未来みらい)” の例文
旧字:未來
わたしてのひらけさせて、ころりとつてせたのは、わすれもしない、双六谷すごろくだにで、夫婦ふうふ未来みらい有無ありなしかけやうとおもつてつたさいだつたんです。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
支店長は平岡の未来みらいの事に就て、色々いろ/\心配してくれた。近いうちに本店に帰る番にあたつてゐるから、其時そのときは一所に給へなどと冗談半分に約束迄した。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
それは、まれわったようにからだつよくなって、ふたたびこのなかはたらくことのできる、ながい、ながい、未来みらい生活せいかつ空想くうそうされたからであります。
石をのせた車 (新字新仮名) / 小川未明(著)
『そうでしょう。』と、かれほそめてうた。『貴方あなただの、貴方あなた補助者ほじょしゃのニキタなどのような、そう人間にんげんには、未来みらいなどはなんようわけです。 ...
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「え、ありがとう、うれしいなあ、僕もお約束しますよ。あなたはきっと、私の未来みらいつまだ」
シグナルとシグナレス (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
予言よげんは、よき未来みらい暗示あんじであり、いましめのなぞである。かならずしも、文字のおもてにあらわれている意味ばかりがまことなのではない。そのうらの意味もふかく味読みどくしてみねばならぬ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
汝、六五家を出でてほとけいんし、六六未来みらい解脱げだつの利慾を願ふ心より、六七人道にんだうをもて因果いんぐわに引き入れ、六八堯舜げうしゆんのをしへを釈門しやくもんこんじてわれに説くやと、御声あららかにらせ給ふ。
しかもその当時とうじ光景こうけいまでがそっくりそのまま形態かたちつくってありありとまえうかてまいります。つまりわたくしどもの境涯きょうがいにはほとんど過去かこ現在げんざい未来みらい差別さべつはないのでございまして。
ぢん未来みらいさい——
そのとき、ちょうど、過去かこ現在げんざい未来みらい、なんでもいてわからないことはないといううらなしゃがありました。
星の子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いやしくも未来みらい有無うむ賭博かけものにするのである。相撲取草すまうとりぐさくびぴきなぞでは神聖しんせいそこなふことおびたゞしい。けば山奥やまおく天然てんねん双六盤すごろくばんがある。仙境せんきやうきよくかこまう。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
まあおちなさい、左様さよういまはるとお未来みらいに、監獄かんごくだの、瘋癲病院ふうてんびょういん全廃ぜんぱいされたあかつきには、すなわちこのまど鉄格子てつごうしも、この病院服びょういんふくも、まった無用むようになってしまいましょう、無論むろん
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
未来みらい女性にょしょう
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おんなは、さっそくそのうらなしゃのところへいって、自分じぶんんだ子供こどものことをばてもらいました。うらなしゃは、んだ子供こども過去かこ現在げんざい未来みらいかたりました。
星の子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
まつた未来みらいでもへるのでせうか。』と他愛たあいのないこと新婦しんぷつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
であるから、ストア哲学者てつがくしゃ未来みらいをもつことが出来できんのです。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
おおくの人々ひとびとは、いろいろの運命うんめい支配しはいされるのでした。だれも、自分じぶん未来みらいについてわからなければ、また、他人たにん生活せいかつについても、わかるものでありません。
ある冬の晩のこと (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのとき、たびからきた上手じょうずうらなしゃがありました。そのおとこは、過去かこいっさいのことをあてたばかりでなく、未来みらいのこともいっさいを秘術ひじゅつによってあてたのでありました。
金の魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「なるほど、それに相違そういがない。なんじうらないはおそろしいほどよくたるようだ。それで未来みらいはどうじゃ。おそらく未来みらいわりがあるまい。」と、おうさまはうらなしゃわれました。
北海の白鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「どんなけしき? 現実げんじつでなく、架空かくうな、未来みらい世界せかいとでもいうのですか。」
兄の声 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おとこは、こころから、そのひとたちの未来みらい幸福こうふくいのったのであります。
窓の下を通った男 (新字新仮名) / 小川未明(著)