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南無三
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なむさん
ふりがな文庫
“
南無三
(
なむさん
)” の例文
彌
(
いや
)
が
上
(
うへ
)
に、
淺葱
(
あさぎ
)
の
襟
(
えり
)
を
引合
(
ひきあ
)
はせて、
恍惚
(
うつとり
)
と
成
(
な
)
つて、
其
(
そ
)
の
簾
(
すだれ
)
を
開
(
あ
)
けて、キレー
水
(
すゐ
)
のタラ/\と
光
(
ひか
)
る
君
(
きみ
)
、
顏
(
かほ
)
を
中
(
なか
)
へ
入
(
い
)
れると、
南無三
(
なむさん
)
。
麦搗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
南無三
(
なむさん
)
——とあなたを見れば、火の手を見た城下の旗本たちが、
闇
(
やみ
)
をついて、これまた城の大手へ刻々に殺到するけはいである。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
南無三
(
なむさん
)
! みつかったか? と、もうわたくしは、魂も身にそいませんでふるえておりましたが、ありがたいことにはもうひとりの黒装束が
亡霊怪猫屋敷
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
如何なる事と心驚きながら父は
倉皇
(
そうこう
)
出で行きたるに、
南無三
(
なむさん
)
内の客人が御国法を犯し外国船に乗り込まんとして成らず自首したりとの事にて
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
わたしは、そろそろ
腰
(
こし
)
を落して、足音に向って身構えた。……男の姿が現われた。……
南無三
(
なむさん
)
! それはわたしの父だった。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
▼ もっと見る
「
南無三
(
なむさん
)
、
罠
(
わな
)
にてありけるか。
鈍
(
おぞ
)
くも
釣
(
つ
)
られし
口惜
(
くちお
)
しさよ。さばれ
人間
(
ひと
)
の来らぬ間に、
逃
(
のが
)
るるまでは逃れて見ん」ト。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
カピ長
南無三
(
なむさん
)
、やりをるわい。おもしろい
下司野郎
(
げすやらう
)
め!
何
(
なん
)
ぢゃ、
薪
(
まき
)
を
見
(
み
)
る
眼
(
め
)
ぢゃ?
乃公
(
おれ
)
ゃまた
薪目
(
まきめ
)
くらかと
思
(
おも
)
うた。……はれやれ、
夜
(
よ
)
が
明
(
あ
)
けたわ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
なして其夜の
事共
(
ことども
)
一々白状に及びたり
扨
(
さて
)
又
(
また
)
本郷の甲州屋仁左衞門は本町の肥前屋小兵衞が
召捕
(
めしとら
)
れし事を聞ける故
南無三
(
なむさん
)
と思ひしが
熟々
(
つく/″\
)
工夫
(
くふう
)
をなすに所詮我此所を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
めりめりひやりと鳴る音にそりゃ地震よ雷よ、世直し桑原桑原と、我先にと逃げ様に
水桶
(
みずおけ
)
盥
(
たらい
)
僵掛
(
こけかか
)
り、座敷も庭も水だらけになるほどに、
南無三
(
なむさん
)
津浪が打って来るは
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
南無三
(
なむさん
)
! と覚悟を決めたとき、足は、
懐中
(
ふところ
)
の小判を越えて、はうように
咽喉
(
のど
)
から
顎
(
あご
)
へ——。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
南無三
(
なむさん
)
! 鼻はくっつかないのだ!……彼はそれを口許へ持って行って、自分の息でちょっと暖めてから、ふたたび、頬と頬との中間の、つるつるしたところへ当てがった、が
鼻
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
「
南無三
(
なむさん
)
。」と
私
(
わたくし
)
は
逡巡
(
しりごみ
)
した。
多
(
おほく
)
の
白晢
(
はくせき
)
人種
(
じんしゆ
)
の
間
(
あひだ
)
に
人種
(
じんしゆ
)
の
異
(
ちが
)
つた
吾等
(
われら
)
は
不運
(
ふうん
)
にも
彼等
(
かれら
)
の
眼
(
め
)
に
留
(
とま
)
つたのである。
私
(
わたくし
)
は
元來
(
ぐわんらい
)
無風流
(
ぶふうりう
)
極
(
きは
)
まる
男
(
をとこ
)
なので
此
(
この
)
不意打
(
ふいうち
)
にはほと/\
閉口
(
へいこう
)
せざるを
得
(
え
)
ない。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
と目を
遣
(
や
)
ると、片蔭に洋服の長い姿、貧乏町の
埃
(
ほこり
)
が懸るといったように、
四辺
(
あたり
)
を払って島野が
彳
(
たたず
)
む。
南無三
(
なむさん
)
悪い奴と婆さんは察したから
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
南無三
(
なむさん
)
」と、思ったが、あわてて引っ返してはかえって怪しまれる。肚をすえて、そのまま行き過ぎようとした。
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
南無三
(
なむさん
)
してやられしと思ひしかども今更追ふても及びもせずと、雉子を咬へて
磚𤗼
(
ついじ
)
をば、越え行く猫の後姿、打ち見やりつつ
茫然
(
ぼうぜん
)
と、噬み合ふ
嘴
(
くち
)
も
開
(
あ
)
