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元来
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がんらい
ふりがな文庫
“
元来
(
がんらい
)” の例文
旧字:
元來
元来
(
がんらい
)
このバナナが正しい形状を保っていたなら、こんな
食
(
く
)
える肉はできずに繊維質の
硬
(
かた
)
い
果皮
(
かひ
)
のみと種子とが発達するわけだけれど
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
「今日は
山端
(
やまばな
)
の
平八茶屋
(
へいはちぢゃや
)
で
一日
(
いちんち
)
遊んだ方がよかった。今から登ったって中途
半端
(
はんぱ
)
になるばかりだ。
元来
(
がんらい
)
頂上まで何里あるのかい」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
むしろ場合によりては
褒
(
ほ
)
むべきで、
消極的修養
(
しょうきょくてきしゅうよう
)
の
努力
(
どりょく
)
であると思う。
元来
(
がんらい
)
普通の人はすべて幾分かの
弱点
(
じゃくてん
)
を備うるものである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
元来
(
がんらい
)
英国人とは反りが合わずに、
云
(
い
)
わば日本
贔屓
(
びいき
)
の人でありながら、今度来遊、その日本の実際を見て何分にも贔屓が出来ぬ
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
元来
(
がんらい
)
私
(
わたくし
)
は
涙
(
なみだ
)
もろい
女
(
おんな
)
、
今
(
いま
)
でも
未
(
ま
)
だ
泣
(
な
)
く
癖
(
くせ
)
がとまりませぬが、しかしあの
時
(
とき
)
ほど
私
(
わたくし
)
がつづけざまに
泣
(
な
)
いたこともなかったように
覚
(
おぼ
)
えて
居
(
お
)
ります。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
元来
(
がんらい
)
、次郎の勇気は学校との距離に反比例し、実家との距離に正比例することになっていたので、戦うならなるべく早い方が
歩
(
ぶ
)
がよかったのである。
次郎物語:01 第一部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
近代の人ではアンリー・ルッソーの画を
座右
(
ざゆう
)
にして
居
(
い
)
ます。
元来
(
がんらい
)
氏は、他に対して非常な
寛容
(
かんよう
)
を持って居る方です。
岡本一平論:――親の前で祈祷
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
元来
(
がんらい
)
日本人はむずかしい理屈をこねることに
溺
(
おぼ
)
れすぎている。だから、太平洋戦争のときに、わが国の技術の欠陥をいかんなく
曝露
(
ばくろ
)
してしまったのだ。
霊魂第十号の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ところが、
元来
(
がんらい
)
正覚坊
(
しょうかくぼう
)
とあだなされてるくらいの平助と、本物の正覚坊とが一緒になったものですから、いくら酒があってもすぐになくなってしまいます。
正覚坊
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
俺
(
わ
)
しは
元来
(
がんらい
)
金のことにかけては不得手至極なほうで、人一倍に苦心をせにゃ人並みの考えが浮かんで来ん。
親子
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
元来
(
がんらい
)
が自然科学に多大の興味を寄せていた人でもあっただけに、その頃の著名な学者に依頼して特別な教育をも施したので、一層にその進歩を速めたのでありました。
ラヴォアジエ
(新字新仮名)
/
石原純
(著)
下々の人情も天下の御政事も早い話が皆同じ
訳合
(
わけあい
)
と
諦
(
あきら
)
めてしまえばそれで済むこと。あんまり大きな声で
滅多
(
めった
)
な事をいいなさるな。
口舌
(
こうぜつ
)
元来
(
がんらい
)
禍之基
(
わざわいのもとい
)
。壁にも耳のある世の中だ。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
だからそうお
思
(
おも
)
いなされるんですけれど、わたしなどは、
元来
(
がんらい
)
が
野育
(
のそだ
)
ちなのですから、やはり
風
(
かぜ
)
に
吹
(
ふ
)
かれたり、おりおりは、
雨
(
あめ
)
にもさらされたほうが、しんみりといたしますわ。
みつばちのきた日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
だが、
星野
(
ほしの
)
は
元来
(
がんらい
)
、よわい打者ではなかった。当たれば、そうとうな大ものをかっ
飛
(
と
)
ばすほうだった。だから、かれは、この三回めの
打撃
(
だげき
)
で、
名誉
(
めいよ
)
を
回復
(
かいふく
)
しようと、ひそかにはりきっていたのだ。
