“薄日:うすび” の例文
“薄日:うすび”を含む作品の著者(上位)作品数
泉鏡花7
泉鏡太郎5
芥川竜之介4
北原白秋4
海野十三1
“薄日:うすび”を含む作品のジャンル比率
文学 > 文学 > 叢書 全集 選集4.8%
文学 > フランス文学 > 詩1.9%
文学 > 日本文学 > 戯曲0.5%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
素戔嗚は何となく、非難でもされたような心もちになって、思わず眼を薄日うすびがさした古沼ふるぬまの上へただよわせた。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
一歩一歩自信ありげに歩いてみるのだが、春の薄日うすびを受けて路上に落ちているおのれの貧弱な影法師を見ては、どうにも
花燭 (新字新仮名) / 太宰治(著)
一所いつしようごいて、時々とき/″\、てら/\とてん薄日うすびすと、ひかりけて
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
気がついたときは、風もしずまり、波もひくくなり、そして空は明るさを回復し、雲の間から薄日うすびがもれていた。
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
洋一はちょいとためらったのち大股おおまたに店さきへ出かけて行くと、もう薄日うすびもささなくなった、もの静な往来を眺めまわした。
お律と子等と (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
きつね豆府屋とうふやたぬき酒屋さかやかはうそ鰯賣いわしこも、薄日うすびにそのなかとほつたのである。
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
僕等はやむを得ずふねばたに立ち、薄日うすびの光に照らされた両岸の景色を見て行くことにした。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
おうなつむりは白さを増したが、桂木のひざのあたりに薄日うすびした、ただくだん停車場ステエションに磁石を向けると
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
しぐれは、いまのまにんで、薄日うすびがさす……かへで小枝こえだのこつた、五葉いつはばかり、もみぢのぬれいろうつくしい。
湯どうふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
吸殻すゐがらおち小草をぐさつゆが、あぶらのやうにじり/\とつて、けむりつと、ほか/\薄日うすびつゝまれた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
お宮のいちょうが黄色になればあぜにはすすき、水引き、たでの花、露草つゆくさなどが薄日うすびをたよりにさきみだれて、その下をゆくちょろちょろ水の音に秋が深くなりゆく。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
「ひなぐもり」は、日の曇り薄日うすびだから、「うすひ」の枕詞とした。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
む粟の薄日うすびあはれとほうやれと追ふ鳥すらや眼には見なくに
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
墓地裏もつどふ子供の影さむき冬の薄日うすびの照りとなりにき
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
墓地裏もつどふ子供の影さむき冬の薄日うすびの照りとなりにき
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
薄日うすびよわくもさず、くろいた黄蒲公英きたんぽゝ咲交さきまじまめはなの、むらさきにも、ぽつりともくろかげえぬ。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
左膳の青眼せいがん薄日うすびに笑う。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
薄日うすびのかげもおとろへて、
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
薄日うすび鴛鴦おしどり
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
くもうごいて、薄日うすびして、らしたむねと、あふいだひたひかすかにらすと、ほつとつたやうないろをしたが、くちびるしろく、血走ちばしるのである。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
——おお沢山な赤蜻蛉あかとんぼじゃ、このちらちらむらむらと飛散とびちる処へ薄日うすびすのが、……あれから見ると、近間ちかまではあるが、もみじに雨の降るように、こううっすりと光ってな、夕日に時雨しぐれが来た風情ふぜいじゃ。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼はそこにたたずんだまま、しばらくはただあたりの机をめつけたように物色していたが、やがて向うの窓を洩れる大幅おおはば薄日うすびの光の中に、余念なく書物をはぐっている俊助の姿が目にはいると、早速さっそくその椅子いすうしろへ歩み寄って、「おい」と小さな声をかけた。
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)