高価こうか)” の例文
旧字:高價
こんどのことで、いちばんそんをしたのは、高価こうかじゅうをなくし、世間せけんからわるくおもわれた家主やぬしであろうと、かんがえたので、画家がかにそうはなすと
春はよみがえる (新字新仮名) / 小川未明(著)
こういって、その男は、とけいにつけた高価こうかなかぎたばを、がちゃがちゃとらし、首のまわりにかけた、どっしりおもい金ぐさりのあいだに、手をつっこみました。
「ほうほう、だいぶん熱心じゃが、それもあるにはある。しかしこれを教えるには、大分高価こうかにつくが、いいかね。まずウィスキーならダースいり函単位はこたんいでないと取引が出来ないが……」
呉服物ごふくものなども、品物しなものみな特別とくべつらせたもので、機織はたおりがなかなかさかんでございました。もっともごく高価こうかしな鎌倉かまくらではわず、矢張やはりはるばるきょうあつらえたように記憶きおくしてります。
日本にっぽんではとても高価こうかなじゅうたんが、部屋へやいっぱいにしきつめてあって、アメリカじんがそのうえをくつのまま、へいきであるいているのにもおどろきましたが、どのいえにもガスとうがついていて
それとも物質ぶっしつ変換へんかん……物質ぶっしつ変換へんかんみとめて、すぐ人間にんげん不死ふしすとうのは、あだか高価こうかなヴァイオリンがこわれたあとで、その明箱あきばこかわって立派りっぱものとなるとおなじように、まことわけわからぬことである。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
他国の相場そうばより幾割の高価こうかにて引受け申すべしとの事なり。
彼女かのじょは、高価こうかかねして、そのオルガンをおとうさんからってもらうことにしました。それほど、おじょうさんは、このオルガンにあこがれました。
楽器の生命 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そうして、くるあさいてみますと、不思議ふしぎにも、一人ひとりむすめのまくらもとには、みごとなくしと、ひかった高価こうか指輪ゆびわがありました。
夕焼け物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)
さらに、おくけると、百姓家しょうやにしては、ぜいたくすぎる派手はで着物きものが、おなじように高価こうかおびといっしょに衣桁いこうへかかっていました。
子供は悲しみを知らず (新字新仮名) / 小川未明(著)
みなみくにへさえってゆけば、一つがいくりょうにもなる品物しなものばかりだ。これをやるのはしい。こんなに高価こうかなものをおれいにする必要ひつようはないのだ。
宝石商 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そうして、はこなかから、さんごや、真珠しんじゅや、めのうや、水晶すいしょうや、その、いろいろと高価こうかな、うつくしい宝石ほうせきして、薬売くすりうりにしめしておりました。
薬売り (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかし、まだしろはななかったのであります。これらのらんには、いずれも高価こうかふだがついていました。
らんの花 (新字新仮名) / 小川未明(著)
無名むめい音楽家おんがくかは、このりっぱな発明はつめいによって、すでに有名ゆうめいになっていました。そして、そのひとつくられた、オルガンは、ひじょうな高価こうかのものでありました。
楽器の生命 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたしのだいきらいなかぜたらないし、人間にんげん万事ばんじいいようにしてくれますからね。しかし、なにしろ高価こうかなことをいいますから、ちょっとおきゃくがわたしにはせないのです。
みつばちのきた日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
さだめし高価こうかのものであろうとおもいながらいてみますと、はたして相当そうとうあたいでした。
さかずきの輪廻 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、それがおどろくほど高価こうかきされたのを記憶きおくしていました。いま、この珍貴ちんき曲玉まがたまが、砂漠さばくなかつかったというのは、むかし隊商たいしょうれが、ここを往来おうらいしたからです。
トム吉と宝石 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「このおちゃには、蘭亭らんていしろいらんのはなはいっています。」といった、この料理店りょうりてん主人しゅじん言葉ことばおもしました。しろはなは、もっとめずらしいものにちがいない。そして、もっと高価こうかなものにちがいない。
らんの花 (新字新仮名) / 小川未明(著)
紳士しんしは、高価こうかかねはらって、しんぱくをくるまなかみました。
しんぱくの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)