“せんきょう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
仙境38.9%
船橋33.3%
仙郷16.7%
戦況5.6%
潺峡5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
たとえば仙境せんきょう異霊いれいあって、ほしいままに人の薬草を採る事を許さずというが如く聞えたので、これがすくなからず心にかかった。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
これに気がついた乗組員が、急いで烏啼に知らせたので、烏啼は顔色をかえて船橋せんきょうへ上った。そして秋草の身体の流れていったと思う方向へ船を戻した。
鞄らしくない鞄 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「やれやれ、まるで仙郷せんきょうへでも来たような気がする」とフランボーが云った。師父しふブラウンは舟の中にすわったまま真直になって十字をきった。
女たちばかりの奥曲輪おくぐるわには、表の戦況せんきょうもとんと知れなかったが、伊丹城の運命は、それより数ヵ月前からすでに傾き出していた。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
戦況せんきょうの見通しも味方の絶対優勢に進んでいるものと分っていたが、なお刻々に来る情報を聞き、次の命令や処理を断じ、また敵の降将を見るなど、営中えいちゅうのかがり火は夜もすがらさかんだった。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
伊予と土佐の山境に吉野川の源流が潺峡せんきょうをなしているが、友人がそこで釣った山女魚の濃淡を味あった。けれどやはり私はわが吾妻川の山女魚の味を凌ぐものではないと思った。
魔味洗心 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)