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小首
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こくび
ふりがな文庫
“
小首
(
こくび
)” の例文
番頭
(
ばんとう
)
はその帽子を手に取って、
小首
(
こくび
)
を傾げて眺めました。自分の店にあるのだが、どうも
見馴
(
みな
)
れないすてきな帽子なんです。
不思議な帽子
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
広子は
小首
(
こくび
)
を傾けながら、時々返事をする代りに静かな
点頭
(
てんとう
)
を送っていた。が、内心はこの間も絶えず二つの問題を解決しようとあせっていた。
春
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
其
(
その
)
擧動
(
ふるまひ
)
のあまりに
奇怪
(
きくわい
)
なので
私
(
わたくし
)
は
思
(
おも
)
はず
小首
(
こくび
)
を
傾
(
かたむ
)
けたが、
此時
(
このとき
)
何故
(
なにゆゑ
)
とも
知
(
し
)
れず
偶然
(
ぐうぜん
)
にも
胸
(
むね
)
に
浮
(
うか
)
んで
來
(
き
)
た
一
(
ひと
)
つの
物語
(
ものがたり
)
がある。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
前つぼの
固
(
かた
)
い
草履
(
ぞうり
)
の
先
(
さき
)
で
砂
(
すな
)
を
蹴
(
け
)
って、一
目散
(
もくさん
)
に
駆
(
か
)
け
出
(
だ
)
した
伝吉
(
でんきち
)
は、
提灯屋
(
ちょうちんや
)
の
角
(
かど
)
まで
来
(
く
)
ると、ふと
立停
(
たちどま
)
って
小首
(
こくび
)
を
傾
(
かし
)
げた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
按摩
(
あんま
)
巌
(
いは
)
の
前
(
まへ
)
にフト
留
(
と
)
まつて、
少時
(
しばらく
)
小首
(
こくび
)
を
傾
(
かたむ
)
けたが、すぐに
褌
(
ふんどし
)
へ
杖
(
つゑ
)
をさした。
手唾
(
てつば
)
をかけて、ヤ、
曳
(
えい
)
、と
圧
(
お
)
しはじめ、ヨイシヨ、アリヤ/\/\、ザブーンと
転
(
ころ
)
がす。
怪力
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
小首
(
こくび
)
をかたむけ、ひたいに手をあてて考えてみたり、れいの紙きれを見つめて、口の中で何かブツブツつぶやいたりしていましたが、とつぜん、「アッ、そうだ。」と
大金塊
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
そのうちに、彼の表情に、
困惑
(
こんわく
)
の色が浮んできた。
小首
(
こくび
)
をかしげると、
呻
(
うめ
)
くようなこえで
英本土上陸戦の前夜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
軒
(
のき
)
につり
忍艸
(
しのぶ
)
、これは
正太
(
しようた
)
が
午
(
うま
)
の
日
(
ひ
)
の
買物
(
かひもの
)
と
見
(
み
)
えぬ、
理由
(
わけ
)
しらぬ
人
(
ひと
)
は
小首
(
こくび
)
やかたぶけん。
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
前座敷の
間食卓
(
ビュッフェー
)
にかよふ足やうやう繁くなりたるをりしも、わが前をとほり過ぐるやうにして、
小首
(
こくび
)
かたぶけたる顔こなたへふり向け、なかば開けるまひ
扇
(
おうぎ
)
に
頤
(
おとがい
)
のわたりを持たせて
文づかひ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
乞ふに内にては
大聲
(
おほごゑ
)
あげどうれと云て立出る長庵を見るよりはやく千太郎是は/\
伯父樣
(
をぢさま
)
此間
(
このあひだ
)
は御出下され
段々
(
だん/\
)
の御世話忝けなし偖御約束の通り今日
參上
(
さんじやう
)
致せしと云ふに長庵
最
(
いと
)
不審
(
いぶか
)
しげに
小首
(
こくび
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
お千代は
小首
(
こくび
)
を
傾
(
かたむ
)
け、それから
瞼
(
まぶた
)
を軽く閉じ、指を折って年を数えた。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
と医者は
小首
(
こくび
)
を
傾
(
かし
)
げた。そして
葛根湯
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
と滿は
小首
(
こくび
)
を
傾
(
かし
)
げて云ふ。
帰つてから
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
『
然
(
しか
)
し
妙
(
めう
)
だぞ、
今月
(
こんげつ
)
の