いたままなり。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
魚のえらを離しさまに手の小指を少し
怪我
(
けが
)
しけるが痛みは苦にせねど何がな
口合
(
くちあい
)
がいいたさに
南無三
(
なむさん
)
、手を鯛のえらでいわしたア痛い、これはえらいたい、さてもえらい鯛じゃといったが
十二支考:10 猪に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
『しまつたツ。』と
一聲
(
いつせい
)
、
私
(
わたくし
)
も、
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
も、
水兵
(
すいへい
)
も
稻妻
(
いなづま
)
も、
一度
(
いちど
)
にドツと
前
(
まへ
)
の
方
(
ほう
)
へ
打倒
(
うちたを
)
れて、
運轉臺
(
うんてんだい
)
から
眞逆
(
まつさかさま
)
に
跳
(
は
)
ね
落
(
おと
)
された
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
が『
南無三
(
なむさん
)
、
大變
(
たいへん
)
!。』と
叫
(
さけ
)
んで
飛起
(
とびお
)
きた
時
(
とき
)
は、
無殘
(
むざん
)
や
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「こりゃアいけねえ……
南無三
(
なむさん
)
」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
南無三
(
なむさん
)
膝を
立直
(
たてなほ
)
し、立ちもやらず坐りも果てで、
魂
(
たましひ
)
宙に浮く
処
(
ところ
)
に、沈んで聞こゆる婦人の声、「
山田
(
やまだ
)
山田」と我が名を呼ぶ、
哬呀
(
あなや
)
と
頭
(
かうべ
)
を
掉傾
(
ふりかたむ
)
け
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
十人以上な
喊声
(
かんせい
)
だ。ピューッ、ピューッと指笛を鳴らしてくる。気づかれたのだ、
南無三
(
なむさん
)
である。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
官吏始めて心着き、
南無三
(
なむさん
)
失策
(
しくじ
)
ったりと思えども、慈善のための売買なれば、剰銭を返せと
謂
(
い
)
い難く、「こりゃ
体
(
てい
)
のいい
強奪
(
ぶったくり
)
だ。」と泣寝入に
引退
(
ひきさが
)
りぬ。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
南無三
(
なむさん
)
、
呼子
(
よびこ
)
をふいた部将が
抜刀
(
ばっとう
)
をさげて、あっちこっちの
岩穴
(
いわあな
)
をのぞきまわっている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
入
(
い
)
らつしやいまし、と
四十恰好
(
しじふかつかう
)
の、
人柄
(
ひとがら
)
なる
女房
(
にようばう
)
奧
(
おく
)
より
出
(
い
)
で、
坐
(
ざ
)
して
慇懃
(
いんぎん
)
に
挨拶
(
あいさつ
)
する。
南無三
(
なむさん
)
聞
(
きこ
)
えたかとぎよつとする。
爰
(
こゝ
)
に
於
(
おい
)
てか
北八
(
きたはち
)
大膽
(
だいたん
)
に、おかみさん
彼
(
あ
)
の
茶棚
(
ちやだな
)
はいくら。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
南無三
(
なむさん
)
、こいつは、いけねえ。めずらしく
手強
(
てごわ
)
いらしいぞ」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
左右を
眗
(
みまわ
)
して、叱りもしない、滝太郎の涼しやかな目は極めて優しく、
口許
(
くちもと
)
にも
愛嬌
(
あいきょう
)
があって、柔和な、大人しやかな、気高い、
可懐
(
なつか
)
しいものであったから、
南無三
(
なむさん
)
仕損じたか
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「あっ。
南無三
(
なむさん
)
」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と爪立てしてひょい、「
南無三
(
なむさん
)
、踏んだ。」と渋面造って
退
(
すさ
)
る顔へ何やらん
冷
(
ひや
)
りとする。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「あ、」と不意に
呼吸
(
いき
)
を引いた。濡れしおたれた黒髪に、玉のつらなる
雫
(
しずく
)
をかくれば、
南無三
(
なむさん
)
浪に
攫
(
さら
)
わるる、と
背
(
せな
)
を抱くのに身を
恁
(
もた
)
せて、観念した
顔
(
かんばせ
)
の、気高きまでに
莞爾
(
にっこ
)
として
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「男の声かな、ええ、それは大変。生血を吸われる
夥間
(
おなかま
)
らしい、
南無三
(
なむさん
)
、そこで?」
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
かっと
逆上
(
のぼ
)
せて、
堪
(
たま
)
らずぬっくり
突立
(
つッた
)
ったが、
南無三
(
なむさん
)
物音が、とぎょッとした。
伊勢之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
南
常用漢字
小2
部首:⼗
9画
無
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
三
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
“南無三”で始まる語句
南無三宝
南無三寶