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葡萄酒
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ぶどうしゅ
ふりがな文庫
“
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)” の例文
あの
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
や酒の豊富な貯えには、錠や、
閂
(
かんぬき
)
や、秘密の穴蔵などは、あまり大して保護をしてくれる物にならないのが普通であった。
ペスト王:寓意を含める物語
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
「本物の
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
に違いない。グランテールが眠ってるのは仕合わせだ。
奴
(
やつ
)
が起きていたら、なかなかこのまま放っておきはすまい。」
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
こういう場合予防のために
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
などを飲まされるものかどうか彼は全く知らなかったが、何しろ特別の手当を受ける事は
厭
(
いや
)
であった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
これはイーストばかりでなく麦酒でも
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
でもラムネでもソーダ水でも醗酵性の飲料は壜の口を上にして立てておいてはいけません。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
卓上に伏せてある
洋盃
(
コップ
)
を起して、
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
を
注
(
つ
)
ぎながら、こんな事を云う女の素振りは、思ったよりもしとやかに打ち
萎
(
しお
)
れて居た。
秘密
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
砂糖と
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
とを入れたりなすってもあまり召上らず、お出かけの跡に色の附いた牛乳が、お机の傍に手附かずにあるのでした。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
店先には
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
の立飲をしている労働者風の
仏蘭西
(
フランス
)
人も見えた。帳場のところに居た
主婦
(
かみさん
)
は親しげな
挨拶
(
あいさつ
)
と握手とで岡を迎えた。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
それ
迄
(
まで
)
は
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
を保存するのに止むを得ずアルコールを混ぜていたのでしたが、それでは値段も高くなり、また健康にも害があったのです。
ルイ・パストゥール
(新字新仮名)
/
石原純
(著)
大勢の人に交り食事をするのもまた楽しいものです。私はほんのまじないほど
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
を飲み、陶然とした気持で飯屋を出ます。
聖アンデルセン
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
そして彼の口にぷーんといい匂いのする
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
の壜をあてがった。夜明までにずいぶんながい時間がかかったように思った。
氷河期の怪人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
絹の
飛白
(
かすり
)
のような服に紅いバンドを締めた夫人は、
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
を一同に
注
(
つ
)
ぎながら梶の
傍
(
そば
)
まで来ると優しく梶に握手をして彼の横へ腰を降ろした。
厨房日記
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
学生は料理屋へ
大晦日
(
おおみそか
)
の晩から行っていまして、ボオレと云って、シャンパンに
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
に砂糖に炭酸水と云うように、いろいろ交ぜて温めて
かのように
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
一本はボルドウの白
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
、他の一本は無論男のために用意せられたものですが、
三鞭
(
シャンパン
)
酒などではなく、何とも知れぬ不思議な味の酒でした。
覆面の舞踏者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
それと同じで神聖土曜にも二時過ぎまで断食をいたしまして、二時過ぎにはじめてパンを少々と水を飲み、
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
を一杯だけいただきまする。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
それ以来これに代わるべき実直な奉公人が見付からぬ処からわたしは折々手ずからパンを切り
珈琲
(
コーヒー
)
を
沸
(
わか
)
しまた
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
の栓をも抜くようになった。
雨瀟瀟
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
香苗の父は数年まえから新しい事業を
創
(
はじ
)
めていた、日本ではまだよく知られていない
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
の醸造を思い立ったのである。
春いくたび
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
食事のときに、一杯ずつ与える
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
を、父はもう一杯とせがむのを、母は毒だと断るのにいつも
喧嘩
(
けんか
)
のような騒ぎでした
母子叙情
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
わけて
紅玉
(
べにだま
)
を溶かしたような
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
を
愛飲
(
あいいん
)
し、時々、菓子器に盛ってある南蛮菓子を取っては食べ、かつ語るのであった。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
銀子が見たこともない
茨蟹
(
いばらがに
)
の脚の切ったのや、
甲羅
(
こうら
)
の中味の
削
(
そ
)
いだのに、
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
なども出て、食べ方を教わったりした。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
田部からの電話はきんにとっては思いがけなかったし、上等の
