トップ
>
娘
>
こ
ふりがな文庫
“
娘
(
こ
)” の例文
「はいではありません。子供の癖に真夜中に起きて
家
(
うち
)
の中をノソノソ歩きまわるなんて……何て大胆な……恐ろしい
娘
(
こ
)
でしょう……」
継子
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
江漢老人と五百之進とは、心と心をゆるし合った
莫逆
(
ばくぎゃく
)
の友。その子と
娘
(
こ
)
とは、おさない頃から親の目にもわかっていた初恋の仲——。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「御方便なものだな——その鑄掛屋も、あの
娘
(
こ
)
に氣があつて御浪人のところへ
繁々
(
しげ/\
)
通ふのだらう。聾に道話なんざ
洒落
(
しやれ
)
にもならねえ」
銭形平次捕物控:214 鼬小僧の正体
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
えゝお茶を上げな……あなたにも此の
娘
(
こ
)
が
度々
(
たび/\
)
御贔屓で呼んでおくれなすった事も有りますが、
明後日
(
あさって
)
から美代吉は
宅
(
うち
)
にいませんよ
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ちやうどその時、チェレヸークが戸口へ近よつたが、わが
娘
(
こ
)
が鏡を覗きながら、しきりに踊つてゐるのを見て、その場に足を停めた。
ディカーニカ近郷夜話 前篇:03 ソロチンツイの定期市
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
▼ もっと見る
どうも節ちゃんの様子がおかしいぞなし、あの
娘
(
こ
)
に
訊
(
き
)
いても泣いてばかりいるが、どうもこれは
只
(
ただ
)
ではない、
貴方
(
あなた
)
がまた
下手
(
へた
)
なことを
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
夜もすがら枕近くにありて
悄然
(
しよんぼり
)
とせし
老人
(
としより
)
二人の
面
(
おも
)
やう、
何処
(
どこ
)
やら寝顔に似た処のあるやうなるは、この
娘
(
こ
)
のもしも父母にては無きか
うつせみ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そやさかいにな、兎に角こゝのとこはあの
娘
(
こ
)
の気持済むやうに、一遍すうツと品子の方へ遣つてしまひイな。そないしといて、えゝ折を
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
しまいには金の無心ばかりでなく、彼は新兵衛の貰い
娘
(
こ
)
のお照の美しいのを見て、飛んでもない無心までも云い出すようになった。
半七捕物帳:19 お照の父
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
四人のうちの一人は一番年下なので若い
娘
(
こ
)
と呼ばれてい、そのうちの一人は
年増
(
としま
)
と呼ばれていた。その年増は二十三になっていた。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
あの
娘
(
こ
)
がおとなしいもんだから、それを見込んでこしらえたんだな? お前はそれを当てにしたんだろう? ところがね、おまえさん
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
「あ、あの
娘
(
こ
)
は……? あたし、あの娘を覚えてるわ……あの、黒いベルベットのスカートをした……あら、こつちを向いて笑つてるわ」
虹色の幻想(シナリオ)
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
これも百姓の娘できだてのいい
娘
(
こ
)
だ。国への音信に、「隣りが武藤大将様のお
邸
(
やしき
)
で、お葬式はお祭よりもにぎやかでありました」
落合町山川記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
よそいきにはもとより、常の時でも、着物なら子振りなら、自分の
娘
(
こ
)
に追ひ付くものがないのみか、足元へ寄りつくものもない。
兵隊の宿
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
加之
(
それに
)
顔立
(
かほだち
)
なり姿なり品の好い
娘
(
こ
)
であツたから、
設
(
よし
)
や紫の色が洗ひざれてはげちよろけて來ても、さして
貧乏
(
びんぼん
)
くさくならなかつた。
昔の女
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
(もう、あのお
娘
(
こ
)
も、
円髷
(
まるまげ
)
に結われたそうな。実は、)とこれから帳場へも、つい
出入
(
でいり
)
のものへも知れ渡りましたでござります。
怨霊借用
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それに気質もごく優しい
娘
(
こ
)
ですから、どの様な事情がありましても、三千子をどうかするなんてことがあろうはずはございません
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「あの子はこっちへ来ていたのか知ら。来ていたんなら、わたしのところへ
