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丈夫
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じょうぶ
ふりがな文庫
“
丈夫
(
じょうぶ
)” の例文
こういい
残
(
のこ
)
した
鬼
(
おに
)
の
言葉
(
ことば
)
を
綱
(
つな
)
は
忘
(
わす
)
れずにいました。それで
万一
(
まんいち
)
取
(
と
)
り
返
(
かえ
)
されない
用心
(
ようじん
)
に、
綱
(
つな
)
は
腕
(
うで
)
を
丈夫
(
じょうぶ
)
な
箱
(
はこ
)
の中に
入
(
い
)
れて、
門
(
もん
)
の
外
(
そと
)
に
羅生門
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
背の高い、ひょろひょろしているところが、弱そうに見えたけれど、
芯
(
しん
)
は
丈夫
(
じょうぶ
)
で、歩兵にはもって来いだと云う人もあった。
河沙魚
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
分かっていることは、犯人が
大力
(
だいりき
)
であることだ。そうでなくては、あの
丈夫
(
じょうぶ
)
な鉄格子のはいった窓をやぶることはできない。
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
厚く
丈夫
(
じょうぶ
)
に葺いた萱屋根は、三十年以上はもち、たくみに
插萱
(
さしがや
)
をすれば、五十年は葺きかえをせずともよいと言われている。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
いや、まだそれだけでは安らかにはならない。わたしは
体
(
からだ
)
も
丈夫
(
じょうぶ
)
だったし、一生食うに困らぬくらいの財産を
河童
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
人生という
丈夫
(
じょうぶ
)
そうな命の根が、知らぬまに、ゆるんで、いつでも
暗闇
(
くらやみ
)
へ浮き出してゆきそうに思われる。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そうして、またおげんきに、お
丈夫
(
じょうぶ
)
におなりなさいまし。なにかひとつ、うたってさしあげましょう。
小夜啼鳥
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
家を倒すなんてそんなことはほんの少しだからね、木を倒すことだよ、これだって
悪戯
(
いたずら
)
じゃないんだよ。倒れないようにして置けぁいいんだ。葉の
濶
(
ひろ
)
い樹なら
丈夫
(
じょうぶ
)
だよ。
風野又三郎
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
決してまくり上げたりなんぞしない。それで、泥の中や、耕した土の上やを歩く。すると、長靴がひとりでに出来て、
膝
(
ひざ
)
のところまでくる。この長靴は
丈夫
(
じょうぶ
)
で、いや味がない。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
あれは
独逸
(
ドイツ
)
の
方
(
ほう
)
から
新荷
(
しんに
)
が
着
(
つ
)
いたばかりだという
種々
(
いろいろ
)
な
玩具
(
おもちゃ
)
と
一緒
(
いっしょ
)
に、あの
丸善
(
まるぜん
)
の二
階
(
かい
)
に
並
(
なら
)
べてあったもので、
異国
(
いこく
)
の
子供
(
こども
)
の
風俗
(
なり
)
ながらに
愛
(
あい
)
らしく、
格安
(
かくやす
)
で、しかも
丈夫
(
じょうぶ
)
に
出来
(
でき
)
ていた。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
丈夫
(
じょうぶ
)
づくりの
薄禿
(
うすっぱげ
)
の男ではあるが、その
余念
(
よねん
)
のない顔付はおだやかな波を
額
(
ひたい
)
に
湛
(
たた
)
えて、今は
充分
(
じゅうぶん
)
世故
(
せこ
)
に
長
(
た
)
けた身のもはや何事にも
軽々
(
かろがろ
)
しくは動かされぬというようなありさまを見せている。
太郎坊
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
生
(
い
)
きるように、楽しく生きるように
頑固
(
がんこ
)
に出来上ってる、
丈夫
(
じょうぶ
)
な
騒々
(
そうぞう
)
しい
荒
(
あら
)
っぽいクラフト
家
(
け
)
の人たちの間にあって、いわば人生の
外側
(
そとがわ
)
か
端
(
はし
)
っこにうち捨てられてるこの弱い
善良
(
ぜんりょう
)
な
二人
(
ふたり
)
は
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
ぷーんと新しい木の
香
(
かお
)
りがする丸や四角の材木を、
丈夫
(
じょうぶ
)
な
荷馬車
(
にばしゃ
)
に積み上げ、首のまわりに鈴をつけた黒馬にひかして、しゃんしゃんぱっかぱっか……と、朝早くから五里の
街道
(
かいどう
)
を出かけて
天下一の馬
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
変なかっこうのランプが、
丈夫
(
じょうぶ
)
そうな綱で天井からぶらさげられてあった。
おじいさんのランプ
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
わたしの馬は、むく毛の若い黒馬で、脚も
丈夫
(
じょうぶ
)
だし、
悍
(
かん
)
も相当つよかった。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
その後桂はついに西国立志編を一冊買い求めたが、その本というは粗末至極な洋綴で、一度読みおわらないうちにすでにバラバラになりそうな
代物
(
しろもの
)
ゆえ、彼はこれを
丈夫
(
じょうぶ
)
な麻糸で綴じなおした。
非凡なる凡人
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
津村はその中に通っている細かい
丈夫
(
じょうぶ
)
な
繊維
(
せんい
)
の筋を日に
透
(
す
)
かして見て
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「ふうむ、それは
宜
(
よ
)
かったね。
彼方
(
あっち
)
