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年齢
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とし
ふりがな文庫
“
年齢
(
とし
)” の例文
旧字:
年齡
「だって俊夫君、留吉は物を言うことさえできぬじゃないか?
年齢
(
とし
)
は十五だそうだが、その知恵は三ツ
児
(
ご
)
にも劣っているそうだよ」
白痴の知恵
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
「市郎、大分寒くなったな。」と、父の
安行
(
やすゆき
)
が
背後
(
うしろ
)
から声をかけた。安行は今年六十歳の筈であるが、
年齢
(
とし
)
よりも
遥
(
はるか
)
に若く見られた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
括弧
(
かっこ
)
の中でいうべき事かも知れないが、
年齢
(
とし
)
を取った
今日
(
こんにち
)
でも、私にはよくこんな現象が起ってくる。それでよく
他
(
ひと
)
から誤解される。
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
同時に、その
年齢
(
とし
)
までまだ身もかため得ずにぶらぶらしているらしい彼女の事が、何となく無言な力をもって岸本の胸に迫って来た。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
この十二歳という
年齢
(
とし
)
は、当時の男の子に取っては一つのきまりが附く
年齢
(
とし
)
である。それは、十二になると、奉公に出るのが普通です。
幕末維新懐古談:02 私の子供の時のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
▼ もっと見る
「おまえが驚かすから悪いんだ。なんでも母上とさえ云えばおれがへこむものときめてる、もうおれだってそんな
年齢
(
とし
)
じゃないぞ」
夜明けの辻
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
もとより
邪淫奸智
(
じゃいんかんち
)
の
曲者
(
くせもの
)
、おやまは
年齢
(
とし
)
二十二でございます、美くしい盛りで、
莞爾
(
にっこり
)
と笑います顔を、余念なく見て居りましたが
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
『ホンに、あなた
方
(
がた
)
に
年齢
(
とし
)
などはない
筈
(
はず
)
でございました……。でもあなた
方
(
がた
)
にも
矢張
(
やは
)
り、
両親
(
りょうしん
)
もあれば
兄妹
(
きょうだい
)
もあるのでしょうね?』
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
馬上、
金瓢
(
きんぴょう
)
の下、かぶとの
眉
(
ま
)
びさしに、
陰
(
かげ
)
って見える秀吉の眉にも、こんどは少し、
難
(
むずか
)
しい顔つきが見られた。
年齢
(
とし
)
、このとき四十二。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その時分から、十歳
年齢
(
とし
)
の下の弟が生れたので、これを背負つて、夕方、母の代りに、
本町
(
ほんちやう
)
から
骨屋町
(
ほねやまち
)
へ、惣菜を買ひに行つた。
貧乏一期、二期、三期:わが落魄の記
(新字旧仮名)
/
直木三十五
(著)
それがある時、其頃の村の
俄分限
(
にはかぶんげん
)
の山田といふ老人に、貴様も好い
年齢
(
とし
)
をして、いつまで村の衆に厄介を懸けて居るといふ事もあるまい。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
「よく私の顔を御覧下さい、
鬢
(
びん
)
の抜け上ったのは、
年齢
(
とし
)
のせいもありますが、一本の毛抜でいくらでも額は広げられますわねえ」
葬送行進曲
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それに引かえ僕の
弟
(
おとと
)
の
秀輔
(
ひですけ
)
は腕白小僧で、僕より二ツ
年齢
(
とし
)
が下でしたが骨格も父に
肖
(
に
)
て
逞
(
たく
)
ましく、気象もまるで僕とは
変
(
ちが
)
って居たのです。
運命論者
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
火影にハッキリ照らしだされたところを見ると、それは
年齢
(
とし
)
のころ、三十を二つ三つ越したかと思われるほどの頑丈な男だった。
地球盗難
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
鳶
(
とび
)
いろの眼と、ユウマアのみなぎった、人のいい顔をしてる。この
年齢
(
とし
)
まで、独身を通してきた。
長刀
(
なぎなた
)
の名手なのだ。
渋川流
(
しぶかわりゅう
)
の
柔
(
やわら
)
もやる。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
画家
(
ゑかき
)
の
田能村直入
(
たのむらちよくにふ
)
は、晩年
年齢
(
とし
)
を取る事が大好きになつて、太陽暦で八十の
齢
(
とし
)
を迎へてまだ二
月
(
つき
)