面
(
かお
)
を出しそうなもの。薄情な
娘
(
こ
)
。何をしていました」
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
が、この
娘
(
こ
)
としてはそうした
方便
(
ほうべん
)
の
必要
(
ひつよう
)
は
毛頭
(
もうとう
)
なく、もともと
純潔
(
じゅんけつ
)
な
小供
(
こども
)
の
修行
(
しゅぎょう
)
には、
最初
(
さいしょ
)
から
幽界
(
ゆうかい
)
の
現実
(
げんじつ
)
に
目覚
(
めざ
)
めさせるに
限
(
かぎ
)
るのじゃ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
いつも、おどけたことを言っては人を笑わせてばかりいるので、近所では「お寿女ちゃんは面白い
娘
(
こ
)
だ」と評判になっていた。
痀女抄録
(新字新仮名)
/
矢田津世子
(著)
「ごらんじゃい、まあ! あんまり乱暴におはなし遊ばすので、このお
娘
(
こ
)
が、はは様のお顔を、びっくりしてごろうじる——」
旧聞日本橋:24 鬼眼鏡と鉄屑ぶとり(続旧聞日本橋・その三)
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「貴様ひとりで、勝手にさっさっとうせえ。内の
娘
(
こ
)
はそんなところへ出て往く用はない」といって、またいつもの悪態を
吐
(
つ
)
く。
霜凍る宵
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
「何の御用か存じませんが、なぜうちへいらっしゃらずに、あんな
娘
(
こ
)
を使いによこして呼び出したりなさるのでございますか」
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
そして、その
娘
(
こ
)
が
退
(
さ
)
がると、彼女は
微笑
(
ほゝえ
)
みながら云つた。「いゝあんばいに、今度だけは、足りない分を私の手で都合がつけられるのよ。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
ああ、乳母は何と思うだろう‥‥またエゴールにしても‥‥それから可愛いリーゾチカも! あの
娘
(
こ
)
はもうものが分るのだ。
クロイツェル・ソナタ:01 クロイツェル・ソナタ
(新字新仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
男の子は相手を「おれの
娘
(
こ
)
」とよび女の子は「あたいの好い人」とよび、友達に冷やかされてぽうっと赫くなってうつむくのが嬉しいのだった。
妖婦
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
すると、この
娘
(
こ
)
の絵に何か
見処
(
みどころ
)
があったか、
物数寄
(
ものずき
)
の人がその絵を買って下すったり、またその絵が入賞したりしました。
幕末維新懐古談:72 総領の娘を亡くした頃のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
「おい、今井の姉娘が上京したそうだよ。鏡花さんの宅からとしてあるが、
彼
(
あ
)
の
娘
(
こ
)
もいろいろと苦労をしているのだ、ね」
友人一家の死
(新字新仮名)
/
松崎天民
(著)
「困つたことになりました、ねえ」と、母は娘の方へふり向いて、「この
娘
(
こ
)
もあんまりわさ/\して、落ち付かないからいけないのですが——」
泡鳴五部作:02 毒薬を飲む女
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
到底
(
どうせ
)
貰
(
もら
)
う事なら親類
某
(
なにがし
)
の次女お
何
(
なに
)
どのは
内端
(
うちば
)
で
温順
(
おとなし
)
く器量も十人
并
(
なみ
)
で私には至極
機
(
き
)
に入ッたが、この
娘
(
こ
)
を迎えて
妻
(
さい
)
としては
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「ああ、あの
娘
(
こ
)
、あの娘は駄目なの。あなたはまだあの娘の出ている所も御存知ないの。
四川路
(
しせんろ
)
の十三番八号の皆川よ。」
上海
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
「メイちやんが、よろしくですつてさ。こゝで一番たんまりと儲け込んで、鬼のゐない留守に、あの
娘
(
こ
)
とゆるゆる……」
バラルダ物語
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
犬神の
娘
(
こ
)
が猛然と、大切な餌のご上人様を奪い、つれ出そうとする望東尼様に向かって、躍りかかろうといたしました。
犬神娘
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
朱
(
しゆ
)
の色の
薔薇
(
ばら
)
の花、
羊
(
ひつじ
)
守
(
も
)
る
娘
(
こ
)
が、戀に惱んで
畠
(
はたけ
)
に
眠
(
ね
)
てゐる姿、
羊牧
(
ひつじかひ
)
はゆきずりに匂を吸ふ、
山羊
(
やぎ
)
はおまへに
觸
(
さは
)
つてゆく、
僞善
(
ぎぜん
)
の花よ、
無言
(
むごん
)
の花よ。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
