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白雲
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しらくも
ふりがな文庫
“
白雲
(
しらくも
)” の例文
其
(
そ
)
の
下襲
(
したがさ
)
ねの
緋鹿子
(
ひがのこ
)
に、
足手
(
あして
)
の
雪
(
ゆき
)
が
照映
(
てりは
)
えて、
女
(
をんな
)
の
膚
(
はだえ
)
は
朝桜
(
あさざくら
)
、
白雲
(
しらくも
)
の
裏
(
うら
)
越
(
こ
)
す
日
(
ひ
)
の
影
(
かげ
)
、
血
(
ち
)
も
通
(
かよ
)
ふ、と
見
(
み
)
る
内
(
うち
)
に、
男
(
をとこ
)
の
顔
(
かほ
)
は
蒼
(
あを
)
く
成
(
な
)
つた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ここを通るは
白雲
(
しらくも
)
の
眞珠船
(
しんじゆぶね
)
、ついそのさきを滑りゆく
水枝
(
みづえ
)
の
筏
(
いかだ
)
……それ、眼の
下
(
した
)
に
堰
(
せき
)
の波、渦卷く
靄
(
もや
)
のその
中
(
なか
)
に、船も
筏
(
いかだ
)
もあらばこそ。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
此の日の死骸は
白雲
(
しらくも
)
村から東今出川迄横わり、大内及び土岐氏の討ち取った首級は、車八輛に積んでも尚余り有ったと云う。
応仁の乱
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
大空に漂う
白雲
(
しらくも
)
の一つあり。
童
(
わらべ
)
、丘にのぼり松の小かげに横たわりて、ひたすらこれをながめいたりしが、そのまま寝入りぬ。夢は楽しかりき。
詩想
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
そのうち、
山
(
やま
)
の
上
(
うえ
)
にわく
白雲
(
しらくも
)
が、
海
(
うみ
)
のほうへ
流
(
なが
)
れていったとき、その
姿
(
すがた
)
を、いくたび、この
水面
(
すいめん
)
にうつしたかしれません。
うずめられた鏡
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
少し大きい唇にさした
嚥脂
(
べに
)
の、これも
悪
(
あく
)
どい色の今は怖ろしいよう、そして
釣目
(
つりめ
)
は遠い
白雲
(
しらくも
)
を一直線に眺めている。
菜の花物語
(新字新仮名)
/
児玉花外
(著)
本職でなくても
宜
(
い
)
い。
腫物
(
できもの
)
のあるのや
禿頭病
(
とくとうびょう
)
白雲
(
しらくも
)
田虫
(
たむし
)
湿瘡
(
しっそう
)
皮癬
(
ひぜん
)
なんてのを
見繕
(
みつくろ
)
って、
入
(
い
)
り
代
(
かわ
)
り立ち代り坐り込ませる。これなら親類にいくらもあるだろう?
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
半七
白雲
(
しらくも
)
あたまの小僧なんぞに用はねえ。大きい犬っころ十二匹をみんなここへ引っ張り出してください。
勘平の死
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「後れゐて吾が恋ひ居れば
白雲
(
しらくも
)
の棚引く山を今日か越ゆらむ」(巻九・一六八一)、「たまがつま島熊山の夕暮にひとりか君が山路越ゆらむ」(巻十二・三一九三)
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
(
独
(
ひとり
)
窓の
傍
(
かたわら
)
に座しおる。
夕陽
(
ゆうひ
)
。)夕陽の照す
濡
(
しめ
)
った空気に包まれて山々が輝いている。棚引いている
白雲
(
しらくも
)
は、上の方に
黄金色
(
こがねいろ
)
の
縁
(
ふち
)
を取って、その影は灰色に見えている。
痴人と死と
(新字新仮名)
/
フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
(著)
こういう騒ぎをよそにして、
岡埜
(
おかの
)
の
大福餅
(
だいふくもち
)
の土手下に
菰
(
こも
)
を敷いた親子づれの乞食。親のほうはいざりでてんぼう。子供のほうは五つばかりで、これも目もあてられない
白雲
(
しらくも
)
あたま。
顎十郎捕物帳:10 野伏大名
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
暫くしてかの女が、空に浮く
白雲
(
しらくも
)
の一群に眼をあげた時に、かの女は涙ぐんで
居
(
い
)
た。かの女は逸作と息子との領土を持ち
乍
(
なが
)
らやっぱりまだ不平があった。世の中にもかの女自身にも。
かの女の朝
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
白雲
(
しらくも
)
頭の小僧から十年の年季を勤め上げて礼奉公が二年、立派な白鼠といわれ多年チュウ勤の功によって分けて貰えば、一軒の出店の主人、暖簾のお蔭で本店同様のお引立てを蒙ったものだが
明治世相百話
(新字新仮名)
/
山本笑月
(著)
水気の少い野の住居は、
一甕
(
ひとかめ
)
の水も
琵琶
(
びわ
)
洞庭
(
どうてい
)
である。太平洋大西洋である。
書斎
(
しょさい
)
