“仙境”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せんきょう63.6%
せんきやう36.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
尊は門人達に、「熊山、吉野山、伯耆ほうき大山だいせんなどには仙境せんきょうがあって、吉野山の神仙と、熊山の神仙とは常に往来ゆききしている」
神仙河野久 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
たとえば仙境せんきょう異霊いれいあって、ほしいままに人の薬草を採る事を許さずというが如く聞えたので、これがすくなからず心にかかった。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
茹栗ゆでぐり燒栗やきぐり可懷なつかし。酸漿ほうづきることなれど、丹波栗たんばぐりけば、さととほく、やまはるかに、仙境せんきやう土産みやげごと幼心をさなごころおもひしが。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
○此地の人すべて篤実温厚とくじつをんこうにして人とあらそふことなく、色慾しきよくうす博奕ばくえきをしらず、酒屋なければ酒のむ人なし。むかしよりわら一すぢにてもぬすみしたる人なしといへり。じつ肉食にくしよく仙境せんきやう也。