“内々:ないない” の例文
“内々:ないない”を含む作品の著者(上位)作品数
泉鏡花6
島崎藤村3
芥川竜之介3
吉川英治3
夢野久作2
“内々:ないない”を含む作品のジャンル比率
哲学 > 心理学 > 超心理学・心霊研究9.1%
文学 > 日本文学 > 小説 物語0.9%
歴史 > 伝記 > 個人伝記0.9%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
おとらが内々ないないお島の婿にしようと企てているらしい或若い男の兄が、その頃おとらのところへ入浸いりびたっていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
おいおいと百千万両何のその、岩崎三井みついにも少々融通してやるよう相成るべきかと内々ないない楽しみにいたしおり候
初孫 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「おッ母さんもね、内々ないない心配していただよ。ひどいことを言うって、どんなこと言うのかい。それで男親は悪い顔もしないかい」
春の潮 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
権力の下ではしかたがないと、泣き寝入りにしている人もあるというが、秀吉のわるさや、好奇心では、内々ないないいろんな噂がある。
今日は大統領の意向、ならびにかねて申し上げ置き候英国政府の思惑おもわく内々ないないに申し上げ候儀に御座候。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
大神おおかみもこれには内々ないないびっくりしておしまいになりまして、しかたなくいっしょに御殿ごてんへおかえりになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
内々ないない塾僕に聞合ききあわせると、このせつ書生さんは中実なかみの酒よりも徳利の方に用があると云うので、酒屋は大に驚き
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
……俺は小さい時から一種の精神異状者に生れ付いているのじゃないか知らん……なぞと内々ないないで気を付けるようになったものである。
木魂 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「かうなつちや經費が溜らん。」と、父はこぼしてゐたが、避病院を島へ建てたことを、祖母などに向つて内々ないないで後悔してゐた。
避病院 (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
出抜だしぬけに蘭学の修業に参りたいと願書を出すと、懇意なその筋の人が内々ないない知らせてれるに、
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
祖母も其は然う思わぬでもないから、内々ないない自分が無理だと思うだけに激する、言葉が荒くなる。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
とか申して、内々ないない思ひをほのめかす、大島守は勝手が違ふ上に、おのれ容色きりょう自慢だけに、いまだ無理口説むりくどきをせずにる。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
内々ないない二人ふたりあいだかた約束やくそくができていたのでございました。
一の烏 と云ふくちばしを、こつ/\鳴らいて、内々ないない其の吹き散るのを待つのは誰だ。
紅玉 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
しかしお約束を忘れてはならないのですから、腹の中では、今に何かって来られるだろう来られるだろうと思って、内々ないないこわがっていました。
私の個人主義 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「それを聞いてわたしも安心しました。馬籠から中津川の方へ無事に浪士を落としてやることですね、福島の旦那様も内々ないないはそれを望んでいるんですよ。」
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「何、まあね、うぞこれを打つことのないやうにと、内々ないない祈つて居るんだよ。」
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
で、責めてもの腹慰はらいせに、薄志の弱行のと口を極めて友人等の公然の堕落をののしって、そうして私は独り超然として、内々ないないで堕落していた。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
それも表向きには云われないものだから、内々ないないあたしへ当って見るんでしょう。
文放古 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
是非にもと縋付すがりついてごく内々ないないに面会を請うた次第であった。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
それでも神様かみさまほうでは、格別かくべついかりにもならず、内々ないないひいさまのところをお調しらべになってられたものとえまして
女はすらりとして、内々ないない少し太り掛けていると云う風の体附きである。
種子が形見の貴金属類は内々ないないでとうの昔売りとばされた後である。
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
徳川幕府あって以来いまだかつて聞いたこともないような、公儀の御金蔵おかねぐらがすでにからっぽになっているという内々ないないの取り沙汰ざたなぞが、その時、胸に浮かんだ。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
内々ないないにお願い申上げたいことがございます、お人払いを——」
「いいえ。わたくしはほんとに、若松屋惣七から参ったのでございます。ちょっと内々ないないで、お耳に入れておきたいことがございまして——わたくしは、若松屋惣七の女番頭でございます」
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
こちらは鼻蔵はなくら恵印法師えいんほうしで、『三月三日この池より竜昇らんずるなり』の建札が大評判になるにつけ、内々ないないあの大鼻をうごめかしては、にやにや笑って居りましたが
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
これを読んだ後に内々ないない自らかえりみて見た。
かのように (新字新仮名) / 森鴎外(著)
