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ぼっ
ふりがな文庫
“
坊
(
ぼっ
)” の例文
娘
(
むすめ
)
が、
毎日
(
まいにち
)
、
学校
(
がっこう
)
で、きつね、きつねといわれますそうで、
学校
(
がっこう
)
へゆくのをいやがって
困
(
こま
)
りますが、どうかお
坊
(
ぼっ
)
ちゃんにお
願
(
ねが
)
いして
青いボタン
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
さあ
坊
(
ぼっ
)
ちゃん。きっとこいつは
談
(
はな
)
します。早く
涙
(
なみだ
)
をおふきなさい。まるで顔中ぐじゃぐじゃだ。そらええああすっかりさっぱりした。
黄いろのトマト
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
老僕が何やらぼそぼそ言うと、——「ええ?……
誰
(
だれ
)
か来たって?」と、
訊
(
き
)
き返して、「となりの
坊
(
ぼっ
)
ちゃんかい? じゃ、お通しおし」
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
たとえば三毛が昔かたぎの若い母親で、玉が
田舎出
(
いなかで
)
の書生だとすれば、ちびには都会の山の手の
坊
(
ぼっ
)
ちゃんのようなところがあった。
子猫
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
万事を葉子の肩になげかけてそれが当然な事でもあるような鈍感なお
坊
(
ぼっ
)
ちゃんじみた生活のしかたが葉子の鋭い神経をいらいらさせ出した。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
▼ もっと見る
クリストフは
疑懼
(
ぎく
)
しなかった。彼女にたいしてごく懇切であり、あまりに懇切すぎた。大きな
坊
(
ぼっ
)
ちゃんとして甘ったれていた。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
「
千菊
(
せんぎく
)
さま、
坊
(
ぼっ
)
っちゃまにも お
母
(
かあ
)
さまが あります。けれども、いまは とおいとおい ところに いらっしゃるので、とても あえません。」
一休さん
(新字新仮名)
/
五十公野清一
(著)
いちばん下の
坊
(
ぼっ
)
ちゃんが、わしのしゃぶってた骨をけとばしたもんだから、それで、その足にかみついてやったんだ。
雪だるま
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
私が松山へ行ったのは数年前『
坊
(
ぼっ
)
ちゃん』を読んだ事がありましたため、その跡を尋ねに松山へ行きたいという心が自然にその年の春浮んで来たのです。
漱石氏と私
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
しかしその割に彼女や
辰子
(
たつこ
)
の家庭の事情などには沈黙していた。それは必ずしも最初から相手を
坊
(
ぼっ
)
ちゃんと
見縊
(
みくび
)
った上の
打算
(
ださん
)
ではないのに違いなかった。
春
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「
坊
(
ぼっ
)
ちやん、
緩
(
ゆっく
)
り遊んでやつて下さい。直ぐ寝つちまつちやあ
不可
(
いけ
)
ませんよ、
何
(
ど
)
うも御苦労様なことツたら、」
処方秘箋
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
十九歳を
頭
(
かしら
)
に
令嬢
(
れいじょう
)
が四人、女中が十八人、事務員が二人の全く女ばかりの大世帯で、男と云えば風呂
焚
(
た
)
きの
爺
(
じい
)
さんと末の
坊
(
ぼっ
)
ちゃんだけだと云う事であった。
魚の序文
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
「
坊
(
ぼっ
)
ちゃま、雨がこんなに降っておりますから帰りましょう、お召物がこんなに濡れてしまいました」
大菩薩峠:12 伯耆の安綱の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ルピックさんの
坊
(
ぼっ
)
ちゃんたちとお嬢さんが、休暇で帰って来る。乗合馬車から
降
(
お
)
り、遠くのほうに両親の姿が見えると、にんじんは、「さてどうしたものか」と思う。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
なぜなら、文六ちゃんは樽屋の清六さんの一人きりの大事な
坊
(
ぼっ
)
ちゃんで、甘えん坊だからです。
狐
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
坊
(
ぼっ
)
ちゃんという事じゃないですか、と正直に答えようと思いましたが、また反感を買ってもと思い、「知りません」と
些
(
いささ
)
かくすぐつたい返事をすると、横から、東海さんが、大声で
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
「しかし私ゃこれでも貴方の
坊
(
ぼっ
)
ちゃん坊ちゃんていわれた昔をまだ覚えていますよ」
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
坊
(
ぼっ
)