航海表
(
かうかいへう
)
によると、
今頃
(
いまごろ
)
此
(
この
)
航路
(
かうろ
)
を
本船
(
ほんせん
)
の
後
(
あと
)
を
追
(
お
)
ふて
斯
(
か
)
く
進航
(
しんかう
)
して
來
(
く
)
る
船
(
ふね
)
は
無
(
な
)
い
筈
(
はづ
)
だが。』と
小首
(
こくび
)
を
傾
(
かたむ
)
けたが
忽
(
たちま
)
ちカラ/\と
笑
(
わら
)
つて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
ぶつぶつひとり
呟
(
つぶや
)
きながら、
小首
(
こくび
)
を
傾
(
かし
)
げて
歩
(
ある
)
いて
来
(
き
)
た
松
(
まつ
)
五
郎
(
ろう
)
は、いきなりぽんと一つ
肩
(
かた
)
をたたかれて、はッとした。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
しかしその
金高
(
きんだか
)
を申しますと、甚内は
小首
(
こくび
)
を傾けながら、今夜の内にはむずかしいが、三日も待てば調達しようと、
無造作
(
むぞうさ
)
に引き受けたのでございます。
報恩記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
無理
(
むり
)
に
堪
(
こら
)
へてうしろを
振返
(
ふりかへ
)
つて
見
(
み
)
ようといふ
元氣
(
げんき
)
もないが、むず/\するので
考
(
かんが
)
へるやうに、
小首
(
こくび
)
をふつて、
促
(
うなが
)
す
處
(
ところ
)
ある
如
(
ごと
)
く、はれぼつたい
眼
(
め
)
で、
巡査
(
じゆんさ
)
を
見上
(
みあ
)
げた。
迷子
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ウン、そうにきまっているさ。だが、その黒い影みたいなやつって、いったい何者だろうね。スパイにはちがいないんだけれど。」と、大野君が、
小首
(
こくび
)
をかしげました。
妖怪博士
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
遣はす
筋
(
すぢ
)
無
(
なけ
)
れど貴殿名差とあれば何用とも計れず兎角御逢めさる方
然
(
しか
)
るべし併し目の寄る所へ玉とか申し越前守は
大器量人
(
だいきりやうじん
)
なり
然
(
され
)
ば使者の平石とやらんも一
癖
(
くせ
)
あるべし貴殿應對は氣遣ひなりと
小首
(
こくび
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
後を見送ったサービス係は、
長大息
(
ちょうたいそく
)
と共に
小首
(
こくび
)
をかしげ
戦時旅行鞄:――金博士シリーズ・6――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
『たゞ
天命
(
てんめい
)
と、
大佐閣下
(
たいさかくか
)
とに、
吾等
(
われら
)
の
運命
(
うんめい
)
を
委
(
ゆだ
)
ぬるのみです。』と
答
(
こた
)
へると、
大佐
(
たいさ
)
は
暫時
(
しばし
)
小首
(
こくび
)
を
傾
(
かたむ
)
けたが
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
小林君は、
小首
(
こくび
)
をかしげました。あれがにせものだったとは、どうにも考えられないのです。
超人ニコラ
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
出し
待
(
まて
)
ども一度の
返事
(
へんじ
)
もなし
何處
(
どこ
)
に
何
(
ど
)
うして居なさるやらとても
逢
(
あは
)
れぬ者ならば
寧
(
いつ
)
そ死んだが
勝
(
まし
)
ならめと打しほれしが
顏
(
かほ
)
ふり
上
(
あげ
)
伯父樣
何
(
どう
)
ぞ三河町とやらへ
往
(
いつ
)
て樣子を尋ねて下されと
頼
(
たの
)
めば長庵
小首
(
こくび
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
八五
郎
(
ろう
)
は
得意
(
とくい
)
そうに
小首
(
こくび
)
をかしげて、
枝折戸
(
しおりど
)
の
方
(
ほう
)
を
指
(
ゆび
)
さした。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
検事は、しきりに
小首
(
こくび
)
をかしげている。
金属人間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
老爺
(
ぢゞい
)
は
小首
(
こくび
)
を
傾
(
かたむ
)
けた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
明智たんていのぶかが、
小首
(
こくび
)
をかしげて、いいました。
ふしぎな人
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
小
常用漢字
小1
部首:⼩
3画
首
常用漢字
小2
部首:⾸
9画
“小”で始まる語句
小
小児
小径
小鳥
小僧
小言
小路
小遣
小刀
小父