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而
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し
ふりがな文庫
“
而
(
し
)” の例文
但
(
ただ
)
し、むこうからの打合せの手紙は単に要領だけのことを書いて寄越して
而
(
し
)
かもこちらの許すまでは女名前の匿名で送って欲しいと
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
問の漠然たるが如くに答もまた漠然たるを失わぬけれども、
而
(
し
)
かも漠然たる大掴みの語の中に
皭然
(
しゃくぜん
)
として
滓
(
くろな
)
すべからざる真理が存する。
永久平和の先決問題
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
貸
(
かす
)
人
(
ひと
)
の有べきやはて不思議なる事もあるものだ
何
(
どう
)
した譯の金なるやと
良
(
やゝ
)
暫
(
しばら
)
く考へしが
而
(
し
)
て見れば一文貰ひの
苦紛
(
くるしまぎ
)
れに
奴
(
きやつ
)
切取
(
きりとり
)
強盜
(
がうたう
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
而
(
し
)
かも私は、未だ
曾
(
かつ
)
てかゝる神聖無垢な殺人犯を見た事が無い。清純にして無邪、真実にして玲瓏の極、のみならず、単純無比にして深刻無比。
神童の死
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
唯だこの一刹那の意識、
而
(
し
)
かも自ら顧みるに、其は決して空華幻影の
類
(
たぐ
)
ひにあらず。
鏗然
(
かうぜん
)
として理智を絶したる新啓示として直覚せられたるなり。
予が見神の実験
(新字旧仮名)
/
綱島梁川
(著)
▼ もっと見る
而
(
し
)
かも今は此の作左が身に、己れ多年養ひ進らせし公子をば、そが犠牲に供せざるべからざる難題、直接に降り懸りぬ。
大久保湖州
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
殊に伊藤や須山が仕事のやり方を理窟からではなく、刻々の工場内の動きの解決という点から出発して、
而
(
し
)
かもそれが正しいところに合致しているのだ。
党生活者
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
而
(
し
)
て
見
(
み
)
れば、
何
(
なん
)
でも
皆
(
みな
)
空
(
むな
)
しい
事
(
こと
)
だ、ヴインナの
完全
(
くわんぜん
)
な
大學病院
(
だいがくびやうゐん
)
でも、
我々
(
われ/\
)
の
此
(
こ
)
の
病院
(
びやうゐん
)
と
少
(
すこ
)
しも
差別
(
さべつ
)
は
無
(
な
)
いのだ。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
この六人になるとみな旧知の仲なので、その夜の酒は非常に賑やかな、
而
(
し
)
かもしみじみしたものであった。
みなかみ紀行
(新字新仮名)
/
若山牧水
(著)
而
(
し
)
て見ると愈々本当の気違であるかと
一方
(
ひとかた
)
ならず心配をして居りますと、長二は奉行の顔を見上げまして
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
サレバ土針ハ土ニ塌シタル萩ト云フコトデれんげさうノ葉ヤ花ノサマヲ萩ニ見立テ
而
(
し
)
カモ蛇苺ノヤウニ土ヲ這ツテ居ルトコロカラヤガテ土針ト呼ンダノデアラウ
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
而
(
し
)
かも是れが為めに尤も悩んで居るものは、梅子さん、実に
女性
(
によしやう
)
でありますよ、社会主義とは何ですか、
一言
(
いちごん
)
に
掩
(
おほ
)
へば神の御心です、
基督
(
キリスト
)
が道破し給へる神の御心です
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
曰ふ、
會津藩士
(
あひづはんし
)
は、性直にして用ふ可し、
長人
(
ちやうじん
)
の及ぶ所に非ざるなりと。夫れ
會
(
くわい
)
は
長
(
ちやう
)
の
敵
(
てき
)
なり、
而
(
し
)
かも其の言
此
(
かく
)
の如し。以て公の事を
處
(
しよ
)
すること皆
公平
(
こうへい
)
なるを知るべし。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
悪霊の存在——善を捨てて、悪に走るほど
慨歎
(
がいたん
)
すべきものはない。
汝
(
なんじ
)
は優勢なる魔群の存在を不思議に思うらしいが、事実はその通りであり、
而
(
し
)
かもそは
毫
(
ごう
)
も怪むに足らぬ。
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
そこで、
現場
(
げんじょう
)
にいる連中の頭数と、足跡の数とを比べて見ると、一つ丈け足跡の方が余計だと分った。即ち所属不明の足跡が一つ発見されたんだ。
而
(
し
)
かもそれが靴の跡なんだ。
一枚の切符
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
それに自分が毎日出てゆくある小社會の群れに對しても、それ等の人の惡るい仲間たちに舞臺の上の美しくない
而
(
し
)
かも技藝に拙い女房を見られる事は義男に取つては屈辱だつた。
木乃伊の口紅
(旧字旧仮名)
/
田村俊子
(著)
而
(
し
)
かも無学であると云ふ自覚にやはり超越出来ずにゐる不成功者は、自分よりも出来のいゝ子供を仕上げるためにアクセクして、三度の飯も二度にして、その為に早く年も