ちゃん、何かご用でございますか。私は、その指輪の
家来
(
けらい
)
でございます。ですから、その指輪をはめていらっしゃる方のおっしゃる通りに、しなければならないのでございます。」
アラビヤンナイト:01 一、アラジンとふしぎなランプ
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「でも、直さんのほうが、たちが悪いよ。あんなお
坊
(
ぼっ
)
ちゃんくずれは、……」
斜陽
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「さ、
坊
(
ぼっ
)
ちゃん、つかまえてますから、あがってらっしゃい」
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
「
坊
(
ぼっ
)
ちゃん、坊ちゃん、お見えになりますか。」
生と死との記録
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
そのうちに、
坊
(
ぼっ
)
ちゃんが
生
(
う
)
まれました。
坊
(
ぼっ
)
ちゃんが三つのとき、なにかのはずみにあやまって、
私
(
わたし
)
の
角
(
かど
)
で
頭
(
あたま
)
をお
打
(
う
)
ちになったのです。
春さきの古物店
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「何をぼんやり立ってるの? 皆
さん
(
メシュー
)
、
御紹介
(
ごしょうかい
)
いたしますわ。この方はムッシュー・ヴォルデマール、お
隣
(
となり
)
の
坊
(
ぼっ
)
ちゃんです。それからこちらは」
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
笑い、快活に話をし、気兼ねも遠慮もなく、善良なお
坊
(
ぼっ
)
ちゃんとなりお友だちとなることを、いっそう好んでいた。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
ジョバンニは
坊
(
ぼっ
)
ちゃんといわれたので、すこししゃくにさわってだまっていましたが、カムパネルラは
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
オノリイヌ——にんじん
坊
(
ぼっ
)
ちゃん、わしの鍋は、どこへ行ったか知りなさらんか?
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
いや、何とでも
仰
(
おっ
)
しゃるがよい。が、
理窟
(
りくつ
)
じゃありません。世の中のことは、お
坊
(
ぼっ
)
ちゃんの理想
通
(
どおり
)
に行くものではありません。
貴君
(
あなた
)
にも金の力がどんなに恐ろしいかが、お判りになるときが来ますよ。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
(お
坊
(
ぼっ
)
ちゃま、お坊ちゃま、)
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
坊
(
ぼっ
)
ちゃま」
大菩薩峠:12 伯耆の安綱の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
私
(
わたし
)
は、
坊
(
ぼっ
)
ちゃんに、
私
(
わたし
)
の
持
(
も
)
っているような
目
(
め
)
と、
私
(
わたし
)
の
胸
(
むね
)
に
宿
(
やど
)
っているような
魂
(
たましい
)
を
分
(
わ
)
けてあげますように、
神
(
かみ
)
さまにお
願
(
ねが
)
いしましょう。
はてしなき世界
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「あんた馬なんか連れてこんな所で、何してるんですね、ええ、
坊
(
ぼっ
)
ちゃん? およこしなさい、持っていてあげるから」
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
「
坊
(
ぼっ
)
ちゃん、お前たちゃ、まさかお
父
(
とっ
)
つぁんを撃ったんじゃあるめえな」
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
「フランス人は善良なお
坊
(
ぼっ
)
ちゃんばかりだ。あまり鋭利ではない。」
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
「さあ、
向
(
む
)
こうの
坊
(
ぼっ
)
ちゃんがた。いかがですか。おとりください」
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
坊
(
ぼっ
)
ちゃん、
私
(
わたし
)
は、こうして、
諸国
(
しょこく
)
を
流浪
(
るろう
)
します。それは、どんな
村
(
むら
)
でも、また
小
(
ちい
)
さな
町
(
まち
)
でも、
春
(
はる
)
から
夏
(
なつ
)
にかけて、
歩
(
ある
)
いてまわります。
青いボタン
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「さあ、向うの
坊
(
ぼっ
)
ちゃんがた。いかがですか。おとり下さい。」
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「
坊
(
ぼっ
)
ちゃんのお
母
(
かあ
)
さんは、
遠
(
とお
)
