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案外
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あんぐわい
ふりがな文庫
“
案外
(
あんぐわい
)” の例文
髭
(
ひげ
)
のないと
思
(
おも
)
つたのに、
髭
(
ひげ
)
を
生
(
は
)
やしてゐるのと、
自分
(
じぶん
)
なぞに
對
(
たい
)
しても、
存外
(
ぞんぐわい
)
丁寧
(
ていねい
)
な
言葉
(
ことば
)
を
使
(
つか
)
ふのが、
御米
(
およね
)
には
少
(
すこ
)
し
案外
(
あんぐわい
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
次
(
つぎ
)
の
日
(
ひ
)
巡査
(
じゆんさ
)
は
隣
(
となり
)
の
傭人
(
やとひにん
)
を
連
(
つ
)
れて
來
(
き
)
て
壁際
(
かべぎは
)
の
木
(
き
)
の
根
(
ね
)
を
檢
(
しら
)
べさせたが
櫟
(
くぬぎ
)
の
根
(
ね
)
は
案外
(
あんぐわい
)
に
少
(
すくな
)
かつた。それでもおつぎの
手
(
て
)
では
棄
(
す
)
て
切
(
き
)
れなかつたのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
無意識の芸術的衝動だけは
案外
(
あんぐわい
)
生死の
瀬戸際
(
せとぎは
)
にも最後の飛躍をするものだからね? 辞世の歌で思ひ出したが
続野人生計事
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
頻々
(
ひん/\
)
たる
地震
(
ぢしん
)
に
對
(
たい
)
しても、
古代
(
こだい
)
の
國民
(
こくみん
)
は
案外
(
あんぐわい
)
平氣
(
へいき
)
であつた。いはんや
太古
(
たいこ
)
にあつては
都市
(
とし
)
といふものがない。
日本建築の発達と地震
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
俊男は其の
怜
(
さか
)
しい頭が氣に
適
(
く
)
はぬ。また見たところ
柔和
(
にうわ
)
らしいのにも似ず、
案外
(
あんぐわい
)
理屈
(
りくつ
)
ツぽいのと
根性
(
こんじやう
)
ツ
骨
(
ぽね
)
の太いのが
憎
(
にく
)
い。で、ギロリ、其の横顏を
睨
(
にら
)
め付けて
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
▼ もっと見る
是
(
これ
)
は
怪
(
け
)
しからん、
無礼至極
(
ぶれいしごく
)
の
奴
(
やつ
)
だ、
何
(
なん
)
と
心得
(
こゝろえ
)
て
居
(
を
)
る、
是
(
これ
)
ほどの
名作
(
めいさく
)
の詩を、詩になつて
居
(
を
)
らんとは
案外
(
あんぐわい
)
の
何
(
ど
)
うも
失敬
(
しつけい
)
な事を
申
(
まう
)
す
奴
(
やつ
)
だ、
其分
(
そのぶん
)
には
捨置
(
すてお
)
かん、
入牢
(
じゆらう
)
申附
(
まうしつ
)
ける。
詩好の王様と棒縛の旅人
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
本心
(
ほんしん
)
には
成
(
な
)
るまじき
文
(
ふみ
)
の
趣向
(
しゆかう
)
、
案外
(
あんぐわい
)
のことにて
拍子
(
へうし
)
よく
行
(
ゆ
)
き、
文庫
(
ぶんこ
)
に
納
(
をさ
)
め
給
(
たま
)
ひしとは
最
(
も
)
う
我
(
わ
)
がもの、と一
度
(
たび
)
は
勇
(
いさ
)
みけるが、
夫
(
それ
)
より
後
(
のち
)
の
幾度
(
いくど
)
幾通
(
いくつう
)
かき
送
(
おく
)
りし
文
(
ふみ
)
に一
度
(
たび
)
の
返事
(
へんじ
)
もなく
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
定
(
