みやく)” の例文
自分じぶんかへりましたとき兩臂りやうひぢと、ちゝしたと、手首てくびみやくと 方々はう/″\にじんで、其處そこ眞白まつしろくすりこな振掛ふりかけてあるのがわかりました。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
なるほど、それぢやア、マアたいしたおねつぢやアないおみやくはうは。「みやくはうおほうございます、九でうから一でうでう出越でこくらゐな事で。 ...
牛車 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
家へ擔ぎ込んで一生懸命手當をしましたが、素人の悲しさは、ヘマの上にヘマばかりを重ねて、まだみやくも息もあつた娘を、たうとう助け兼ねた口惜しさを
かういふみやく所謂いはゆる火山脈かざんみやくであつて、もつと著名ちよめい火山脈かざんみやく太平洋たいへいよう周圍しゆういよこたはつてゐる次第しだいである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
之れより上越の国界こくかいなる山脈の頂上を経過けいくわす、みやくくる所太平原たいへいげんあり、はらきて一山脈あり、之れをすぐれば又大平野あり、之れ即ちしん尾瀬おせが原にして、笠科山かさしなやまと燧山の間につらな
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
寐ながら胸のみやくいて見るのは彼の近来の癖になつてゐる。動悸は相変らず落ち付いてたしかに打つてゐた。彼は胸に手をてた儘、此鼓動の下に、あたたかいくれなゐの血潮の緩く流れるさまを想像して見た。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
見よここ永生えいせいみやく精氣せいきみちて
独絃哀歌 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
これが、丸持まるもち祕藏子ひぞつこだと、匙庵老さじあんらうみやくつて、氣鬱きうつしやうでごわす、とお氣晴きばらしを、とて、ぐに野幇間のだいこ變化ばけやつ
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
平次の頼みはもつともでした。こんな大家たいけに起つた事件の解決を、外から、醫者がみやくを引くやうにして居たんでは、何時になつて解決するかわかりさうもなかつたのです。
なるほど、みやくはうおほうございますな、みやくわりにするとねついんにこもつてりますな。「モウ/\わたしとても助かるまいと思ひます。「そんな事をおつしやつちやアいけませんよ、どうかしつかりなさい。 ...
牛車 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
草鞋わらじ穿いたあしかふへもおちうへまたかさなり、ならんだわきまた附着くツついて爪先つまさきわからなくなつた、うしてきてるとおもふだけみやくつてふやうな。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
二三日前では日が餘り違ひ過ぎる上、小粒や錢で大事な手金を拂ふ樣ではみやくがありません。
午前ごぜん囘診くわいしんにおいでなすつた醫師せんせいが、喫驚びつくりなさいました。不思議ふしぎなくらゐ、ときからみやくがよくつたんです……
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「お前は自分のみやくを見てくれ。鐘の音と鐘の音の間に、脈は幾つ搏つか」
いへうち不殘のこらずしんとしてたが、このおとらないではなく、いづれもこゑんでみやくかぞへてたらしい。
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
みやくを引くにはまだ早いよ。お前は間拔けな顏をして居れば宜いんだ」
が、みやくつて吹雪ふゞきると、呼吸こきふむせんで、めしひのやうにるのでありました。
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
歸る道々、ガラツ八はたまりかねて平次のみやくを引きました。
翌月あくるつき二度目にどめときに、それでも氣絶きぜつはしませんでございました。そして、仙人せんにんちましたのははりではありません、きんくだで、みやくして、くだから生血いきちはれるつてことおぼえたのです。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「へエ——、親分がみやくるんですか」
裏長屋うらながやのあるじとふのが醫學生いがくせいで、内證ないしようあやしみやくつたから、白足袋しろたびもちゐる、その薄汚うすよごれたのが、片方かたつぽしか大男おほをとこのだからわたしあしなんぞふたはひる。細君さいくん内證ないしようで、ひだり穿いた——で仲見世なかみせへ。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)