まったく救われない地獄の娑婆だという気がする。死んで行った人、雪の中の監獄のT君、そして自分らだってちっとも幸福ではない。
「わたしはぼんやりしてたんだ。久しぶりに娑婆に出たんで、感覚が働かない。話しかけられても、聞えなかったんだよ。きっと」
死んだような気持で送った牢内の三日間は、娑婆の三年よりも永かった。——その三日の間に歌麿は、げっそり頬のこけたのを覚えた。
“娑婆”の意味
“娑婆”の解説
娑婆(しゃば、さば、sa: sahā, サハー)は、仏教において、釈迦が衆生を教化するこの世界、すなわちこの世のこと。仏教における三千世界の総称であり、娑婆世界、娑界ともいう。「サハー」には、その意味を表す「忍土(にんど) 」という意訳語もある。忍土とは、「苦しみを耐え忍ぶ場所」という意味である。
仏教用語でない用法としては、第一に人間の世界、この世、俗世間、第二に 刑務所内や軍隊・遊郭などの自由が束縛されている世界に対して、その外の自由な世界を指す。
(出典:Wikipedia)
仏教用語でない用法としては、第一に人間の世界、この世、俗世間、第二に 刑務所内や軍隊・遊郭などの自由が束縛されている世界に対して、その外の自由な世界を指す。
(出典:Wikipedia)