西南せいなん)” の例文
千葉県ちばけんかすみうらの上空から西南せいなんを望んだとすると、東京湾が見え、その先に伊豆半島いずはんとうが見える位が関の山だが、赤外線写真で撮すと
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
この本には、西南せいなん戦争頃の日本の姿が生き生きと描き出されている。交通整理などというものは、まだその概念もなかった頃の東京である。
日本のこころ (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
そこで本間さんは思い出したように、白葡萄酒の杯をとりあげながら、わざと簡単に「西南せいなん戦争を問題にするつもりです」
西郷隆盛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
それは、西南せいなん太平洋の、フィリッピン、仏印、タイ、マレーから、東印度の島々をあらわした精巧な地図だった。
秘境の日輪旗 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
をかくだつてみゝすますと、ひゞきんでも、しま西南せいなんあたつて一個ひとつ巨大おほきみさきがある、そのみさきえての彼方かなたらしい。
西南せいなんえきであるが、自由党の頭初とうしょといい倒幕維新の大きな渦の中にはフランスコンミュンの影もかなり濃かったのではなかろうか、時代の流れ、思潮の渦は
東豊山新長谷寺しんちょうこくじ目白不動尊めじろふどうそんのたゝせ玉へる山は宝永の頃再昌院法印さいしょういんほういんのすめる関口せきぐち疏儀荘そぎしょうよりちかければ西南せいなんにかたぶく日影に杖をたてゝ時しらぬ富士の白雪しらゆき
そうして宋太郎そうたろうは、のちに西南せいなんえき西郷隆盛さいごうたかもり部下ぶかとなり、城山しろやまんだのですが、朝吹あさぶき慶応義塾けいおうぎじゅくをさかんにするうえで、なくてはならぬひとになりました。
スモーランドの西南せいなんのはしに、スンネルブーという地方があります。そこは、ずっと平地になっています。
養家やうか大藤村おほふぢむら中萩原なかはぎはらとて、わたすかぎりは天目山てんもくざん大菩薩峠だいぼさつたうげ山〻やま/\峰〻みね/\かきをつくりて、西南せいなんにそびゆる白妙しろたへ富士ふじは、をしみておもかげをめさねども
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「福岡が元寇で持っているように熊本は清正公せいしょうこう西南せいなんえきで持っています。斯う見えても徳さんは十年戦争の頃は二十何歳かの青年で彼方此方あっちこっちを逃げ廻ったものです」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「あつちのはうよ、われあしぢや一日にやあるけねえところだ」勘次かんじ雨戸あまどはういて西南せいなんしめした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
(ハ)温帶林おんたいりんまたは、椈帶ぶなたい)。 このたい暖帶林だんたいりんのつぎにつくもので、本州ほんしゆう北部ほくぶから北海道ほつかいどう大半たいはん西南せいなんおよ朝鮮ちようせん大部分だいぶぶんにもあり、同温線どうおんせん六度ろくど以上いじよう十三度じゆうさんど以下いか土地とちです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
西南せいなん一帯の海のしおが、浮世の波に白帆しらほを乗せて、このしばらくの間に九十九折つづらおりある山のかいを、一ツずつわんにして、奥まで迎いに来ぬ内は、いつまでも村人は、むこうむきになって
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
にんは、かしのしたこしろして、西南せいなん国境くにざかいにある金峰仙きんぷせんほうながら、まだあのたかやまみねには不死ふしいずみがあるだろうかというようなことをはなして空想くうそうにふけりました。
不死の薬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのころひとちひさいふねつて海岸傳かいがんづたひにこの南滿洲みなみまんしゆうから北朝鮮きたちようせん樂浪らくろうて、南朝鮮みなみちようせんにも支那しな文明ぶんめいつたへ、さら日本につぽん西南せいなんへもたのでありまして、その結果けつかつひに朝鮮ちようせん日本につぽん
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
その翌日よくじつも、むなしく蒼渺さうびやうたる大海原おほうなばら表面ひやうめんながむるばかりで、たゞわが端艇たんてい沙魚ふかためまへ潮流てうりう引出ひきいだされ、いまかへつ反對流はんたいりうとて、今度こんど西南せいなんから東方とうほうむか
こうした奇怪きかいはなしは、これまでに、二めであります。この鉄道線路てつどうせんろは、西南せいなんからはしって、この野原のはらなかでひとうねりして、それからまっすぐに北方ほっぽうへと無限むげんつらなっているのでした。
白い影 (新字新仮名) / 小川未明(著)
西南せいなんえきもおわった明治めいじ十二(一八七九)ねんの七がつには、国会論こっかいろんをかきあげて、慶応義塾けいおうぎじゅく出身者しゅっしんしゃがへんしゅうしている報知新聞ほうちしんぶんに、社説しゃせつとして一週間しゅうかんほど、毎日まいにちはっぴょうしました。
不思議ふしぎにものやうな速力そくりよくで、東北とうほくほうから西南せいなんほうへとながれてるのであつた。