“片跛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かたちんば75.0%
かたびっこ25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
二十五六、大店おほだなの手代風ですが、餘程面くらつたものと見えて、履物はきもの片跛かたちんば、着物の前もろくに合つて居りません。
「アゲマキ」という貝は瀟洒な薄黄色のからのなかに、やはり薄黄色の帽子をつけた片跛かたちんばの人間そのままの姿をして滑稽にもセピア色の褌をしめた小さな而して美味な生物である。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
お尻の上の帯をゆすぶりゆすぶり玄関のドアを開いて、新派悲劇みたいな姿態ポーズを作って案内したから吾輩も堂々と玄関のマットの上に片跛かたびっこ護謨ゴム靴を脱いで、古山高帽を帽子掛にかけた。
超人鬚野博士 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
……放神したようにダラリと開いた唇、真赤に血走ったままき出された両眼、放散した瞳孔、片跛かたびっこに釣り上った眉。額の中央にうねうねと這い出した青すじ……悪魔の表情……外道の仮面……。
一足お先に (新字新仮名) / 夢野久作(著)