そこでおれは時々自分の家で飲む時には必らず今の太郎坊と、太郎坊よりは小さかった次郎坊とを二ツならべて、その娘と相酌あいじゃくでもして飲むような心持で内々ないない人知らぬ楽みをしていた。
太郎坊 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
こいつは、内々ないない春ちゃんに気があるらしい。
電気看板の神経 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「は、御意にござります、万事お申しつけ通りに、極めて内々ないないに取計らい仕りました、今日、現品を御持参と存じましたけれども、慎重の上にも慎重と存じまして、お見本だけ、これへ持参仕りました」
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
号外が最う刷れてるんだが、海軍省が沈黙しているから出す事が出来んでり焦りしている。尤も今日は多分夕方までには発表するだろうと思うが、近所まで用達しに来たから内々ないないそっらしに来た。
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
「深い事情は申されませんが、わっしは大阪東奉行所の手先です。といっても内々ないないは、少し道楽半分な目的めあてをやつしておるので……」出された茶をすすって、素姓を明かした目明し万吉。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
警察のほう内々ないないで捜索を願ってあるんですし、主人を始め出入の方も手分けをして方々ほうぼう探しているのですけれど、まるで手がかりがありません。御存じの事情でしょう。私ほんとうに困ってしまいましたわ。
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
蠅は内々ないないに、
蠅を憎む記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ですから犬が死んだ時には、そりゃ御新造には御気の毒でしたが、こちらは内々ないないほっとしたもんです。もっともそれが嬉しかったのは、犬が粗匇そそうをするたびに、掃除そうじをしなければならなかった私ばかりじゃありません。
奇怪な再会 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
こうなるからは誰ぞ公辺こうへん知人しりびとを頼り内々ないない事情を聞くにくはないとかね芝居町しばいまちなぞではことほか懇意にした遠山金四郎とおやまきんしろうという旗本の放蕩児ほうとうじ
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
お登和お登和と女房らしく呼棄よびすてになさるのは内々ないないその美人に野心があるのですね。そうにちがいありません。それなら打明けて僕らに相談なさい、女の事にかけては僕らの方が貴君よりよほど老功ですよ」大原「なるほど、それに違いない。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
原氏の前夫人は中井桜洲なかいおうしゅう氏の愛嬢で美人のきこえが高かったが、放胆ほうたんな家庭に人となったので、有為の志をいだく青年の家庭をおさめる事は出来にくく離別になったが、困らぬように内々ないない面倒は見てやられるのだとも聞いていた。
明治美人伝 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
そうだ。さればこそ、内々ないない、尊氏から切に、神器のお譲り渡しをおねがい申し出てあるのだ。さる折に、そちが事をこわしては困るではないか。……さっそくに、御待遇ごたいぐうを、ゆるやかにあらためろ。……なお、それでもきかぬならぜひもない。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何うも相済みません。ですが、唯今は、ほんのこれは内々ないないの下見なので。……後に御披露の上、皆さんにおいでを願う筈に成っています。しかし、それとても、五人十人御一所では……はなはだ幼稚な考えかも知れませんが、何の凄味も、おもしろみもありません。
露萩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかし、今度の一揆じゃ、中津川辺の大店おおだなの中には多少用心した家もあるようです。そりゃ、こんな騒ぎをおっぱじめた百姓仲間ばかりとがめられません。大きい町人の中には、内々ないない米の買い占めをやってるものがあるなんて、そんな評判も立ちましたからね。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「親分さんに少し内々ないないで申し上げて置きたいことがございますが……。旦那やおかみさんは滅多めったにそんなことを云っちゃあならないと云っているのですが、どうも黙って居りましては気が済みませんので……。ちょいとお前さんのお耳に入れて置きたいと存じますが……」
半七捕物帳:35 半七先生 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「ですから、大した事はおたがいあとが困りますから、何処どこのお宅でもちょっと檀那さまにも言えないような事があるもんですよ。そういう時、少し位の御融通なら、どうにでもと言うんですよ。随分いいとこの奥さんで、内々ないない困っておいでのかたがありますよ。」
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
そう言えば、昨晩、万福寺の和尚おしょうさま(松雲のこと)も隠宅の方へお見舞いくださいました。そのおりに、墓地での倒れ木のお話も出ましてね、かねて、村方でも相談のあった位牌堂いはいどう普請ふしんにあの材木を使いたいがどうかと言って、内々ないないわたしまでその御相談でした。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
これが願主がんしゅでありますか——或は……いや実は仔細あって、右の額は、私が小庵しょうあんに預ってありましてな、内々ないないで、因縁いわれを、朧気おぼろげながら存ぜぬでもありませぬじゃが、日短ひみじかと申し、今夕はおたちと言う、かく慌しい折には、なかなか申尽もうしつくされますまい。
菊あわせ (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
費用は五十万の漁民りょうみんから一戸当り毎年二十銭ずつ、各道の官庁から切ってもらって、半官半民的に漁民の指導保護、福利増進に資すると同時に北は露領沿海州から、西は大連たいれん沖、支那海まで進出して宜しいという鼻息を、総督から内々ないないで吹き込まれた……というと実に素晴らしい、堂々たる事業に相違ない。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)