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計
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はから
ふりがな文庫
“
計
(
はから
)” の例文
頼
(
たの
)
までは叶ふまじといへば吉兵衞は
夫
(
それ
)
は兎も角も
船頭
(
せんどう
)
任
(
まかせ
)
なれば
宜
(
よき
)
樣
(
やう
)
に
計
(
はから
)
ひ給へとて其議に決し
此所
(
こゝ
)
にて水差を
頼
(
たの
)
み江戸
廻
(
まは
)
りとぞ定めける
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
殿
(
との
)
が
憎
(
にく
)
しみに
逢
(
あ
)
ふべきほどの
果敢
(
はか
)
なき
運
(
うん
)
を
持
(
も
)
ちて
此世
(
このよ
)
に
生
(
うま
)
れたるなれば、ゆるし
給
(
たま
)
へ
不貞
(
ふてい
)
の
女子
(
をなご
)
に
計
(
はから
)
はせ
給
(
たま
)
ふな、
殿
(
との
)
。
軒もる月
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
洋食を喰べて、活動を見て、三人が歸つて來たのは十二時頃で、お米が萬事取
計
(
はから
)
つて自分で寢床迄敷いてやり、おみつを泊めてしまつたのださうだ。
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
うーと
唸
(
うな
)
って
嚇
(
おどか
)
してやったら、迷亭は
蒼
(
あお
)
くなって
山下
(
やました
)
の雁鍋は廃業致しましたがいかが取り
計
(
はから
)
いましょうかと云った。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
幼君
(
えうくん
)
思召
(
おぼしめし
)
に
協
(
かな
)
ひけん、「
然
(
しか
)
らば
試
(
こゝろ
)
みに
飼
(
か
)
ふべきなり。
萬事
(
ばんじ
)
は
汝
(
なんぢ
)
に
任
(
まか
)
すあひだ
良
(
よ
)
きに
計
(
はから
)
ひ
得
(
え
)
させよ」とのたまひぬ。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
野崎氏は
好
(
い
)
いやうに
計
(
はから
)
つた。
富豪
(
かねもち
)
は
後
(
あと
)
で
金高
(
きんだか
)
を聞いて、自分の胸算用より少し出し過ぎたなと思つた。
恰
(
ちやう
)
ど
婦人
(
をんな
)
客が
百貨店
(
デパートメントストア
)
の
帰途
(
かへり
)
にいつも感じるやうに……。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
其の方斯様な裁判が奉行一存の
計
(
はから
)
いに相成ると存じ
居
(
お
)
るか、
一人
(
いちにん
)
の者お処刑に相成る時は、老中方の御評議に相成り上様へ伺い上様の思召をもって御裁許の上
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「その辺の
斟酌
(
しんしゃく
)
には、ずいぶんご寛大な筑前守様ではあるが、この官兵衛もきっとお
計
(
はから
)
い申しておく」
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
第一に女中のクレマンスを味方に引き入れました。え? ええただ今ではプラスビイユの方へだいぶ力を尽しておりますが、当初は私どものために
計
(
はから
)
ってくれました。
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
誰もがいつの間にか行く常道、その平凡こそなまじ一個人の
計
(
はから
)
いより何程かまさった真理を包含しているものなのだろうということを自分自身に感得した智子であった。
明暗
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「お互ひに、死ぬ必要はなくなつたね。月日が、そんな風にうまく、取り
計
(
はから
)
つてくれたンだよ」
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
かやうに様々
計
(
はから
)
ひ申しければ、秀次も自ら御心を移され、内々にお支度ありて、大名小名によらず、
御意
(
ぎよい
)
に従ふべきと思召す者共には、お手前にてお茶を下され、或は御太刀、刀
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
瞼
(
まぶた
)
の切れの上品な彼女は、もう、落ちつきを取戻してお
計
(
はから
)
い何ともおん礼の申しようもございませぬといった。
繊手
(
せんしゅ
)
のかがやきは貝ノ馬介のむねに、まだ名ごりを眼の内にとどめた。
舌を噛み切った女:またはすて姫
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
彼
(
か
)
の下ノ関
砲撃事件
(
ほうげきじけん
)
のごときも、各公使が
臨機
(
りんき
)
の
計
(
はから
)
いにして、深き考ありしに非ず。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
駆けつけた副領事の
計
(
はから
)
いで、即時死因を脳溢血とし一般に知れわたることを防いだ。
鍵から抜け出した女
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「もう五時過ぎになっています。面会だけは出来るように取り
計
(
はから
)
って下さい。」
冬
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
従兄弟の年齢も互に似寄り、もの学びしては師匠より教を受けし書をさらえ、事を相談しては父母の命をそむかぬ如く
計
(
はから
)
うは、みな他人にて届く事にあらず。ここを
能々
(
よくよく
)
考うべき事なり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
その癖、顔一杯に微笑を
湛
(
たた
)
えながら、「恋人を突然奪われたその令嬢に、同情して、黙って私に
委
(
まか
)
して下さいませ。私が責任を
以
(
もっ
)
て、青木さんの
霊
(
たましい
)
が、満足遊ばすようにお
計
(
はから
)
いいたしますわ。」
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
よろしく御取り
計
(
はから
)
いあって然る可く存じ候。
平馬と鶯
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