から見ると、甕の水に青空が落ちて、其処に水中の天がある。時々は
白雲
(
しらくも
)
が浮く。空を飛ぶ
五位鷺
(
ごいさぎ
)
の影も
過
(
よ
)
ぎる。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
舞ひたちさわぐ
白雲
(
しらくも
)
の
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
白雲
(
しらくも
)
の
向伏
(
むかふ
)
すかぎり。
新頌
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
幾山河
(
いくやまかは
)
は
白雲
(
しらくも
)
の
どんたく:絵入り小唄集
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
雲
(
くも
)
往
(
ゆ
)
き
雲
(
くも
)
來
(
きた
)
り、やがて
水
(
みづ
)
の
如
(
ごと
)
く
晴
(
は
)
れぬ。
白雲
(
しらくも
)
の
行衞
(
ゆくへ
)
に
紛
(
まが
)
ふ、
蘆間
(
あしま
)
に
船
(
ふね
)
あり。
粟
(
あは
)
、
蕎麥
(
そば
)
の
色紙畠
(
しきしばたけ
)
、
小田
(
をだ
)
、
棚田
(
たなだ
)
、
案山子
(
かゝし
)
も
遠
(
とほ
)
く
夕越
(
ゆふご
)
えて、
宵
(
よひ
)
暗
(
くら
)
きに
舷
(
ふなばた
)
白
(
しろ
)
し。
月令十二態
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
二人
(
ふたり
)
の
少年
(
しょうねん
)
は、
松
(
まつ
)
の
木
(
き
)
の
頂
(
いただき
)
と、さらにはるかに
高
(
たか
)
く、
遠
(
とお
)
い、
青
(
あお
)
い
空
(
そら
)
に
浮
(
う
)
かぶ、
白雲
(
しらくも
)
を
見上
(
みあ
)
げて
笑
(
わら
)
っていました。
町はずれの空き地
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
あをによし
奈良
(
なら
)
の
都
(
みやこ
)
にたなびける
天
(
あま
)
の
白雲
(
しらくも
)
見
(
み
)
れど
飽
(
あ
)
かぬかも 〔巻十五・三六〇二〕 作者不詳
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
白雲
(
しらくも
)
の
向伏
(
むかふ
)
すかぎり。
新頌
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
舞ひたちさわぐ
白雲
(
しらくも
)
の
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
うすい、
白雲
(
しらくも
)
を
破
(
やぶ
)
って、
日光
(
にっこう
)
はかっと
町
(
まち
)
の
建物
(
たてもの
)
を
照
(
て
)
らしていました。
車
(
くるま
)
が
通
(
とお
)
ります。
自転車
(
じてんしゃ
)
が
走
(
はし
)
っていきます。
芽は伸びる
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ただ
畔
(
あぜ
)
のような
街道
(
かいどう
)
端
(
ばた
)
まで、福井の車夫は、笠を手にして見送りつつ、われさえ指す
方
(
かた
)
を知らぬ
状
(
さま
)
ながら、
式
(
かた
)
ばかり日にやけた黒い手を挙げて、
白雲
(
しらくも
)
の
前途
(
ゆくて
)
を指した。
栃の実
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ここにありて
筑紫
(
つくし
)
やいづく
白雲
(
しらくも
)
の
棚引
(
たなび
)
く
山
(
やま
)
の
方
(
かた
)
にしあるらし 〔巻四・五七四〕 大伴旅人
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
その
老人
(
としより
)
は、
年紀
(
とし
)
十八九の時分から
一時
(
ひとしきり
)
、この世の中から行方が知れなくなって、今までの間、甲州の山続き
白雲
(
しらくも
)
という峰に
閉籠
(
とじこも
)
って、
人足
(
ひとあし
)
の絶えた処で、行い澄して
政談十二社
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
見上
(
みあ
)
げると、
頭
(
あたま
)
の
上
(
うえ
)
をおもしろそうに、
白雲
(
しらくも
)
がゆるゆるとして
流
(
なが
)
れてゆきました。
曠野
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
月の光いまだてらさず
白雲
(
しらくも
)
は谷べにふかく沈みたるらし
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
“白雲”の解説
白雲(はくうん、明和元年(1764年) - 文政8年(1825年))は、江戸時代の画僧(浄土宗)。松平定信に仕え『集古十種』の編纂事業に加わった。
法諱は逸誉、のちに良善教順と称した。白雲は画号、別号に閑松堂・松堂・墨癡・蝸牛叟・無心・竹堂など。
(出典:Wikipedia)
白
常用漢字
小1
部首:⽩
5画
雲
常用漢字
小2
部首:⾬
12画
“白雲”で始まる語句
白雲頭
白雲木
白雲山
白雲母
白雲洞
白雲石
白雲角
白雲天窓
白雲山魚
白雲重畳