実の親子と同様な気持でいたらしく、いまにあの
娘
(
こ
)
と家を持つのだと、それが理想でもあり目的でもあるらしかった。
死の前後
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
度胸のよい
娘
(
こ
)
で、さっさと読んでみせたら、その先生が感心して「お前はえらい。シェクスピアを完全に理解していることが、その読み方から分る」
娘の結婚
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
「あの
娘
(
こ
)
には、どんなに教えたって物を手取早くするということが解らないんだから——エーゴルの姪に違いないわ」
街
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
「そんなことはないけど、写真で見るよりかもう少し品があって、口数の少ないオットリした、それはいい
娘
(
こ
)
ですよ」
深川女房
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
いじったり、隠れて紅や
白粉
(
おしろい
)
を付けたりするんですけれど、この
娘
(
こ
)
はもう叱るように云っても化粧などはしませんの、ですから肌だってもう荒れ放題で
はたし状
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「こんなことは、俺が言わなくたって……松三はなんと思うか知らねえが。俺は、百姓の
娘
(
こ
)
がこんなごっては……」
緑の芽
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
わが
娘
(
こ
)
を嫁にやる時、門出に流す母親の涙は
嬉
(
うれ
)
しい涙ではありましょうが、それはまた悲しみの涙でもあるのです。
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
「その
娘
(
こ
)
は、今、東京の方へ行ってます。この村からは、紡績へ出る娘がずいぶん多いですが、わしの
娘
(
こ
)
は、五年の年期で、売り飛ばしてしまったです」
飢餓地帯を歩く:――東北農村惨状報告書――
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
「葭町へ出るのか。そいつア
豪儀
(
ごうぎ
)
だ。子供の時からちょいと口のききようのませた、
好
(
い
)
い
娘
(
こ
)
だったよ。今夜にでも遊びに来りゃアいいに。ねえ、お豊。」
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
唖娘はたいへんほかの
娘
(
こ
)
よりも、たくさん涙をもつてゐました、そしてほかの娘よりもたくさん泣いたのでした。
小熊秀雄全集-14:童話集
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
翌朝、「
飛鳥
(
あすか
)
」の仕込みの
娘
(
こ
)
が、森新之助の手紙を持って来た。仲直りの日取り通知状である。金五郎をはじめ、小方連中は、仕事に出て、留守だった。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
その頃大殿樣の御邸には、十五になる良秀の一人娘が、
小女房
(
こねうぼう
)
に上つて居りましたが、これは又生みの親には似もつかない、愛嬌のある
娘
(
こ
)
でございました。
地獄変
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
小学校の同僚もなんぞと言えばどこの
娘
(
こ
)
は
別嬪
(
べっぴん
)
だとか、あの娘にはもう色があるとか、そんな
噂
(
うわさ
)
をするのは平気で、全くそれが一ツの楽しみなのですから
女難
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
僕はやがて自分の寝床へかえったが、枕につくと同時に、或る恐ろしい考えが浮んで来ました。あの
娘
(
こ
)
も僕と同じ結核だ。てっきりそれに違いないと思いました
誤診
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
「そう言っちゃ、またあんまりだがね」——バルドウ夫人は言う——「これの言うことはあてになりませんけれどね、まあ、これで、しんは
好
(
い
)
い
娘
(
こ
)
なんですよ」
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
この
娘
(
こ
)
は、この頃、ずつと一人で苦しんでゐたのだわ。何か云ひたさうに、いつも大きい眼でじつと私を
ふるさとびと
(旧字旧仮名)
/
堀辰雄
(著)
“娘”の意味
《名詞》
(むすめ)若い女性。
(むすめ)子供のうち、女性であるもの。
(こ)若い女性。
(出典:Wiktionary)
“娘”の解説
娘(むすめ、こ)とは、女性の子供、即ち本人の1親等直系卑属のうち女性である者である。対義語は息子または母。
実子または養子(養女)の場合がある。また配偶者の連れ子の女性も一般に娘と呼ぶ。他人の娘を指して息女と呼ぶことがある。
息子の妻を義理の娘ともいう。
(出典:Wikipedia)
娘
常用漢字
中学
部首:⼥
10画
“娘”を含む語句
娘子
小娘
此娘
娘子軍
繼娘
田舎娘
継娘
妹娘
娘盛
姑娘
娘々
田舍娘
娘様
父娘
母娘
生娘
愛娘
娘御
一人娘
彼娘
...