いところへいってしまわれたのですよ。」と、
哀
(
あわ
)
れな
子供
(
こども
)
に、
説
(
と
)
いて
聞
(
き
)
かせなければならなかったのです。
遠方の母
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「おお、いいお
月
(
つき
)
さまだこと。
坊
(
ぼっ
)
ちゃんのお
母
(
かあ
)
さんは、あの
中
(
なか
)
に、おいでなさるのですよ。」と、
彼女
(
かのじょ
)
は
月
(
つき
)
を
指
(
ゆび
)
さしながらいいました。
遠方の母
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「
坊
(
ぼっ
)
ちゃん、
達者
(
たっしゃ
)
でしたら、また、まいりますよ。」と、おじいさんは、
答
(
こた
)
えました。けれどかならずくるとはいいませんでした。
金魚売り
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「まあ、
坊
(
ぼっ
)
ちゃん、お
一人
(
ひとり
)
で、えらいですこと。」と、お
菓子屋
(
かしや
)
のおばさんは、ほめて、お
菓子
(
かし
)
をふろしきに
包
(
つつ
)
んでくれました。
小さな年ちゃん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ある
日
(
ひ
)
のこと、おさくが、
廊下
(
ろうか
)
のそうじをしていると、
坊
(
ぼっ
)
ちゃんのほうの
室
(
しつ
)
で、
電球
(
でんきゅう
)
の
破裂
(
はれつ
)
したときのような、すさまじい
音
(
おと
)
がしました。
おさくの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
おしずは、さっきまで、
家
(
うち
)
の
前
(
まえ
)
に、
子供
(
こども
)
たちと
遊
(
あそ
)
んでいた
坊
(
ぼっ
)
ちゃんが
見
(
み
)
えなくなったので、どこへいったのだろうと
探
(
さが
)
しました。
愛は不思議なもの
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「おまえが、ほんとうに、
坊
(
ぼっ
)
ちゃんたちに、ばかだなんて、
失礼
(
しつれい
)
なことをいったなら、
悪
(
わる
)
かったといって、おあやまりなさい。」
おさくの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それに、
坊
(
ぼっ
)
ちゃんの
大事
(
だいじ
)
な
帽子
(
ぼうし
)
をよごしたり、いためたりしては、わるいと
思
(
おも
)
ったので、
遠慮
(
えんりょ
)
するように
見
(
み
)
えたのであります。
頭をはなれた帽子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
坊
(
ぼっ
)
ちゃん、
昼間
(
ひるま
)
は、なんで
逃
(
に
)
げ
出
(
だ
)
してしまったのです。あなたは、あんなに
切
(
き
)
れるナイフを
持
(
も
)
っておいでなさるくせに……。
脊の低いとがった男
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「おそくなるから
出
(
で
)
かけますよ。
坊
(
ぼっ
)
ちゃんのごしんせつをありがたく
思
(
おも
)
います。
旅人
(
たびびと
)
より。」と
書
(
か
)
いて、
石
(
いし
)
の
上
(
うえ
)
にのこして、
男
(
おとこ
)
は
去
(
さ
)
りました。
その日から正直になった話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「なにしろ
珍
(
めずら
)
しいもんでさあ。
坊
(
ぼっ
)
ちゃんたちは、かにや、かめの
子
(
こ
)
には、
飽
(
あ
)
きましてね。」と、おじいさんはいったのです。
真昼のお化け
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「
坊
(
ぼっ
)
ちゃん、ありがとうございます。
弟
(
おとうと
)
は、どんなに
喜
(
よろこ
)
ぶかしれません。」と、ねえやは、
目
(
め
)
をうるませて、いいました。
おかめどんぐり
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
お
花
(
はな
)
が、
上野駅
(
うえのえき
)
へ
着
(
つ
)
いたときに、
彼女
(
かのじょ
)
が
心配
(
しんぱい
)
したほどのこともなく、すぐに、
出迎
(
でむか
)
えにきていた
奥
(
おく
)
さまや、
坊
(
ぼっ
)
ちゃんたちの
目
(
め
)
にとまったのです。
赤いえり巻き
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「さあ、
坊
(
ぼっ
)
ちゃん、
私
(
わたし
)
に、おんぶしましょう。ねえやは、
坊
(
ぼっ
)
ちゃんをおんぶして、どっかへいって、しまいましょうか。」
愛は不思議なもの
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
坊
常用漢字
中学
部首:⼟
7画
“坊”を含む語句
御坊
坊様
坊主
坊々
吝嗇坊
坊主頭
赤坊
正覚坊
願人坊主
宿坊
御坊様
坊舎
泥坊
見栄坊
坊間
小坊主
盗坊
乞食坊主
海坊主
正坊
...