トップ
>
飛脚
>
ひきやく
ふりがな文庫
“
飛脚
(
ひきやく
)” の例文
「——その上店のこと萬端取仕切つてゐる
甥
(
をひ
)
の吉三郎さんが、大阪へ商賣用で行つてゐるとかで、迎ひの
飛脚
(
ひきやく
)
を出す騷ぎでしたよ」
銭形平次捕物控:149 遺言状
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
爲
(
なし
)
居
(
ゐ
)
たり然るに此時江戸へ
出訴
(
しゆつそ
)
の事
組頭
(
くみがしら
)
出府致すべき處
種々
(
いろ/\
)
取込
(
とりこみ
)
のことあるにより
飛脚
(
ひきやく
)
を村方より立ると云を九助は聞込何卒
私
(
わたく
)
しを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
と
腹
(
はら
)
も
空
(
す
)
いたか、げつそりとした
風采
(
ふうつき
)
。ひよろりとして
飛脚
(
ひきやく
)
の
頭
(
あたま
)
の
前
(
まへ
)
にある
椅子
(
いす
)
にぐたりと
腰
(
こし
)
を
掛
(
か
)
けた、が、
細
(
ほそ
)
い
身體
(
からだ
)
をぶる/\と
振
(
ふ
)
つた。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
此時は
里人
(
さとひと
)
幾十人を
傭
(
やと
)
ひ、
橇
(
かんじき
)
縋
(
すかり
)
にて
道
(
みち
)
を
蹈開
(
ふみひらか
)
せ
跡
(
あと
)
に
随
(
したがつ
)
て
行
(
ゆく
)
也。此
費
(
ものいり
)
幾緡
(
いくさし
)
の銭を
費
(
つひや
)
すゆゑ
貧
(
とぼ
)
しき
旅
(
たび
)
人は人の
道
(
みち
)
をひらかすを
待
(
まち
)
て
空
(
むなし
)
く時を
移
(
うつす
)
もあり。
健足
(
けんそく
)
の
飛脚
(
ひきやく
)
といへども雪
途
(
みち
)
を
行
(
ゆく
)
は一日二三里に
過
(
すぎ
)
ず。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
振つて押込んだんだぜ。
亥刻
(
よつ
)
過ぎに泉屋へ入らうとする者があつたら、出前持でも、
飛脚
(
ひきやく
)
でも構はねえ、縛り上げて泥を吐かせることだ
銭形平次捕物控:046 双生児の呪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
爰
(
こゝ
)
に
於
(
おい
)
て
其
(
そ
)
の
隱
(
かく
)
し
終
(
おほ
)
すべきにあらざるを
知
(
し
)
つて、
衝
(
つ
)
と
膝
(
ひざ
)
を
支
(
つ
)
いて、
前夫
(
ぜんぷ
)
の
飛脚
(
ひきやく
)
の
手
(
て
)
を
取
(
と
)
つて
曳出
(
ひきだ
)
すとともに、
夫
(
をつと
)
の
足許
(
あしもと
)
に
跪
(
ひざまづ
)
いて、
哀求
(
あいきう
)
す。
曰
(
いは
)
く
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
吝
(
をし
)
まず
大工
(
だいく
)
泥工
(
さくわん
)
を雇ひ俄に
假玄關
(
かりげんくわん
)
を拵らへ晝夜の別なく急ぎ
修復
(
しゆふく
)
を加へ
障子
(
しやうじ
)
唐紙
(
からかみ
)
疊
(
たゝみ
)
まで出來に及べば
此旨
(
このむね
)
飛脚
(
ひきやく
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
と
次第
(
しだい
)
に
遠
(
とほ
)
い
里
(
さと
)
へ、
祭礼
(
さいれい
)
に
誘
(
さそ
)
はれるやうな
気
(
き
)
がして、
少
(
すこ
)
しうと/\として、
二本松
(
にほんまつ
)
と
聞
(
き
)
いては、
其処
(
そこ
)
の
並木
(
なみき
)
を、
飛脚
(
ひきやく
)
が
通
(
かよ
)
つて
居
(
ゐ
)
さうな
夢心地
(
ゆめごゝち
)
に
成
(
な
)
つた。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
して相摸路より甲州へ
到
(
いた
)
り是より所々方々と
遊歴
(
いうれき
)
なし
種々
(
いろ/\
)
樣々
(
さま/″\
