文芸作法 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
護謨ゴムの葉はゆたかに動く。
畑の祭 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
護謨ゴムの葉は豊かに動く。
畑の祭 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
護謨ゴムの新原料
話の種 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
しかも……見よ……その光景の中心に近く、白絹に包まれた寝棺と、白大理石の解剖台の間から、スックリと突立ち上った真黒な怪人物の姿……頭も、顔も、胴体もことごとく、灰黒色の護謨ゴム布で包んで、手にはやはり護謨と、絹の二重の黒手袋を
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
居るか居ないか知らないが、外国では炭坑でも、金山かなやまでも護謨ゴム林でも開けると器械より先に、まず日本の天草女が行くんだ。それからその尻をぎ嗅ぎ毛唐の野郎がくっ付いて行って仕事を初める。町が出来る。鉄道がかかるという順序だ。
人間腸詰 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
更に最近の一つの例を引けば、予は予の腹に水がたまつたといふ事を、診察を受ける前から多分さうだらうと自分でも想像してゐたに拘らず、入院後第一囘の手術を受けて、トラカルの護謨ゴムの管から際限もなく流れ落つる濃黄色の液體を目撃するまでは、確かにさうと信じかねてゐた。
郁雨に与ふ (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
片隅かたすみ外套がいとうを脱捨つれば、彼は黒綾くろあやのモオニングのあたらしからぬに、濃納戸地こいなんどじ黒縞くろじま穿袴ズボンゆたかなるを着けて、きよらならぬ護謨ゴムのカラ、カフ、鼠色ねずみいろ紋繻子もんじゆす頸飾えりかざりしたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
そのうち僕はうとうととした。幾時間寝たか覚えはないがかなり眠ったことだろう。ハッと眼が覚めて前方まえを見ると朝陽に照らされた護謨ゴム林が壁のように立っているじゃないか! 思わず僕は飛び起きたね。そうしてみんなを揺り起こして船をその岸へ着けたものさ。護謨の林があるからには護謨園があるに相違ない。護謨園があるなら人間がいよう。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「どうもうっとりするほどいい心持ですね、見れば公爵も、筏の上で船を漕いでいられる様子、われわれもひとつ、今日は、社交も昼餐も抜きにして、ゆっくりとここで昼寝をしてはどうでしょう。これが社交疲れというのかして、てのひらは痛むし、首筋は腫れるし、胃袋もどうやら紅茶臭くなっているようだ、その他の部分も少し休養させなくては護謨ゴムが伸びてしまう」とコン吉がいうと