“発(はつ)” の例文
旧字:發
是等(これら)の㕝どもをおもひはかるに、越後のうちには地火をいだす火脉(くわみやく)の地多(おほ)く、いまだ陽火を得(え)ずして発(はつ)せざるも多かるべし。
川塲を発(はつ)して沼田に帰(かへ)れば、郡役所、警察署、収税署等の諸員及有志者等、一行の安着を歓迎(くわんげい)し、直(たた)ちに三好屋に於て盛(さか)んなる慰労会(ゐらうくわい)を催(もよふ)されたり。
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
夫(それ)羅山(らざん)の口号(こうがう)に曰(いはく)、萬葉集(まんえふしふ)は古詩(こし)に似(に)たり、古今集(こきんしふ)は唐詩(たうし)に似(に)たり、伊勢物語(いせものがたり)は変風(へんぷう)の情(じやう)を発(はつ)するに贋(にせ)たり、源氏物語(げんじものがたり)は荘子(さうし)と天台(てんだい)の書(しよ)に似(に)たりとあり。
落語の濫觴 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
親子(おやこ)若(もし)くは夫婦(ふうふ)が僅少(わづか)の手内職(てないしよく)に咽(むせ)ぶもつらき細々(ほそ/\)の煙(けむり)を立てゝ世が世であらばの嘆(たん)を発(はつ)し候(そろ)は旧時(きうじ)の作者が一場(いつぢやう)のヤマとする所に候(そろ)ひしも今時(こんじ)は小説演劇を
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
気を焦(いらだ)って源助町の比企一隆斎、鏡丹波らが、一時に左右から斬りこんで、たちまち打(ちょう)ッ! の刃音、発(はつ)! の気合い、混剣乱陣(こんけんらんじん)の場と化し去ったが、茨右近は
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
とお言いになると、大将はうやうやしく琴を受け取って、一越(いっこつ)調の音(ね)に発(はつ)の絃(いと)の標準の柱(じ)を置き全体を弾き試みることはせずにそのまま返そうとするのを院は御覧になって
源氏物語:35 若菜(下) (新字新仮名) / 紫式部(著)
恁(か)く嬌瞋(きやうしん)を発(はつ)しては屹度(きつと)可(い)いことはあるまい、今(いま)此(こ)の婦人(をんな)に邪慳(じやけん)にされては木(き)から落(お)ちた猿(さる)同然(どうぜん)ぢやと、おつかなびつくりで、おづ/\控(ひか)へて居(ゐ)たが、いや案(あん)ずるより産(うむ)が安(やす)い。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
と、とつぜん、ヒュウッと二発(はつ)の弾(たま)が飛んできて、ヤッローの胸(むね)にあたりました。ヤッローは、もうだめだ、とは思いましたが、かりゅうどにつかまらないように、一生けんめい飛びました。
覇王樹(さぼてん)のくれなゐの花海のべの光をうけて気(き)を発(はつ)し居り
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
是等(これら)の㕝どもをおもひはかるに、越後のうちには地火をいだす火脉(くわみやく)の地多(おほ)く、いまだ陽火を得(え)ずして発(はつ)せざるも多かるべし。
幾度(いくど)掛(か)けてもチヤンと、存生中(ぞんしやうちゆう)に物言(ものい)ふ通(とほ)り、音色(おんしよく)が発(はつ)するのだから其人(そのひと)が再(ふたゝ)び蘇生(よみかへつ)て対話(たいわ)でもするやうな心持(こゝろもち)になるのだから、大(おほ)きに是(これ)は追善(つゐぜん)の為(ため)に宜(よ)からうと考へられまする。
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
或は岩(いわ)に触(ふ)れて澎湃(ばうはい)白沫を飛(と)ばし、或は瀾となり沈静(ちんせい)深緑(しんりよく)を現(あら)はす、沼田を発(はつ)して今日に至(いた)り河幅水量共(とも)に甚(はなはだ)しく减縮(げんしゆく)せるを覚(おぼ)えず、果して尚幾多の長程と幾多(いくた)の険所とを有(いう)する
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
またのぼりゆき/\て桟齴(かけはしのやう)なる道にあたり、岩にとりつき竹の根を力草(ちからくさ)とし、一歩に一声を発(はつ)しつゝ気を張り汗(あせ)をながし、千辛(しん)万苦(く)しのぼりつくして馬の背(せ)といふ所にいたる。
其議論の激(はげ)しき遂(つひ)に小西技師をして、国境論者(こくけうろんしや)は別隊を率(ひき)ゐて別(べつ)に探検(たんけん)すべしとの語を発(はつ)せしむるに至(いたり)たる程なりき、若(もし)糧食(れうしよく)の備(そな)へ充分にして廿日以上の日子を費(つひや)すの覚悟なりせば
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
またのぼりゆき/\て桟齴(かけはしのやう)なる道にあたり、岩にとりつき竹の根を力草(ちからくさ)とし、一歩に一声を発(はつ)しつゝ気を張り汗(あせ)をながし、千辛(しん)万苦(く)しのぼりつくして馬の背(せ)といふ所にいたる。
命(いのち)たすかりたるのち春暖(しゆんだん)にいたれば腫(はれ)病(やまひ)となり良医(りやうい)も治(ぢ)しがたし。凍死(こゞえしゝ)たるはまづ塩(しほ)を熬(いり)て布(ぬの)に包(つゝみ)しば/\臍(へそ)をあたゝめ稿火(わらび)の弱(よわき)をもつて次第(しだい)に温(あたゝむ)べし、助(たすか)りたるのち病(やまひ)を発(はつ)せず。