老
(
と
)
つて
愚かな父
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
武甲山
(
ぶこうざん
)
は武蔵の一名山である。
其
(
その
)
山、秩父連山の入口にあたり、
而
(
し
)
かも山姿高峻、優に秩父連山の群を抜き、遠く武蔵野平原から望んでも、武甲山だけは、
著
(
いちじる
)
しく天空に
聳
(
そび
)
ええて
居
(
お
)
る。
武甲山に登る
(新字新仮名)
/
河井酔茗
(著)
私の
乞
(
こい
)
に対し、六里ヶ原の養狐場では、一匹一貫目以上もあらうと思はれる大ものを、
而
(
し
)
かも二頭
菰
(
こも
)
包みにして送つてくれた。皮もついてゐれば、うまい話だがさうはいかぬ。裸の狐だ。
たぬき汁
(新字旧仮名)
/
佐藤垢石
(著)
殆んど無意識に出まかせに
而
(
し
)
かも極めて自然のうちに述べ立てて来たが、其処を出て墓地を彷徨う今も尚ほそれが極めて自然なものに思ひ浮んで来るばかりである、可笑しくもなく変でもなかつた。
竹藪の家
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
所がどうも丸で
一寸
(
ちょい
)
とした紙切に十万とか五万とか書てあるものが何でも十枚もある、その中には
而
(
し
)
かも三角の紙切に
僅
(
わずか
)
に何万弗請取りと記して
唯
(
ただ
)
プラインと云う名ばかり
書
(
かい
)
てあるのが何枚もある。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
然
(
しか
)
し、逸作達が批判的に見る世の子供達は一見
可愛
(
かわい
)
らしい形態をした
嫌味
(
いやみ
)
な
悪
(
あく
)
どい、無教養な粗暴な、
而
(
し
)
かもやり切れない存在だ。
かの女の朝
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
贈賄は卑劣の行為なりとするも、
而
(
し
)
かもその卑劣の行為を忍ぶことによって五千円を贈与するも、なお差引き五千円を利し得る。
婦人問題解決の急務
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
するぞ
而
(
し
)
て藤兵衞が
所持
(
しよぢ
)
の脇差を如何の譯で汝ぢが手に
入
(
いり
)
たるぞサア/\
其譯
(
そのわけ
)
白状すべしと
問詰
(
とひつめ
)
られて彌十は
苦痛
(
くつう
)
に
堪兼
(
たへかね
)
迚
(
とて
)
も免れぬ處と覺悟を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
この間
僅
(
わづ
)
かに何分時といふ程に過ぎずと覚ゆれど、
而
(
し
)
かもこの短時間に於ける、
謂
(
い
)
はば無限の深き寂しさの底ひより
予が見神の実験
(新字旧仮名)
/
綱島梁川
(著)
而
(
し
)
かも其悪魔が私の父です——
今日
(
こんにち
)
の
会合
(
あつまり
)
は廿五年の
祝典
(
いはひ
)
では御座いませぬ、
光明
(
ひかり
)
を亡ぼす悪魔の
祝典
(
いはひ
)
です、——我父の打ち
壊
(
こ
)
はす神殿の滅亡を
跪
(
ひざまづ
)
いて見ねばならぬとは
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
新人の悲哀は古い詠嘆の絃にのぼせて象徴の世界を観照すべくあまりに複雑であり、深刻であり、
而
(
し
)
かも而かも傷ましいほど痛烈である、わが友よ、古い楽器の悲哀を知れ。
桐の花とカステラ
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
私は小さい時分から寝言をよく云った相ですが、誰かがその寝言にからかいでもすると、私は寝ていてハッキリと問答した相です。
而
(
し
)
かも朝になっては少しもそれを記憶していないのです。
二癈人
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
朱陸
(
しゆりく
)
以下各
力
(
ちから
)
を得る處有りと雖、
而
(
し
)
かも
畢竟
(
ひつきやう
)
此の
範圍
(
はんい
)
を出でず。
意
(
おも
)
はざりき
明儒
(
みんじゆ
)
に至つて、
朱陸
(
しゆりく
)
黨
(
たう
)
を分つこと
敵讐
(
てきしう
)
の如くあらんとは。何を以て然るや。今の學ぶ者、宜しく平心を以て之を待つべし。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
芸人の妻の癖に、
而
(
し
)
かも
注進
(
ちゅうしん
)
する相手の男の性質を知ったなら、それほど煽られずともよさそうなものをお艶はまともにそれを受けた。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
かくの如きは我等の従来機に触れて
屡々
(
しばしば
)
説いて来たところであるが、
而
(
し
)
かもその実際を見れば談
甚
(
はなは
)
だ容易ならざるものがある。
三たび東方の平和を論ず
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
飮ばかり外には
樂
(
たの
)
しみと云者なし
而
(
し
)
て又々亭主には某しが
師父
(
しふ
)
を如何して存じ居らるゝやと申に亭主は
猶
(
なほ
)
膝
(
ひざ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
嗚呼
(
ああ
)
吾れ一たび神を見てしより、おほけなくも
此
(
こ
)
の一大事因縁を世に宣べ伝へんと願ふ心のみ、日ごとに強くなりゆきて、
而
(
し
)
かも
如何
(
いか
)
にして之れを宣べ伝ふべきかの手段に至りては
予が見神の実験
(新字旧仮名)
/
綱島梁川
(著)
対手
(
あいて
)
は分っている。
而
