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差配
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さはい
ふりがな文庫
“
差配
(
さはい
)” の例文
然
(
さ
)
らばと
言
(
い
)
つて、
一寸
(
ちよつと
)
蛙
(
かへる
)
を、
承
(
うけたまは
)
りまする
儀
(
ぎ
)
でと、
一々
(
いち/\
)
町内
(
ちやうない
)
の
差配
(
さはい
)
へ
斷
(
ことわ
)
るのでは、
木戸錢
(
きどせん
)
を
拂
(
はら
)
つて
時鳥
(
ほとゝぎす
)
を
見
(
み
)
るやうな
殺風景
(
さつぷうけい
)
に
成
(
な
)
る。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
むずかしいけれど、二人で死ぬことに比べれば、やってみる値打はあるでしょう、あたしすぐ
差配
(
さはい
)
さんに相談してみるわ。
枡落し
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
差配
(
さはい
)
を探して、その家を見せて貰ったが、長い間貸家だったせいか、じめじめしていて、家の中は陰気に暗かった。
貸家探し
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
透
(
す
)
きとほるやうに
蒼白
(
あをじろ
)
きがいたましく
見
(
み
)
えて、
折柄
(
をりから
)
世話
(
せわ
)
やきに
來
(
き
)
て
居
(
ゐ
)
たりし
差配
(
さはい
)
が
心
(
こゝろ
)
に、
此人
(
これ
)
を
先刻
(
さき
)
のそゝくさ
男
(
をとこ
)
が
妻
(
つま
)
とも
妹
(
いもと
)
とも
受
(
うけ
)
とられぬと
思
(
おも
)
ひぬ。
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
へい、
今日
(
けふ
)
は休みましてござります、
就
(
つ
)
きまして
差配
(
さはい
)
さん
少々
(
せう/\
)
お
願
(
ねがひ
)
があつて出ました。「アヽ
何
(
なん
)
だイ。金「
私共
(
わたしども
)
の
隣家
(
となり
)
の
源八
(
げんぱち
)
と
云
(
い
)
ふ
修業
(
しゆげふ
)
に出ます
坊
(
ばう
)
さんナ。 ...
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
この家は裏家なれど清く住なし何業とはなけれど豊げなり。後に聞けばその辺三四ヶ所の地所家作の
差配
(
さはい
)
をなす者なりとぞ。予がこの家に宿して八日目の事なりき。
良夜
(新字新仮名)
/
饗庭篁村
(著)
また、それらの者を
差配
(
さはい
)
として、土着民の協力をうながしつつ、まず極力、陣中に物資を収めていた。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
差配
(
さはい
)
のお内儀は、いかにも申し訳なさそうに、私の顔を見ながらこう
詫
(
わ
)
びるように答えた。
私はかうして死んだ!
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
巨万の財産を死蔵して、珍書画の蒐集に没頭していた故伯爵が四五年前に肺病で死ぬと間もなく未亡人は、旧邸宅の大部分を
取毀
(
とりこわ
)
して貸家を建てて、元銀行員の
差配
(
さはい
)
を置いた。
けむりを吐かぬ煙突
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「今月中というから
晦日
(
みそか
)
だろう。今日
差配
(
さはい
)
が知らせて来たんだ」
負けない男
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
そんな奴も
差配
(
さはい
)
内になくッちゃあお祭の時幅が利かねえ。
忰
(
せがれ
)
は稼いでるし、稲荷町の差配は店賃の取り立てにやあ
歩行
(
ある
)
かねえッての、むむ。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「実は、わしの
手許
(
てもと
)
にも一名、そういう工事の
差配
(
さはい
)
や土地の事情に通じている男をひとり留めおいてある。同時にこれへよんで、吉田六郎太夫と合議させてはどうだろう」
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
絹と木材の集散地で、河見家でも広い木山を持っているため、庄屋のほかに藩の山方の
差配
(
さはい
)
を命ぜられてい、屋敷のまわりには
樵
(
きこり
)
たちの長屋があった。——国吉はその長屋で生れた。
榎物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
改
(
あらた
)
めて
言
(
い
)
ふまでは
無
(
な
)
けれど
私
(
わたし
)
には
親
(
おや
)
もなし
兄弟
(
きようだい
)
もなし、
差配
(
さはい
)
の
伯父
(
おぢ
)
さんを
仲人
(
なかうど
)
なり
里
(
さと
)
なりに
立
(
た
)
てゝ
來
(
き
)
た
者
(
もの
)
なれば、
離縁
(
りゑん
)
されての
行
(
ゆ
)
き
處
(
どころ
)
とてはありませぬ、
何
(
ど
)
うぞ
堪忍
(
かんにん
)
して
置
(
お
)
いて
下