さだ
)
めし
今
(
いま
)
時分
(
じぶん
)
は
閑散
(
ひま
)
だらうと、
其
(
その
)
閑散
(
ひま
)
を
狙
(
ねら
)
つて
來
(
き
)
て
見
(
み
)
ると
案外
(
あんぐわい
)
さうでもなかつた。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
細君
(
さいくん
)
の
云
(
い
)
ふ
所
(
ところ
)
によると、
彼
(
かれ
)
は
郷里
(
きやうり
)
へ
歸
(
かへ
)
つてから
當日
(
たうじつ
)
に
至
(
いた
)
る
迄
(
まで
)
、
一片
(
いつぺん
)
の
音信
(
おんしん
)
さへ
下宿
(
げしゆく
)
へは
出
(
だ
)
さなかつたのである。
宗助
(
そうすけ
)
は
案外
(
あんぐわい
)
な
思
(
おもひ
)
で
自分
(
じぶん
)
の
下宿
(
げしゆく
)
へ
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
た。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
此
(
こ
)
の
位
(
くらゐ
)
のものらしいやうでしたな、
案外
(
あんぐわい
)
少
(
すくな
)
かつたんですな」
巡査
(
じゆんさ
)
は
手帖
(
ててふ
)
を
反覆
(
くりかへ
)
しながらいつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
即
(
すなは
)
ち
太古
(
たいこ
)
の
國民
(
こくみん
)
は、
頻々
(
ひん/\
)
たる
地震
(
ぢしん
)
に
對
(
たい
)
して、
案外
(
あんぐわい
)
平氣
(
へいき
)
であつたらうと
思
(
おも
)
ふ。
日本建築の発達と地震
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
僕はこの死骸をもの
哀
(
あは
)
れに感じた。しかし妻にその話をしたら、「それはきつと地震の前に死んでゐた人の焼けたのでせう」と云つた。
成程
(
なるほど
)
さう云はれて見れば、
案外
(
あんぐわい
)
そんなものだつたかも知れない。
大正十二年九月一日の大震に際して
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
さりとては
是
(
こ
)
れ
程
(
ほど
)
の
人品
(
じんぴん
)
備
(
そな
)
へながら
身
(
み
)
に
覺
(
おぼ
)
えた
藝
(
げい
)
は
無
(
な
)
きか
取上
(
とりあ
)
げて
用
(
もち
)
ひる
人
(
ひと
)
は
無
(
な
)
きか
憐
(
あは
)
れのことやとは
目
(
め
)
の
前
(
まへ
)
の
感
(
かん
)
じなり
心情
(
しんじやう
)
さら/\
知
(
し
)
れたものならず
美
(
うつ
)
くしき
花
(
はな
)
に
刺
(
とげ
)
もあり
柔和
(
にゆうわ
)
の
面
(
おもて
)
に
案外
(
あんぐわい
)
の
所爲
(
しよゐ
)
なきにもあらじ
恐
(
おそ
)
ろしと
思
(
おも
)
へばそんなもの
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
産婆
(
さんば
)
も
緩
(
ゆつ
)
くり
間
(
ま
)
に
合
(
あ
)
ふし、
脱脂綿
(
だつしめん
)
其他
(
そのた
)
の
準備
(
じゆんび
)
も
悉
(
こと/″\
)
く
不足
(
ふそく
)
なく
取
(
と
)
り
揃
(
そろ
)
へてあつた。
産
(
さん
)
も
案外
(
あんぐわい
)
輕
(
かる
)
かつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
“案外”の意味
《形容動詞・名詞》
思いの外。意外。
《形容動詞》
思いの外の。意外な。
(context、dated) 無礼な。
(出典:Wiktionary)
案
常用漢字
小4
部首:⽊
10画
外
常用漢字
小2
部首:⼣
5画
“案”で始まる語句
案
案山子
案内
案内者
案排
案配
案内人
案事
案内役
案主