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
にでもお眼にかかったような気がした。田部は、思い出に
吊
(
つ
)
られて来るだけだ。
晩菊
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
初
(
はじめ
)
の烏、又、旅行用手提げの中より、
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
の
瓶
(
びん
)
を
取出
(
とりい
)
だし
卓子
(
テエブル
)
の上に置く。後の烏
等
(
ら
)
、青き酒、赤き酒の瓶、続いてコツプを
取出
(
とりい
)
だして並べ
揃
(
そろ
)
ふ。
紅玉
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「とろけてしまうなんて、まるで
惚
(
ほ
)
れたようで意気ですこと。おやっちゃん、あたくしゃ
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
でのみましたよ。」
旧聞日本橋:09 木魚の配偶
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
其処
(
そこ
)
でいま、ちょっとペンを置いて、
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
を一杯ひっかけ、Westminsterを二三本吹かしたところだ。
鳥料理
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
女はしぶしぶ立上って、大きな皿に
御馳走
(
ごちそう
)
を取りわけると、小さな
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
のコップを添えて少女の前に差し出した。
秘境の日輪旗
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
とはいえ、その冗談は、
大盃
(
おおさかずき
)
になみなみと注いだすばらしいホックハイム
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
でいつも威勢をつけられた。
幽霊花婿:ある旅人の話
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
「うん、君らしく勇敢に戦ったな。敵ながら感心したぞ。つかれただろう。どうだい、
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
をやろうか?」
昭和遊撃隊
(新字新仮名)
/
平田晋策
(著)
梨の実の出盛りに庭阪に行き、または
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
の仕入時にローヌの
渓
(
たに
)
などをあるいて見ると、盗まれて見なければ豊年の
悦喜
(
えつき
)
が、徹底せぬような顔した人がいる。
野草雑記・野鳥雑記:02 野鳥雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
これに反して西洋酒はシヤンパンは言ふまでもなく
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
でもビールでもブランデーでもいくらか飲みやすい所があつて、日本酒のやうに変テコな味がしない。
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
とうとうその苦心の外套をも廃止して、中学時代からのボロボロのマントを、頭からすっぽりかぶって、喫茶店へ
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
飲みに出かけたりするようになりました。
おしゃれ童子
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
彼は押入れの戸をあけて、一本の
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
の瓶をとり出した。そして、それを台のついた小さなグラスに汲んでちびりちびりとやり初めた。
酔
(
よい
)
が快く廻って行った。
田舎医師の子
(新字新仮名)
/
相馬泰三
(著)
十字架を地に置く者、穴を掘る者、釘と
金槌
(
かなづち
)
とを揃える者、等々。かくて
没薬
(
もつやく
)
を混ぜた
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
をイエスにすすめました。これは苦痛を軽減するための麻酔剤です。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
産婆は
毬
(
まり
)
でもつくようにその胸をはげしく
敲
(
たた
)
きながら、
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
葡萄酒といっていた。看護婦がそれを持って来た。産婆は顔と言葉とでその酒を
盥
(
たらい
)
の中にあけろと命じた。
小さき者へ
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
は
一壜
(
ひとびん
)
きりで、それも
怪
(
あや
)
しげな、
頸
(
くび
)
のところがふくれ返ったどす黒い
代物
(
しろもの
)
で、中身はプーンと
桃色
(
ももいろ
)
のペンキの
臭
(
にお
)
いがした。もっとも、誰一人それは飲まなかった。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
その後でまた他の
唄
(
うた
)
を歌い、なお次に、友情と音楽と
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
とに関するものを、三部合唱で歌った。響きわたる笑声とたえず触れ合う杯の音とで、すべてが伴奏された。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
ちょうど、それだけの
数
(
すう
)
の小さな
壜
(
びん
)
が
並
(
なら
)
んでいるようで、ジャンセエニュ
先生
(
せんせい
)
は、その
壜
(
びん
)
の一つ一つへ学問という
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
をつぎ
込
(
こ
)
んでいらっしゃるのだという
気
(
き
)
がします。
母の話
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
愛好する
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
の違いでさえ、ヨーロッパのいろいろな時代や国民のそれぞれの特質を表わしているように、茶の理想もいろいろな情調の東洋文化の特徴を表わしている。
茶の本:04 茶の本
(新字新仮名)
/
岡倉天心
、
岡倉覚三
(著)
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
や、麦酒の
空壜
(
あきびん
)
を海に捨てれば、毒物を流して日本人を
鏖殺
(
おうさつ
)
するの計画と怖れ、釣床に疲れている水兵を見て異人は惨酷だ、悪事を為したものには相違なかろうが
大菩薩峠:30 畜生谷の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
フランスには
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
、ドイツにはビール、中国には
老酒
(
ラオチュウ
)
、日本には日本酒というふうに、それぞれの国に「国の酒」があるわけであるが、アメリカには、そういう酒はない。
パーティ物語
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
「あら! それ赤酒なの?