(
くだ
)
され
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「いや、
差配
(
さはい
)
が一人専門についている」
負けない男
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「
否
(
いゝえ
)
、それまででもないんです……
誰
(
だれ
)
にもと
言
(
い
)
ひますうちにも、
差配
(
さはい
)
さんへは、
分
(
わ
)
けて
内證
(
ないしよう
)
になすつて
下
(
くだ
)
さいまし。」
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
それらは
手業
(
てわざ
)
掛り、
牡蠣灰
(
かきばい
)
掛り、畑掛り、油絞り掛り、
舂場
(
つきば
)
掛り、見張番所掛り、そのほか寄場
差配
(
さはい
)
、医者、教師などもいるそうだが、これらはのちにひきあわせるということであった。
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
至極
(
しごく
)
そゝくさと
落
(
おち
)
つき
無
(
な
)
きが
差配
(
さはい
)
のもとに
來
(
きた
)
りて
此家
(
このいへ
)
の
見
(
み
)
たしといふ、
案内
(
あんない
)
して
其處此處
(
そここゝ
)
と
戸棚
(
とだな
)
の
數
(
かず
)
などを
見
(
み
)
せてあるくに、
其等
(
それら
)
のことは
片耳
(
かたみゝ
)
にも
入
(
い
)
れで、
唯
(
たゞ
)
四邊
(
あたり
)
の
靜
(
しづか
)
とさはやかなるを
喜
(
よろこ
)
び
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
と
問返
(
とひかへ
)
すうちにも、
一層
(
いつそう
)
、
妙
(
めう
)
な
夢路
(
ゆめぢ
)
を
辿
(
たど
)
る
心持
(
こゝろもち
)
のしたのは、
其
(
そ
)
の
差配
(
さはい
)
と
云
(
い
)
ふのは、こゝに三
軒
(
げん
)
、
鼎
(
かなへ
)
に
成
(
な
)
つて、
例
(
れい
)
の
柳
(
やなぎ
)
の
樹
(
き
)
を
境
(
さかひ
)
に、
同
(
おな
)
じくたゞ
垣
(
かき
)
一重
(
ひとへ
)
隔
(
へだ
)
つるのみ。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
差配
(
さはい
)
どのが
見
(
み
)
えられてと
母
(
はゝ
)
は
詞
(
ことば
)
を
繰返
(
くりかへ
)
して
何
(
なに
)
か
譯
(
わけ
)
は
知
(
し
)
らねど
今直
(
います
)
ぐに
此家
(
こゝ
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
黙りやで殆んど口はきかないけれども、色の浅黒いおも長な顔や、六尺近い長身の躯つきに、どこかの
大店
(
おおだな
)
の隠居といったような品のよさがあり、武助という
差配
(
さはい
)
までが一目置いているようであった。
落葉の隣り
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
庭
(
には
)
は
唯
(
たゞ
)
垣
(
かき
)
一重
(
ひとへ
)
、
二階
(
にかい
)
は
屋根續
(
やねつゞ
)
きと
云
(
い
)
つても
可
(
よ
)
い、
差配
(
さはい
)
も
一
(
ひと
)
つ
差配
(
さはい
)
ながら、
前通
(
まへどほ
)
りと
横町
(
よこちやう
)
で、
引越蕎麥
(
ひつこしそば
)
のおつき
合
(
あひ
)
の
中
(
なか
)
には
入
(
はひ
)
つて
居
(
を
)
らぬから、
内
(
うち
)
の
樣子
(
やうす
)
は
一寸
(
ちよつと
)
分
(
わか
)
らぬ。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
オヽお
前
(
まへ
)
の
留守
(
るす
)
に
差配
(
さはい
)
どのが
見
(
み
)
えられてといひさしてしばたゝく
瞼
(
まぶた
)
の
露
(
つゆ
)
白岡鬼平
(
しらをかきへい
)
といふ
有名
(
いうめい
)
の
無慈悲
(
むじひ
)
もの
惡鬼
(
あくき
)
よ
羅刹
(
らせつ
)
よと
蔭口
(
かげぐち
)
するは
澁團扇
(
しぶうちは
)
の
縁
(
えん
)
はなれぬ
店子共
(
たなこども
)
が
得手勝手
(
えてがつて
)
家賃
(
やちん
)
奇麗
(
きれい
)
に
拂
(
はら
)
ひて
盆暮
(
ぼんくれ
)
の
砂糖袋
(
さたうぶくろ
)
甘
(
あま
)
き
汁
(
しる
)
さへ
吸
(
す
)
はし
置
(
お
)
かば
下
(
さ
)
ぐる
目尻
(
めじり
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
眉毛
(
まゆげ
)
の
名
(
な
)
によぶ
地藏顏
(
ぢざうがほ
)
にも
見
(
み
)
ゆべけれど
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
“差配”の意味
《名詞》
処置すること。指図すること。また、それをする人。
所有者に代わって物件を管理すること。また、それをする人。
(出典:Wiktionary)
差
常用漢字
小4
部首:⼯
10画
配
常用漢字
小3
部首:⾣
10画
“差配”で始まる語句
差配人
差配様