つるぎ)” の例文
新字:
これは支那しなの『』といふ武器ぶきおなじように、つるぎかしらつか直角ちよつかくよこにくっつけて使つかつたものとおもはれるのであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
岩石がんせきつるぎのやうに削立つゝたつて荒磯あらいそへんだのを、兵曹へいそう元氣げんきまかせて引廻ひきまはされたので、ひどつかれてしまつた。
あだか相撲すまふのとき、土俵どひよう中央ちゆうおうからずる/\とされた力士りきしが、つるぎみねこらへる場合ばあひのようである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
何事なにごとぢゃこの血汐ちしほは、これ、この廟舍たまや入口いりくちいしめたこの血汐ちしほは? ぬしもないこのつるぎは? 此樣このやう平和へいわ場所ばしょまぶれにしててゝあるは、こりゃなんとしたことであらう?
が、そばへもせぬ下働したばたらきをとこなれば、つるぎ此處こゝにありながら、ことともぞんぜなんだ。……成程なるほどべ、と給仕きふじつて、鸚鵡あうむこれへ、といそいでぢやうに、で、こしもとたせたのよ。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
地上の男子よく聞き給へ——何事ぞかたみつるぎぎ給ふは——
(旧字旧仮名) / アダ・ネグリ(著)
懸けし鋭きおほいなる、つるぎを颯と拔きかざし
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
たゝかふためにうまれてははねつるぎの老鷲の
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
自主じしゆ」のつるぎ右手めてに持ち
雲は天才である (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
つるぎに倚りて、まなじり裂けば
従軍行 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
おぎろなしみつるぎ太刀たち
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
龍頭りゆうづりたるつるぎ太刀だち
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
嫉妬の黒い鋼鐵はがねつるぎ
展望 (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
いはたかつるぎゑて
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
日本につぽん最初さいしよつくられた銅器どうきまへよりははゞひろどうつるぎほこるいでありまして、そのひとつはくりすがたといふつるぎで、このつるぎはつばにあたるところがなゝめにまがつてゐます。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
先刻せんこくより御覽ごらんれた、これなるつるぎ、と哥太寛こたいくわんつたのが、——卓子テエブルうへいた、蝋塗らふぬり鮫鞘卷さめざやまき縁頭ふちがしら目貫めぬきそろつて、金銀造きんぎんづくりの脇差わきざしなんです——日本につぽんつるぎ一所いつしよ
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
アートレ,デース、おほいなるつるぎの鞘の傍に
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
げに白髮しらかみのものゝふのつるぎの霜を拂ふごと
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
かういふふうなつくりのつるぎは、支那しなにも朝鮮ちようせんにもつかりませんので、まづ日本につぽんはじめて出來できたものだらうとおもはれます。そのぎに環頭かんとうつるぎといふのがあります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
誰方どなたもしばらく。……あゝ、野山のやまえ、かはわたり、つるぎした往來わうらいした。が、うまれて以來このかた今日けふ今日けふほど、ひとなさけみたことおぼえません。」と、こゑ途絶とだえて、チリ/\とりんつた。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あるは太刀たちつるぎ執り
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)