と経たぬうちに、旧暦のお正月が来ると
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
そのいやに固執した「慾張った」のすぐ後へ、七十という
年齢
(
とし
)
が突拍子もなく飛出したので、昌作は知らず識らず笑顔をした。
野ざらし
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
当人自らが
年齢
(
とし
)
を知らぬということにもよるが、それよりも、温帯人に比べて中年から老年にかけて急に烈しく老い込んで了うからである。
南島譚:03 雞
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
私は楠さんの
年齢
(
とし
)
を自分達よりも六つ七つも上のやうに噂をする者があつても、そんな筈はないと理性で否定をして居ました。
私の生ひ立ち
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
年齢
(
とし
)
はまだ十一歳のままに、一級飛んだ五年生になっている事に気付かずにいたので、もしかすると別人ではないかと疑ってみた事であった。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
御
年齢
(
とし
)
よりも
大人
(
おとな
)
びておいでになったし、御後援をする人が母方のそばにも多くある方であったから、院は御安心をしておいでになるのである。
源氏物語:34 若菜(上)
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
教養の事である。新時代に適するように頭を作る必要であった。そしたらいま彼女はどんな位置にいられたろう。芸術に
年齢
(
とし
)
のあるはずはない。
マダム貞奴
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
七年の長い間のことを、今では、さも、詰らない夢を見て
年齢
(
とし
)
ばかり取って了った、と、恨んで居るであろう。年々ひどく顔の皺を気にしては
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
金五郎から、そういって笑われたように、ほとんど
年子
(
としご
)
のように、次々に産んだ。長男の勝則と、末子の千博とは、十三しか
年齢
(
とし
)
がちがわない。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
年齢
(
とし
)
はちょっと見当がつかないが、弱そうな小柄の青年で、何だか子供の時分から病身で悩んで来たという風であった。
無駄骨
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
自分が
年齢
(
とし
)
を取るたびに痩せて弱くなつて来たのは事実である。十八貫近くもあつたのが、近頃は十二貫五百も怪しい。
現代詩
(新字旧仮名)
/
武田麟太郎
(著)
十四の
年齢
(
とし
)
まで孤児院にいて、水汲みや拭き掃除を一人で受けもっていた種にとっては病人の世話ぐらい易いのである。
神楽坂
(新字新仮名)
/
矢田津世子
(著)
年齢
(
とし
)
は二十二歳、身の不具で弱くて小さい所以は、母の胎内に七ヶ月しか我慢がしきれず、無理矢理に娑婆へ暴れ出した罰であらうと考へられる。
雲は天才である
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
去っては、
年齢
(
とし
)
はゆかず、手頼りになる親戚のないお前、江戸住居はむずかしかろう。だからお姉様の許へ行って……
鸚鵡蔵代首伝説
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ほらをふくからな。マリユス、お前のような若い者が女を思うのはあたりまえだ。お前の
年齢
(
とし
)
だからな。ジャコバン党より色男の方がわしは好きだ。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
年齢
(
とし
)
は幾つ位かわからなかったけれど、そんな言葉使いをしたり、こうして先に立って歩いているのを見ると、少くとも六十は越しているらしかった。
白金神経の少女
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
第一に
年齢
(
とし
)
の
違
(
ちが
)
ふ
故
(
せゐ
)
もあつたが、和上は学者で貧乏を苦にせぬ
豪邁
(
がうまい
)
な
性質
(
たち
)
、奥方は町家の
秘蔵娘
(
ひざうむすめ
)
で
暇
(
ひま
)
が有つたら三味線を出して
快活
(
はれやか
)
に
大津絵
(
おほつゑ
)
でも弾かう
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
身体は身軽、
年齢
(
とし
)
は若し、随分乱暴な世界を平気で歩いたが、しかし、まだそのころは、泥棒だけはしなかったよ
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
年齢
(
とし
)
には増せた事を言い出しては両親に
袂
(
たもと
)
を絞らせた事は
有
(
あっ
)
ても、又
何処
(
どこ
)
ともなく
他愛
(
たわい
)
のない所も有て、
浪
(
なみ
)
に漂う
浮艸
(
うきぐさ
)
の、うかうかとして月日を重ねたが
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
