“ひとかめ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
一甕66.7%
一瓶33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
曾が二人の僕に一甕ひとかめ薬浸酒やくしんしゅかつがしてきたので、二人はそれを飲みつくすことにして飲んだが、甕の酒はもうなくなりかけたのに、二人はなおまだ酔わなかった。
黄英 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
水気の少い野の住居は、一甕ひとかめの水も琵琶びわ洞庭どうていである。太平洋大西洋である。書斎しょさいから見ると、甕の水に青空が落ちて、其処に水中の天がある。時々は白雲しらくもが浮く。空を飛ぶ五位鷺ごいさぎの影もぎる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
この場合は簡単に口で言われるような「主題」はないかもしれないが、花を生ける人の潜在意識の中に隠れたテーマがあってこそ一瓶ひとかめの花が生け上げられるのである。
映画芸術 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
このようにして行なわれる選択的截断せつだんは言うまでもなく次に来るところの編集のための截断であり、構成のための加工である。一瓶ひとかめの花を生けるために剪刀せんとうを使うのと全く同様な截断の芸術である。
映画芸術 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)