眞晝まひる)” の例文
新字:真昼
が、中根なかね營庭えいていかがや眞晝まひる太陽たいやうまぶしさうに、相變あひかはらずひらべつたい、愚鈍ぐどんかほ軍曹ぐんそうはうけながらにやにやわらひをつづけてゐた。
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
蒲団ふとんをばねて、勢好いきほいよく飛起きた。寢衣ねまき着更きかへて、雨戸をけると、眞晝まひるの日光がパツと射込むで、眼映まぶしくツて眼が啓けぬ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
あめ不知しらときしもあきのはじめなり、洋燈ランプあぶらをさすをりのぞいた夕暮ゆふぐれそら模樣もやうでは、今夜こんや眞晝まひるやう月夜つきよでなければならないがとおもうちなほ其音そのおとえずきこえる。
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
併し平次は、人混みの中へ十手をひらめかして、眞晝まひるの盛り場を騷がせるやうな事はしません。
光明道くわうみやうだう此原このはら眞晝まひるひとり過ぎゆかば
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
したたるひまを、眞夜まよ眞晝まひる
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
眞晝まひるに夢を見てしより
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
さても、眞晝まひる玉敷たましき
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
眞夏まなつ眞晝まひるの醜さに
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
眞晝まひる
赤い旗 (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
つきならぬ眞晝まひる緋葉もみぢくゞつて、あふげばおな姿すがたに、とほたかみね緋葉もみぢ蒼空あをぞらつてうみる……
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
眞晝まひるがた人人ひとびと一戰友いちせんいうを葬り
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
眞晝まひるは滿ちてかがやけど
独絃哀歌 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
眞晝まひる
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
ときたびに、色彩いろきざんでわすれないのは、武庫川むこがはぎた生瀬なませ停車場ていしやぢやうちかく、むかあがりのこみちに、じり/\としんにほひてて咲揃さきそろつた眞晝まひる芍藥しやくやくと、横雲よこぐも眞黒まつくろに、みねさつくらかつた
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
眞晝まひるがた、葬禮さうれいの鐘は鳴る
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
眞晝まひる青岸あをぎし、ひたぶるに
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
御免ごめん。」とひざすゝめて、おもてにひたとむかうて、じつるや、眞晝まひるやなぎかぜく、しんとしてねむれるごとき、丹塗にぬりもんかたはらなる、やなぎもとくゞもん絹地きぬぢけて、するりとくと
画の裡 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
眞晝まひる
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
ふぢはなむらさきは、眞晝まひる色香いろかおぼろにして、白日はくじつゆめまみゆる麗人れいじん面影おもかげあり。憧憬あこがれつゝもあふぐものに、きみかよふらむ、高樓たかどのわた廻廊くわいらうは、燃立もえた躑躅つゝじそらかゝりて、宛然さながらにじへるがごとし。
月令十二態 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
つき皎々かう/\として眞晝まひるかとうたがふばかり、はら一面いちめん蒼海あをうみぎたる景色けしき
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
つき皎々かう/\として眞晝まひるかとうたがふばかり、はら一面いちめん蒼海さうかいぎたる景色けしき
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
眞晝まひるのやうな月夜つきよつて、コト/\むぎいたとさ。
麦搗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)