艶麗
(
あでやか
)
な
女俳優
(
おんなやくしゃ
)
が、子役を連れているような。
年齢
(
とし
)
は、されば、その
児
(
こ
)
の母親とすれば、少くとも四五であるが、姉とすれば、九でも
二十
(
はたち
)
でも差支えはない。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
美少年滝之助は
越後
(
えちご
)
領
関川宿
(
せきかわじゅく
)
の者、
年齢
(
とし
)
は十四歳ながら、身の発育は良好で、十六七にも見えるのであった。
怪異黒姫おろし
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
年齢
(
とし
)
がひどく違っている上に、彼の方にはチャンとした女房もあり、三人の子供まで出来ている、それを思えば、「色恋」の
沙汰
(
さた
)
は余りに恥しく、事実また
木馬は廻る
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
年齢
(
とし
)
の相違が争はれん。あゝ今朝いつもの肉汁を、呑むひまもなく来てしまった。前総裁は必ず飲んだ。
疑獄元兇
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
年齢
(
とし
)
は幾つか、既婚か未婚か既婚ならば妻もしくは夫の人物・性行・嗜好の一般、家族は何人か——各写真一葉添附のこと——共産党政府に異心なきことの証明。
踊る地平線:01 踊る地平線
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
少しばかり
年齢
(
とし
)
をとりすぎてしまいましたが、それでもいろいろな意味で最も評判のよい女優でした。
恋
(新字新仮名)
/
渡辺温
(著)
年齢
(
とし
)
には余程の相違はあったが平太郎と権八の二人は非常に気があっていた。二人は隔てのない
種
(
いろ
)
々な話をした後で、権八がふと大熊山の妖怪のことを云いだした。
魔王物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
そのため
年齢
(
とし
)
も二十二、三には見られるので、
真
(
まこと
)
の年はそれより二ツ三ツは取っているかも知れない。
吾妻橋
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
年齢
(
とし
)
はその頃十九だったが、
容貌
(
きりょう
)
もよし性質も至って温雅な娘でまた
箏
(
こと
)
の方にかけては
頗
(
すこぶ
)
る
天稟
(
てんりん
)
的なので、師匠の自分にも
往々
(
おうおう
)
感心する様なことがあったくらいだ。
二面の箏
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
村井
保
(
たもつ
)
は、映画雑誌、シネマ時報の編集主任で、
年齢
(
とし
)
は三十四歳、雑誌記事のことで、東京キネマのスタジオへ出入りしているうちに山上みさをと知り合いになり
アパートの殺人
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
「なァンのぬし、
年齢
(
とし
)
ばかりおッとって——、昨年なァ
得知
(
えし
)
れンこつば
仕出来
(
しでき
)
ゃァたもンだけん……」
冬枯れ
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
年齢
(
とし
)
はいくつなのか、まだ子供子供し、
束
(
つか
)
の
間
(
ま
)
の盛りを見せる
脆
(
もろ
)
い花といった、ものやさしさで、線の細いエッチングか素描でも見ているような清楚な印象を受けた。
蝶の絵
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
茲
(
こゝ
)
からは見えない泉水のほとりで、
縦令
(
たとへ
)
馬鹿ではあるにしろ
年齢
(
とし
)
だけは若い、身体
丈
(
だけ
)
は堂々と立派な勝彦が、瑠璃子と相並んで、打ち興じてゐる有様が、勝平の眼に
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
と
年齢
(
とし
)
は同じほどでも女だけにませたことを云ったが、その言葉の
端々
(
はしはし
)
にもこの
女
(
こ
)
の
怜悧
(
りこう
)
で、そしてこの児を育てている母の、分別の
賢
(
かしこ
)
い女であるということも現れた。
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
年齢
(
とし
)
をとった女中をおくことも時に考えるけれども、いまの女中は十三の時に来て三年いる。私の邪魔にならないので、何が不自由でも、それが一番幸せだと思っている。
生活
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
いちばん
年齢
(
とし
)
の若い女給の
信子
(
のぶこ
)
は遠くから気遣わしそうに波瑠子を眺めていたが、やがて用ありげに二人の
傍
(
そば
)
を通り抜けて、
衝立
(
ついたて
)
の背後をひと回りしてもとのところへ戻った。
宝石の序曲
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
年
常用漢字
小1
部首:⼲
6画
齢
常用漢字
中学
部首:⿒
17画
“年齢”で始まる語句
年齢下
年齢少
年齢頃
年齢甲斐