“一甕”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひとかめ66.7%
いちをう33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
曾が二人の僕に一甕ひとかめ薬浸酒やくしんしゅかつがしてきたので、二人はそれを飲みつくすことにして飲んだが、甕の酒はもうなくなりかけたのに、二人はなおまだ酔わなかった。
黄英 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
水気の少い野の住居は、一甕ひとかめの水も琵琶びわ洞庭どうていである。太平洋大西洋である。書斎しょさいから見ると、甕の水に青空が落ちて、其処に水中の天がある。時々は白雲しらくもが浮く。空を飛ぶ五位鷺ごいさぎの影もぎる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
この男の道楽は、酒を飲む一方で、朝から、殆、さかづきを離したと云ふ事がない。それも、「独酌する毎にすなはち一甕いちをうを尽す」
酒虫 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)