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白地
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しろぢ
晶子は三越で買つて来た
白地に
香の図と菊とを染めた友禅と、京都の
茅野蕭蕭君に託して買つて貰つた
舞扇の一対とを夫人に捧げた。
弴さんは、
手拭を
喧嘩被り、
白地の
浴衣の
尻端折で、いま
逃出したと
言ふ
形だが、
手を
曳いて……は
居なかつた。
宗助は
然るべく
叔母に
頼んで、
其日は
夫で
切り
上げて
歸つた。
晩食の
後御米と
一所に
又縁側へ
出て、
暗い
所で
白地の
浴衣を
並べて、
涼みながら、
畫の
話をした。
と
鄭寧に云つて再び
答を促した。阿母さんは未だ
黙つて
居る。見ると、
晃兄さんの
白地の薩摩
絣の
単衣の
裾を両手で
握んだ儘阿母さんは泣いて居る。
此の
娘も、
白地の
手拭を、
一寸疊んで、
髮の
上に
載せて
居る、
鬢の
色は
尚ほ
勝つて、ために
一入床しかつた。
壜を
持つた
儘、
立つて
室の
四隅へ
行つて、そこに一二滴づゝ
振りかけた。
斯様に
打ち
興じた
後、
白地の
浴衣に
着換えて、
新らしい小
掻巻の
下に
安かな
手足を
横たへた。
「
風が
出ました、もう
霽りませう。」「これはありがたい、お
禮を
言ふよ。」「ほほほ。」ふつくり
色白で、
帶をきちんとした
島田髷の
女中は、
白地の
浴衣の
世話をしながら
笑つたが
不断着の
儘宅を
出たと見えて、
質素な
白地の
浴衣の
袂から
手帛を出し
掛けた所であつた。代助は
其姿を
一目見た時、運命が三千代の未来を切り
抜いて、意地悪く自分の眼の前に持つて
来た様に感じた。
浴衣は
白地の
中形で、
模樣は、
薄月の
空を
行交ふ、——
又少し
明るく
成つたが——
雲に
紛るゝやうであつたが、つい
傍の
戸袋に
風流に
絡まり
掛つた
蔦かづらが
其のまゝに
染まつたらしい。
門野のぼんやりした
白地が又廊下のはづれに
現はれた。
其處へ
病上りと
云ふ
風采、
中形の
浴衣の
清らかな
白地も、
夜の
草葉に
曇る……なよ/\とした
博多の
伊達卷の
姿で、つひぞない
事、
庭へ
出て
來た。
其の
時美人が
雪洞を
手に
取つて
居たのである。
何か、
自分は
世の
中の
一切のものに、
現在、
恁く、
悄然、
夜露で
重ツくるしい、
白地の
浴衣の、しほたれた、
細い
姿で、
首を
垂れて、
唯一人、
由井ヶ
濱へ
通ずる
砂道を
辿ることを、
見られてはならぬ
“白地”の意味
《名詞》
【しろじ】紙、布等で、地の白いもの。
【しらち】公図で地番が付されていない土地。
【はくち】白い生地、更地、素人の女。
(出典:Wiktionary)