でも
皆
(
みんな
)
丈夫
(
じょうぶ
)
だろうね?」
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「こうしていればかたわも
重宝
(
ちょうほう
)
なものだ。世の中のやつらは
知恵
(
ちえ
)
がないからかたわになるとしょげこんでしまって、
丈夫
(
じょうぶ
)
な人間、あたりまえな人間になりたがっているが、おれたちはそんなばかはできないなあ」
かたわ者
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
一里や二里が平気な程
丈夫
(
じょうぶ
)
相にも見えぬ。
鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
村
(
むら
)
の人たちも
困
(
こま
)
りきって、
都
(
みやこ
)
で
名
(
な
)
だかい
大工
(
だいく
)
の
名人
(
めいじん
)
を
呼
(
よ
)
んで
来
(
き
)
て、こんどこそけっして
流
(
なが
)
れない、
丈夫
(
じょうぶ
)
な
橋
(
はし
)
をかけてもらうことにしました。
鬼六
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
もとは
板屋
(
いたや
)
の上に土をうんとのせて、それを瓦で覆うようにしていたので、その重みがかかり、よっぽど
丈夫
(
じょうぶ
)
な柱やつかをもって支えなければならず
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
彼は、アンの腰に、
丈夫
(
じょうぶ
)
な
綱
(
ロープ
)
がふた巻もしてあるのを発見した。しかもその綱の先は、防空壕の
肋
(
ろく
)
材の一本に、堅く結んであった。まるで
囚人
(
しゅうじん
)
をつないであるような有様であった。
英本土上陸戦の前夜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
名は日本橋だけれどもその実は純然たる洋式で、しかも欧洲の中心でなければ見られそうもないほどに、
雅
(
が
)
にも
丈夫
(
じょうぶ
)
にもできている。三人は橋の手前にある
一棟
(
ひとむね
)
の
煉瓦造
(
れんがづく
)
りに
這入
(
はい
)
った。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
大勢
(
おおぜい
)
の
家来
(
けらい
)
達に言いつけて、
丈夫
(
じょうぶ
)
な
縄
(
なわ
)
の大きな網をこしらえさせ、これを庭の大木のまわりに張らせ、網につけた綱を一本引けば、網が大木の根下にすっかりかぶさってしまうようにしました。
雷神の珠
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
第一みかけがまっ白で、
牙
(
きば
)
はぜんたいきれいな
象牙
(
ぞうげ
)
でできている。皮も全体、立派で
丈夫
(
じょうぶ
)
な象皮なのだ。そしてずいぶんはたらくもんだ。けれどもそんなに
稼
(
かせ
)
ぐのも、やっぱり主人が
偉
(
えら
)
いのだ。
オツベルと象
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「足も
丈夫
(
じょうぶ
)
、腕も
丈夫
(
じょうぶ
)
の人がなぜ頭だけわるいんですか?」
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
もっとも念入りに
丈夫
(
じょうぶ
)
に、かつ遠くから見た目も好ましいように、作りあげようとした努力がよく現われている。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
そこでやっと
女神
(
めがみ
)
がのろいをといておやりになりますと、
兄神
(
あにがみ
)
はまたもとのとおりの
丈夫
(
じょうぶ
)
な
体
(
からだ
)
にかえりました。
春山秋山
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「あなたは大分ご
丈夫
(
じょうぶ
)
のようですな」
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ある
時
(
とき
)
清原武則
(
きよはらたけのり
)
というこれも
弓
(
ゆみ
)
の
名人
(
めいじん
)
で
名高
(
なだか
)
かった人が、
義家
(
よしいえ
)
のほんとうの
弓勢
(
ゆんぜい
)
を
知
(
し
)
りたがって、
丈夫
(
じょうぶ
)
な
鎧
(
よろい
)
を
三重
(
みかさ
)
ねまで木の上にかけて、
義家
(
よしいえ
)
に
射
(
い
)
させました。
八幡太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
これに天然に備わった物を用いようとすれば木の枝より以上に
丈夫
(
じょうぶ
)
なものはなかった。すなわち昔の人たちは自分の体験によって、つとに木の枝の強い力を認めていたのである。
こども風土記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
さあ、
何
(
なに
)
かほしい
物
(
もの
)
といったところで、このとおり
体
(
からだ
)
は
丈夫
(
じょうぶ
)
で、
毎日
(
まいにち
)
三
度
(
ど
)
のごぜんを
食
(
た
)
べて、
働
(
はたら
)
いていれば、
何
(
なに
)
も
不足
(
ふそく
)
なことはないが、ただ一つ六十になって、いまだに
子供
(
こども
)
が
一人
(
ひとり
)
もない。
雷のさずけもの
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「なあに、
土
(
つち
)
の
舟
(
ふね
)
は
重
(
おも
)
くって
丈夫
(
じょうぶ
)
だ。」
かちかち山
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
“丈夫”の解説
丈夫(じょうふ、じょうぶ、ますらお)は、一人前の男子のことであり、転じて健康なさまやしっかりしていて壊れないさまをさす。また大丈夫(だいじょうふ、だいじょうぶ)は、「丈夫」にさらに物事が優れていることを意味する接頭語の「大」をつけたもので「一人前の男子のなかでも、とりわけ優れている者」をさし、転じて、「危なげがなく非常にしっかりした様や間違いのない様」を意味している。
(出典:Wikipedia)
丈
常用漢字
中学
部首:⼀
3画
夫
常用漢字
小4
部首:⼤
4画
“丈夫”で始まる語句
丈夫向
丈夫魂
丈夫武男