(
し
)
かもそれを責める方法がない。こんな苦しい、変てこな立場があるだろうか。だが、野本君、安心して呉れ給え。僕はとうとうその男をとっちめる武器を発見したんだ。
恐ろしき錯誤
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
而
(
し
)
かも、遂に議会の理解を得ずに終つた。今日、君に向つてこの死んだ歴史を語る——然し、少しく形骸を言ふならば、君は直に詩眼を以て、その血肉を悟得して呉れることを、僕は信じて居る。
政治の破産者・田中正造
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
いのちを張り裂くほどの想いのもので……
而
(
し
)
かも、たとえ、いのちが張り裂けようとて、心は狂いも、得死ぬことすら許されず
富士
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
而
(
し
)
かも文明は常に変化する。従って常に学んで足るを知らぬ有様である。
而
(
しか
)
して学問の研究は
益々
(
ますます
)
専門的となって、専門教育の必要が生じる。
東西両文明の調和を論じて帝国の将来に及ぶ
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
「
而
(
し
)
かも
貴所
(
あなた
)
、十銭傍聴料を払ふんだから、驚くぢやありませんか」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
踊りの立廻りにまた幇間の職業上の強酒の稽古に、両老は口癖に「命がけでやれ」と言って
而
(
し
)
かもそれは言葉だけではなかった。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
而
(
し
)
かもこの問題を解決することは、さまでに困難でなく、指針は
希伯来
(
ヘブライ
)
に現れたる
耶蘇基督
(
ヤソキリスト
)
なる天才が吾人に明示している。
現代の婦人に告ぐ
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
而
(
し
)
かもその争点は全く沼池である。無人の地であるというが如き処に境界争いが起ったのである。諸君、御考え下され。
外交の方針
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
それを此の場合に述べる口振りには此の英国文豪が客によって自分の意見の真実を曲げずに
而
(
し
)
かも客への愛想となる好話題を選み出せる如才ない一面が
覗
(
うかが
)
われる。
ガルスワーシーの家
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
日本は
唯我独尊
(
ゆいがどくそん
)
ではならぬこと、日本以外に勢力強大にして、
而
(
し
)
かも野蛮ならざる文明開化の国々のあることが知れた。
東西両文明の調和を論じて帝国の将来に及ぶ
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
まして、そう呼ばせる相手はわたくしに
肖
(
に
)
て
而
(
し
)
かも小娘の若き姿である。
雛妓
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
男子が自ら女子に欺かるるので、
而
(
し
)
かもそのここに至るは因果は廻る小車の如く、前に自ら女子を欺きたるその応報の
覿面
(
てきめん
)
に示現したのに外ならぬ。
婦人問題解決の急務
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
そしてガルスワーシーがロンドンの汚れた霧
瓦斯
(
ガス
)
を
遁
(
のが
)
れて健康の丘と呼ばれるハムステットに日常人事の受付所として設けた此の邸の表玄関に較べて、ひそやかで
而
(
し
)
かも華やかな裏庭一帯の感じは
ガルスワーシーの家
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
而
(
し
)
かも中央の力微弱にしてこれを
能
(
よ
)
く制する無しとすれば、投資国は民国政府に信頼せず、自己の投資に対する利益を自ら保護し
防禦
(
ぼうぎょ
)
するに相違ない。
三たび東方の平和を論ず
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
而
(
し
)
かも
茫々
(
ぼうぼう
)
四、五千載、太古に定められたるこの唯一の原則を守ってなんら疑うを知らざる如きは何に依るか。
婦人問題解決の急務
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
而
(
し
)
かも戦乱に依る死負傷者の数極めて多き時代に於ては、これに対する防禦手段を講ずることは、人間自然の要求である。この防禦作用とは医術に
外
(
ほか
)
ならない。
東西両文明の調和を論じて帝国の将来に及ぶ
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
応接室には美しい書籍——
而
(
し
)
かも
要
(
い
)
りもせぬもの——を飾っておどかすにも
拘
(
かか
)
わらず、勝手元はなにやら怪しげなのが多いようだが、福沢先生にはそんな事が
微塵
(
みじん
)
もない。
福沢先生の処世主義と我輩の処世主義
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
“而(而部)”の解説
而部
は、頬髭を意味する漢字の部首。
康熙字典214部首では126番目に置かれる(6画の9番目、未集の9番目)。
(出典:Wikipedia)
而
漢検準1級
部首:⽽
6画
“而”を含む語句
似而非
依而
形而上
形而上学
以而
追而書
従而
而已
兼而
別而
先達而
辛而
形而
似而非者
形而上的
却而
追而
然而
決而
似而
...