返答へんとう)” の例文
で、その試合しあいを取りすことを申しでたので、龍太郎りゅうたろうや忍剣もかたすみで相談そうだんのうえ、あらためて、こういう返答へんとうをかれにあたえた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かれらは、ものをいかけられても、やすめて、それに返答へんとうするだけのときすらおしんでいましたから、あたまだけをそとほうけて
火を点ず (新字新仮名) / 小川未明(著)
周辺あたりはなしにはまれ立入たちいるのみで、質問しつもんをされたらけっして返答へんとうをしたことのい、ものも、ものも、あたえらるるままに、時々ときどきくるしそうなせきをする。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
この博物館はくぶつかん一番いちばんめづらしいものはなにかとたづねられると、ちょっと返答へんとうまどひますが、エヂプト、ギリシヤ、アッシリアの古美術品こびじゆつひん世界中せかいじゆうどこの博物館はくぶつかんにも
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
半之助方小僧こぞうぶるえしつつ、酒一斗はとても入りね候と返答へんとういたし候ところ、山男、まずは入れなさるべく候として申し候。半之助も顔色青ざめ委細いさい承知しょうちと早口に申し候。
紫紺染について (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
『ちっともさびしいことはございません。』といかにもあっさりした返答へんとう
狐は、それはそれは威張いばりくさって、猫を、あたまのてっぺんから四足よつあしのさきまで、じろじろながめているだけで、なんとか返答へんとうをしてやったものかどうか、しばらくは見当けんとうがつきませんでした。
そうって子家鴨こあひるまわりにあつまってました。子家鴨こあひるはみんなにあたまげ、出来できるだけうやうやしい様子ようすをしてみせましたが、そうたずねられたことたいしては返答へんとう出来できませんでした。野鴨達のがもたちかれむかって
「ボールがはいったから、こちらへげておくれ。」と、としちゃんが、いいました。もんうちから、なんの返答へんとうもありません。
日の当たる門 (新字新仮名) / 小川未明(著)
だが卜斎の返答へんとう雄弁ゆうべんだけで、ところどころうまくごましているのをつらにくくおもった村上賛之丞むらかみさんのじょうは、ややげきして
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『ああもうなにもない、たれにも返答へんとうなどするものか……もうどうでもいい。』と、かれかんがえていた。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
そこでそのふねかって、りくからいろいろの合図あいずをいたしました。けれど、そのふねからはなんの返答へんとうもありませんでした。
黒い旗物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いずれへお渡しいたすのが正義せいぎなりや、一火いっかもホトホトとうわくつかまつるしだい、ついては、ざんじ休息きゅうそくのうえ、門弟もんていたちとも評議ひょうぎをかさねてあらためてご返答へんとうをいたす考え
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おんなは、かつて、いちばんどのひとあいしているかをこころかんがえたことがないので、返答へんとうこまっていました。すると、ほとけさまは
ちょうと三つの石 (新字新仮名) / 小川未明(著)
といって、薬売くすりうりの少年しょうねんは、たのみました。少年しょうねんは、おかみさんが、どういうだろうかと心配しんぱいしながら返答へんとうちました。
薬売りの少年 (新字新仮名) / 小川未明(著)
こうまよいました。そのおとこむすめというのは、評判ひょうばん美人びじんであったからであります。そして、すぐには返答へんとうができなかったのでかんがえておくことにしました。
幸福に暮らした二人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あるのこと、おとこは、そのまどしたって、うえあおぎながら、あわれみをうたのでありました。どうせ、いえうちからは返答へんとうがないだろうとおもいました。
窓の下を通った男 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「おとうさん、おとうさん。」と、小太郎こたろうは、きゅう心細こころぼそくなってごえして、ちちびました。けれど、なんの返答へんとうもありません。そのうち番頭ばんとうかおして
けしの圃 (新字新仮名) / 小川未明(著)
先生せんせいは、ちょっとあたまをかしげて、すぐには、返答へんとうをなさいませんでしたが、しばらくしてから
赤土へくる子供たち (新字新仮名) / 小川未明(著)
これをきいて、地主じぬしは、なんとも返答へんとうができなかった。そして、おしょうさんの今日きょうきたわけが、いよいよはっきりのみこめたけれど、ただ寄付きふはしたくなかったのでした。
子供は悲しみを知らず (新字新仮名) / 小川未明(著)
「おとっさんですか。」と、むすめさけびました。けれど、そとひと返答へんとうをしませんでした。
ろうそくと貝がら (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかし、よるくらかったから、だれも、気味悪きみわるがってのぼっていくようなひともありませんでした。ただ、したから大声おおごえして、ぶばかりでした。しかし、やはり、なんの返答へんとうもなかった。
木に上った子供 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「それは、わるいやつらです。わたしが、征伐せいばつをしてあげます。あなたは、そのかわり、しばらく窮屈きゅうくつおもいをしなくてはなりません。」と、命令めいれいするようにいって、くもは、ろくろくはな返答へんとうかずに
くもと草 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わすれようとしても、まえへ、つまずいてたおれるひと姿すがたかんで、自分じぶんくるしめ、むちうったのであります。とちゅう、おじから、なにをはなしかけられても、ほがらかな返答へんとうができませんでした。
考えこじき (新字新仮名) / 小川未明(著)
むすめ返答へんとうした。
火を点ず (新字新仮名) / 小川未明(著)