両方りやうはう)” の例文
旧字:兩方
そで両方りやうはうからふりつて、ちゝのあたりで、上下うへした両手りやうてかさねたのが、ふつくりして、なかなにはいつてさうで、……けてつて
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
見てるとも知らず源八げんぱちもち取上とりあげ二ツにわつなかあん繰出くりだし、あんあんもちもち両方りやうはう積上つみあげまして、突然とつぜん懐中ふところ突込つツこしばらくムグ/\やつてたが
黄金餅 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
『まさか不思議ふしぎなもんだ。両方りやうはう眼玉めだまからすなんて、どうしたこつた。』
火を喰つた鴉 (新字旧仮名) / 逸見猶吉(著)
「わがらないな。とにかぐしろどそれがらあをど、両方りやうはうのぶぢだ。」
鹿踊りのはじまり (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
はねへたうつくしいねえさんはないの)ツていたとき莞爾につこりわらつて両方りやうはうから左右さいうでおうやうにわたし天窓あたまでゝつた
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
はし段々だん/″\はいいてくとはらあたりかたまりがあつたから木と竹のはしでヅンと突割つきわるとなかから色もかはらず山吹色やまぶきいろ古金こきんが出るから、あはてゝ両方りやうはうたもとれながら。
黄金餅 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
すさまじくいなゝいて前足まへあし両方りやうはう中空なかぞらひるがへしたから、ちひさ親仁おやぢ仰向あふむけにひツくりかへつた、づどんどう、月夜つきよ砂煙すなけぶり𤏋ぱツつ。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
プウと明るいよ……こりや歩ける……今までは両方りやうはうの手をもつこしいてもらはんと便所ようばへもけなかつたが……これはめうだ、歩ける……運動に出てたのかなんだかわからん……おや向うへをんなが一人
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
ると、両方りやうはうからはせて、しつくりむだ。やぶがさつて、なはてをぐる/\とまはつてちやうまる。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
たちまち、ざつとなつて、ポンプでくがごとく、泥水どろみづ両方りやうはうほとばしると、ばしやんと衣裳鞄いしやうかばんねかゝつた。運転手台うんてんしゆだい横腹よこばらつなけてんだのである。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
覚悟かくごのことで、あし相応さうおう達者たツしや、いやくつせずにすゝんだすゝんだ。すると、段々だん/″\またやま両方りやうはうからせまつてて、かたつかへさうなせまいことになつた、ぐにのぼり
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ばあさんにけば、夫婦ふうふづれのしゆは、うち采粒さいつぶはつしやると、両方りやうはうかほ見合みあひながら後退あとしざりをして、むかがけくらはうはいつたまで。それからはおぼえてらぬ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
両方りやうはうくさむらあたまとを突込つツこんで、のたりとはしわたしてるではあるまいか。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かほ両方りやうはうへ、背中合せなかあはせにわかれたとおもふと、ふゑつた。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)