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
じゃないの? 赤酒なら
貰
(
もら
)
うわ。わたし、赤酒大好きよ」
恐怖城
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
火山の名をつけた
旗亭
(
きてい
)
で昼飯を食った。卓上に出て来た
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
の名もやはり同じ名であった。
旅日記から
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
極
(
ごく
)
かいつまんだだけをお話しても、杜子春が金の
杯
(
さかずき
)
に西洋から来た
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
を
汲
(
く
)
んで、
天竺
(
てんじく
)
生れの魔法使が刀を
呑
(
の
)
んで見せる芸に見とれていると、そのまわりには二十人の女たちが
杜子春
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
は
好
(
よ
)
かった。音楽は人に
媚
(
こ
)
びるように聞えて来る。夏の
夜
(
よ
)
の人を酔わせるような
微温
(
ぬる
)
みがある。男はちょいと女の目を見た。その目の中には無限の愛情と好意とが輝いていた。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
ビロオドのように青い空と、熱い
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
と、甘い肉感でしょう。……要するに、僕はそんなものは嫌いなのです。
要
(
い
)
らないのです。そんな
美
(
ベレッツァ
)
はみんな僕をいらいらさせるばかりですもの。
トニオ・クレエゲル
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
二人も
不憫
(
ふびん
)
に思い、
蔵前
(
くらまえ
)
の座敷に
有合
(
ありあ
)
う
違棚
(
ちがいだな
)
の
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
とコップを取出して、
両人
(
ふたり
)
の前へ
差出
(
さしだ
)
せば、涙ながらにおいさが飲んで重二郎へ
献
(
さ
)
しまするを見て、丈助は
悦
(
よろこ
)
び、にやりと笑いながら。
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
この花は
黒朱子
(
くろじゅす
)
ででもこしらえた
変
(
か
)
わり
型
(
がた
)
のコップのように見えますが、その黒いのは、たとえば
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
が黒く見えると同じです。この花の下を
始終
(
しじゅう
)
往
(
い
)
ったり来たりする
蟻
(
あり
)
に私はたずねます。
おきなぐさ
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
にんじんは、これからもう、食事の時に、
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
を飲まないことになった。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
妙義
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
醸造所というのに
辿
(
たど
)
り着いて、ふたりは縁台に腰をかけました。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
食事の時は、赤
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
を大ぶ飲んで、しまいにコニャックを一杯飲んだ。
世界漫遊
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ユリウス・ダビット
(著)
なまじっかな見舞金や
香奠
(
こうでん
)
の
金子
(
きんす
)
百円とか、
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
三本位を片足代とか何んとかいって番頭長八が持参したりしては、全く仏壇からぬっと青い片足を出して気絶でもさせてやりたくなりはしないか。
大切な雰囲気:03 大切な雰囲気
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
ははあ! 君はまだ飲まない
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
に酔っているのだ!
踊る地平線:06 ノウトルダムの妖怪
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
“葡萄酒(ワイン)”の解説
ワイン(fr: vin、en: wine、it: vino、de: Wein)とは、主としてブドウの果汁を発酵させたアルコール飲料(酒)である。葡萄酒(ぶどうしゅ)とも。通常、単に「ワイン」と呼ばれる場合には、ブドウ以外の他の果実の果汁を主原料とする酒は含まない。日本の酒税法では「果実酒」に分類されている。また、日本語での「酒」と同じく、欧州語においてはアルコール飲料(特に果実酒)全体を指す場合もある。
(出典:Wikipedia)
葡
漢検準1級
部首:⾋
12画
萄
漢検準1級
部首:⾋
11画
酒
常用漢字
小3
部首:⾣
10画
“葡萄酒”で始まる語句
葡萄酒煮
葡萄酒罎
葡萄酒市場