遺言
(
ゆゐごん
)
せられしに秀忠公も亦深慮を
廻
(
めぐら
)
され京都へ御縁組遊ばし其上にて事を
計
(
はから
)
はんと姫君お福の方を
後水尾院
(
ごみづのをゐん
)
の皇后に奉つらる之を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
お母様に知れないよう
計
(
はから
)
います、実は斯うと打明けて
御意
(
ぎょい
)
遊ばして下さる方が
却
(
かえ
)
って
私
(
わたくし
)
は有難いと存じます
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
けれども
中
(
なか
)
にあつた
手紙
(
てがみ
)
は、状箱とは正反対に、簡単な言文一致で用を
済
(
すま
)
してゐた。
此間
(
このあひだ
)
わざ/\
来
(
き
)
て
呉
(
く
)
れた時は、
御依頼
(
おたのみ
)
通り取り
計
(
はから
)
ひかねて、御気の毒をした。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「えい、奥様を見付けたのでございます。方々探して知れなかったも道理、こんな処に隠れていらっしゃるんだもの、今日の
御足
(
おみあし
)
は
徒
(
むだ
)
にはなりませなんだ。いかが
計
(
はから
)
いましょう。」
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「そち達、よう精出して喧嘩するので、
明日
(
あす
)
は、
曠
(
は
)
れて真剣の決戦をさせてやると、義左衛門様のお
計
(
はから
)
いじゃ。明日こそは、兄弟とて、紀一郎も弟に負くるな。謙三郎も兄に負けるなよ」
剣の四君子:04 高橋泥舟
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いや、僕は
昨日
(
きのふ
)
言つたやうな
理由
(
わけ
)
で、自分から進んで寄附は出来ない。その代り
明日
(
あす
)
から暫く旅行をするから、君の手で
好
(
い
)
いやうに
計
(
はから
)
つて置いて呉れ給へ、君の
計
(
はから
)
ひなら異存は無い。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
我れはかゝる
果敢
(
はか
)
なき運を持ちてこの世に生れたるなれば、殿が憎くしみに
逢
(
あ
)
ふべきほどの果敢なき運を持ちて、この世に生れたるなれば、ゆるし給へ、不貞の
女子
(
をなご
)
に
計
(
はから
)
はせさせ給ふな、殿。
軒もる月
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
繰出さる天一坊
方
(
かた
)
には山内伊賀亮が
計
(
はから
)
ひにて
忍
(
しの
)
びを入れ此樣子を承知して
遠見
(
とほみ
)
を出し置雅樂頭殿
出門
(
しゆつもん
)
有
(
あら
)
ば此方も出門に及ぶべしと
悉
(
こと/″\
)
く夜の内に支度を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
茂之助は三八郎の
計
(
はから
)
いで、手切金を出しお瀧を離縁しましたが、面当に近所へ
世帯
(
しょたい
)
を持ったので
口惜
(
くやし
)
くって、寝ても覚めても忘られず、残念に心得て居りました。
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
先生は
約
(
やく
)
の如く横浜総領事を通じてケリー・エンド・ウォルシから自著の『日本歴史』を余に送るべく取り
計
(
はから
)
われたと見えて、約七百頁の重い書物がその後
日
(
ひ
)
ならずして余の手に落ちた。
マードック先生の『日本歴史』
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
博士
至極
(
しごく
)
のお
計
(
はから
)
いに心得まするが。
海神別荘
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
治「へえ……私も決して好みは致しません、何うかソノ
内分
(
ないぶん
)
のお
計
(
はから
)
いが出来ますれば願いたいもので」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その主意が一般に知れ渡るように取り
計
(
はから
)
うのが学者の用意というものであろう。
学者と名誉
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
よしなにおん
計
(
はから
)
いのほど
奉願上候
(
ねがいあげたてまつりそうろう
)
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何うか
何分
(
なにぶん
)
にも此の事は御内分にお
計
(
はから
)
い下さるれば
千万
(
せんばん
)
有難うございます、何分にも
内済
(
ないさい
)
に願います
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
文治は人に頼まれる時は
白刃
(
しらは
)
の中へも飛び込んで双方を
和
(
なだ
)
め、
黒白
(
こくびゃく
)
を付けて
穏便
(
おんびん
)
の
計
(
はから
)
いを致しまする勇気のある者ですが、母に心配をさせぬため喧嘩のけの字も申しませず
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
僕の鑑定では
慥
(
たしか
)
にお前と見て取ったが、もう
斯
(
こ
)
うなったらば隠さず云ってお仕舞い、そうすれば僕もお前と一つになって事を
計
(
はから
)
おうじゃないか、善悪共に相談をしようから打明け給え
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
此方
(
こちら
)
は
翌朝
(
よくちょう
)
になりましてもお帰りがないと云うので、下男が迎いに参りますと、七軒町で
斯様
(
かよう
)
/\と云う始末、まず死骸を引取り検視沙汰、殊に上役の事でございますから内聞の
計
(
はから
)
いにしても
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
老女の
計
(
はから
)
いで事なく若江はお暇の事になりましたは
御慈悲
(
ごじひ
)
でござります。
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“計”の意味
《名詞》
(ケイ)はかりごと、計画、計略。
(ケイ)合計。
(出典:Wiktionary)
計
常用漢字
小2
部首:⾔
9画
“計”を含む語句
詭計
計画
生計
活計
時計
設計
計策
計算
計畫
計略
謀計
早計
取計
主計頭
大時計
圧力計
計較
懐中時計
設計図
見計
...