星野くんの二塁打
(新字新仮名)
/
吉田甲子太郎
(著)
みなさん、じつに
情
(
なさ
)
けない
世
(
よ
)
の中になりました。
元来
(
がんらい
)
猫
(
ねこ
)
はあわび
貝
(
かい
)
の中のかつ
節飯
(
ぶしめし
)
か
汁
(
しる
)
かけ
飯
(
めし
)
を
食
(
た
)
べて
生
(
い
)
きていればいいはずのものであるのに、われわれを
取
(
と
)
って
食
(
た
)
べるというのは
何事
(
なにごと
)
でしょう。
猫の草紙
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「ミスター・アカバネは先生に失礼を申上げたのでありません。アカベーンの
実例
(
じつれい
)
をお目にかけたのです。
元来
(
がんらい
)
アカベーンは人に
拒絶
(
きょぜつ
)
を与える時の表情でありまして、極く親愛の間柄に用います」
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
いろいろ
療養
(
りょうよう
)
をつくしたが、いかんともしようがなく、いささかの
理由
(
りゆう
)
をもって
親里
(
おやざと
)
へ帰した。
元来
(
がんらい
)
は帰すべきでないものを帰したのであるから、もと
悪人
(
あくにん
)
ならぬ老人は長く
良心
(
りょうしん
)
の
苦痛
(
くつう
)
にせめられた。
告げ人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
そこで
研究会
(
けんきゅうかい
)
の会長さんは
元来
(
がんらい
)
おさむらいでしたから考えました。
紫紺染について
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
元来
(
がんらい
)
私の教育主義は自然の原則に重きを
置
(
おい
)
て、数と理とこの二つのものを
本
(
もと
)
にして、人間万事有形の経営は
都
(
すべ
)
てソレから割出して行きたい。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
元来
(
がんらい
)
日本の原産ではなけれども、これを西洋リンゴのアップルと区別せんがために
和
(
わ
)
リンゴといわれている。すなわち日本リンゴの意である。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
「少しは癒るかも知れないが、
元来
(
がんらい
)
が
性分
(
しょうぶん
)
なんですからね。悲観する癖があるんです。悲観病に
罹
(
かか
)
ってるんです」
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
元来
(
がんらい
)
いかなる
職業
(
しょくぎょう
)
にありても、これに当たる人に三段の区別がある。
報酬
(
ほうしゅう
)
だけの仕事をせぬすなわち
曠職
(
こうしょく
)
の人。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
同棲
(
どうせい
)
する親愛なそして
相憐
(
あいあわ
)
れむべき人間同志と思って
居
(
い
)
ます。そして
元来
(
がんらい
)
が
飽
(
あ
)
き安い人間の本能を征服
出来
(
でき
)
て同棲を続ける者同志の
因縁
(
いんねん
)
の深さを痛感します。
家庭愛増進術:――型でなしに
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
ただ、
元来
(
がんらい
)
無精
(
ぶしょう
)
な所から、何も近所にあるものを嫌ってまで、遠くの風呂へ行くにも及ぶまいじゃないかといった点で、別に
是非
(
ぜひ
)
をつけてはいなかったのである。
電気風呂の怪死事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
元来
(
がんらい
)
、なんでもきかれれば、
知
(
し
)
っていることは、はきはきと
話
(
はな
)
す
性質
(
せいしつ
)
の
秀
(
ひで
)
ちゃんですから、いまにも、そのことが、
口
(
くち
)
からもれやしないかと
達
(
たっ
)
ちゃんは、
気
(
き
)
が
気
(
き
)
でなかったのでした。
二少年の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
あいつは
元来
(
がんらい
)
横着
(
おうちゃく
)
だから、川の中へでも
追
(
お
)
いこんでやりましょう
貝の火
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
と
占部
(
うらべ
)
さんは
元来
(
がんらい
)
の問題に戻った。
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
このバショウの名は
芭蕉
(
ばしょう
)
から来たものだけれど、
元来
(
がんらい
)
芭蕉はバナナ類の名だから、右のように日本のバショウの名として用いることは反則である。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
不風流の由来
元来
(
がんらい
)
私は生れ付き殺風景でもあるまい、人間の天性に必ず無芸殺風景と約束があるでもなかろうと思うが
