波動はどう)” の例文
ぐわつ以來いらい外國貿易ぐわいこくぼうえき状勢じやうせい金解禁きんかいきんたいする諸般しよはん準備じゆんび程度ていどよりて、かくごと事態じたい發生はつせい財界ざいかい急激きふげき波動はどうしやうずることなきことをしんずるものである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
あとはもう聞えないくらいのひく物言ものいいでとなりの主人からは安心あんしんたようなしずかな波動はどうがだんだんはっきりなった月あかりのなかをながれて来た。そして富沢とみざわはまたとろとろした。
泉ある家 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ながら海上海底かいじやうかいてい光景くわうけい觀測くわんそくすることべく、自動照凖器じどうせうじゆんきをもつて潮流てうりう速力そくりよくり、波動はどう方向ほうかうさだめ、海戰かいせんすではじまらは、てい逆浪げきらう怒濤どたうそこ電光でんくわうごとはしる、そのあひだつて
火口近かこうちかくにゐてこの波動はどう直面ちよくめんしたものは、空氣くうきおほきなつちもつなぐられたことになるので、巨大きよだい樹木じゆもく見事みごとれ、あるひこぎにされて遠方えんぽうはこばれる。勿論もちろん家屋かおくなどは一溜ひとたまりもない。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
蟋蟀こほろぎ其處そこらあたり一ぱいきしきつて、あつまつたこゑそらにまでひゞかうとしてはしづみつゝ/\、それがゆつたりとおほきな波動はどうごと自然しぜん抑揚よくやうしつゝある。おつぎは到頭たうとう渡船場とせんばまでた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
音楽おんがくというものは、いったいかなしいかんじを人々ひとびとこころあたえるものです。いい楽器がっきになればなるほど、そのこまかな波動はどうが、いっそうするどたましいるように、ますますかなしいかんじをそそるのであります。
楽器の生命 (新字新仮名) / 小川未明(著)
波動はどうあまく、また、るく、に照りかへす
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
このときおこつた大氣たいき波動はどう世界せかい三週半さんしゆうはんするまで追跡ついせきられ、海水かいすい動搖どうよう津浪つなみとして全地球上ぜんちきゆうじようほとんどいたところ觀測かんそくせられた。また大氣中たいきちゆう混入こんにゆうした灰塵かいじん太陽たいよう赤色せきしよくせること數週間すうしゆうかんおよんだ。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
無言むごん凝視みつ赫耀かくえう波動はどうけば、夢心地ゆめごこち
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
地震ぢしん其根源そのこんげん場所ばしよおいては緩急かんきゆう各種かくしゆ地震波ぢしんぱ發生はつせいするものであつて、これがあひともなつて四方八方しほうはつぽうひろがつてくのであるが、此際このさいきゆう振動しんどうをなす波動はどうみちすがら其勢力そのせいりよくもつとすみやかに減殺げんさいされるから
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
もつと具體的ぐたいてきにいふならば、初期微動しよきびどう空氣中くうきちゆうける音波おんぱのような波動はどうであつて、振動しんどう方向ほうこう進行しんこう方向ほうこうとがあひ一致いつちするもの、すなは形式けいしきからいへば縱波たてなみである。主要動しゆようどうはそれとことなり横波よこなみである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)