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
ここもおなじような本棚ばかりの
四壁
(
しへき
)
と、読書机とがあり、入口はない代りに、天井が馬鹿に高くつまり二階の天井は
元来
(
がんらい
)
ないので、三階の天井が二階の天井ともなり
階段
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
元来
(
がんらい
)
内気
(
うちき
)
なこの
娘
(
むすめ
)
は、
人々
(
ひとびと
)
がまわりにたくさん
集
(
あつ
)
まって、みんなが
目
(
め
)
を
自分
(
じぶん
)
の
上
(
うえ
)
に
向
(
む
)
けていると
思
(
おも
)
うと
恥
(
は
)
ずかしくて、しぜん
唄
(
うた
)
の
声
(
こえ
)
も
滅入
(
めい
)
るように
低
(
ひく
)
くはなりましたけれど、そのとき
港に着いた黒んぼ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
元来
(
がんらい
)
家事にむかない私が自分の研究の
暇
(
ひま
)
をさいて、とにかくそれに
励
(
はげ
)
むようになったのも仕向けられるばかりでは済まないこれによって仕向けて上げようと云う
意力
(
いりょく
)
から始まった
事
(
こと
)
です。
家庭愛増進術:――型でなしに
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
なぜかと云うと
元来
(
がんらい
)
この私と云う——こうしてフロックコートを着て
高襟
(
ハイカラ
)
をつけて、
髭
(
ひげ
)
を
生
(
は
)
やして厳然と存在しているかのごとくに見える、この私の正体がはなはだ怪しいものであります。
文芸の哲学的基礎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
元来
(
がんらい
)
、義務と義務との
衝突
(
しょうとつ
)
は根底においてあり得べきものでない。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
どてらは上機嫌の
体
(
てい
)
で、にこにこ笑いながら、自分の返事を待っている。どうせどてらの笑うんだから、
愛嬌
(
あいきょう
)
にもなんにもなっちゃいない。
元来
(
がんらい
)
笑うだけ損になるようにでき上がってる顔だ。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
元来
(
がんらい
)
経済難のZ大学なので、助手案は一も二もなく
蹴飛
(
けと
)
ばされたが、その代り大学部三年の学生で、
是非
(
ぜひ
)
赤外線研究をやりたいというひとがいるから、助手がわりにそれを廻そう、当分我慢して
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
決してキリスト教から
遠
(
とおざ
)
かろうとはしませんけれど、氏の
元来
(
がんらい
)
が、キリスト教より、仏教の道を
辿
(
たど
)
るに適して居ないかと思われる程、近頃の氏の仏教
修業
(
しゅぎょう
)
が、いかにも氏に
相応
(
ふさわ
)
しく見受けられます。
岡本一平論:――親の前で祈祷
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
元来
(
がんらい
)
おれなどは、
怠
(
なま
)
け
者
(
もの
)
だから……なにを
見
(
み
)
てもおもしろいね。とんぼの
飛
(
と
)
ぶのを
見
(
み
)
ても、
犬
(
いぬ
)
がけんかをするのを
見
(
み
)
ても、
子供
(
こども
)
が
輪
(
わ
)
をまわして
遊
(
あそ
)
ぶのを
見
(
み
)
ても……。だから、
退屈
(
たいくつ
)
はしたことがない。
春さきの古物店
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
こんな
破屋
(
あばらや
)
でも泊る事が出来るんだったと、始めて意識したよりも、すべての家と云うものが
元来
(
がんらい
)
泊るために建ててあるんだなと、ようやく気がついたくらい、泊る事は予期していなかった。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それにしても報酬があまりに粗末すぎるようでもあるが、
元来
(
がんらい
)
博士は黄金の価値について
無頓著
(
むとんちゃく
)
で、
只
(
ただ
)
マージナル・ユーティリテーの大なるものこそ
欲
(
ほ
)
しけれ、という極めて淡白なる性格の人だった。
地軸作戦:――金博士シリーズ・9――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「随分遠いね。
元来
(
がんらい
)
どこから登るのだ」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“元来”の意味
《名詞・形容動詞》
はじめからそのような状態や性質であること。もともと。
物事を説明したり、疑問を呈したりする場合に、文頭に置いて接続詞的に用いる語。そもそも。
(出典:Wiktionary)
元
常用漢字
小2
部首:⼉
4画
来
常用漢字
小2
部首:⽊
7画
“元来”で始まる語句
元来仏法無多子