)
樂
(
たの
)
しみ居たりける
扨
(
さて
)
も翌日所の
者
(
もの
)
共此
體
(
てい
)
を見出し大いに驚きて
飛脚
(
ひきやく
)
と
馬士
(
まご
)
の殺されたる
趣
(
おもぶ
)
きを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
飛脚
(
ひきやく
)
が飛出しましたね、お下屋敷から。九州熊本の御領地へ、急ぎの手紙でも持つて行くんでせうよ」
銭形平次捕物控:121 土への愛著
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
曳出
(
ひきだ
)
された
飛脚
(
ひきやく
)
は、
人間
(
にんげん
)
が
恁
(
か
)
うして、こんな
場合
(
ばあひ
)
に
擡
(
もた
)
げると
些
(
すこ
)
しも
異
(
かは
)
らぬ
面
(
つら
)
を
擡
(
もた
)
げて、ト
牛頭
(
ごづ
)
と
顏
(
かほ
)
を
見合
(
みあ
)
はせた。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それにお前は、
棟梁
(
とうりやう
)
のところで三兩借りて行つたぢやないか。それから、寅五郎を殺して刀を江戸川に投り込み、細川樣の
飛脚
(
ひきやく
)
の振りをして、品川まで飛んだ筈だ。
銭形平次捕物控:121 土への愛著
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
此時
(
このとき
)
、
選手
(
せんしゆ
)
第一
(
だいいち
)
の
賞
(
しやう
)
を
得
(
え
)
たのは、
池
(
いけ
)
をめぐること
三十幾囘
(
さんじふいくくわい
)
、
翌日
(
よくじつ
)
發表
(
はつぺう
)
されて、
年
(
とし
)
は六十に
餘
(
あま
)
る、
此
(
こ
)
の
老
(
らう
)
神行太保戴宗
(
しんぎやうたいほたいそう
)
は、
加州
(
かしう
)
小松
(
こまつ
)
の
住人
(
ぢうにん
)
、もとの
加賀藩
(
かがはん
)
の
飛脚
(
ひきやく
)
であつた。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
飛脚
(
ひきやく
)
が氣をきかしてくれたんですよ。親分の手紙を見ると、
早駕籠
(
はやかご
)
で、夜晝おつ通しに飛んで來たが、あんまり急いで、小田原の旅籠屋の
目印
(
めじるし
)
を見落すところでしたよ」
銭形平次捕物控:082 お局お六
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
、お手車で傳通院へ持込む筈はないし、その邊の
飛脚
(
ひきやく
)
屋の小汚い吊臺では間に合はない筈だ
銭形平次捕物控:204 美女罪あり
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
頃日
(
このごろ
)
聞
(
き
)
く——
當時
(
たうじ
)
、
唯一
(
ゆいつ
)
の
交通機關
(
かうつうきくわん
)
、
江戸
(
えど
)
三度
(
さんど
)
と
稱
(
とな
)
へた
加賀藩
(
かがはん
)
の
飛脚
(
ひきやく
)
の
規定
(
さだめ
)
は、
高岡
(
たかをか
)
、
富山
(
とやま
)
、
泊
(
とまり
)
、
親不知
(
おやしらず
)
、
五智
(
ごち
)
、
高田
(
たかだ
)
、
長野
(
ながの
)
、
碓氷峠
(
うすひたうげ
)
を
越
(
こ
)
えて、
松井田
(
まつゐだ
)
、
高崎
(
たかさき
)
、
江戸
(
えど
)
の
板橋
(
いたばし
)
まで
下街道
(
しもかいだう
)
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其
(
それ
)
より
御國許
(
おくにもと
)
へ
飛脚
(
ひきやく
)
を
飛
(
とば
)
して、
御用
(
ごよう
)
の
儀
(
ぎ
)
これあり、
諸役人
(
しよやくにん
)
ども
月番
(
つきばん
)
の
者
(
もの
)
一名宛
(
いちめいづゝ
)
殘止
(
のこりとゞ
)
まり、
其他
(
そのた
)
は
恩田杢
(
おんだもく
)
同道
(
どうだう
)
にて
急々
(
きふ/\
)
出府
(
しゆつぷ
)
仕
(
つかまつ
)
るべし、と
命
(
めい
)
じ
給
(
たま
)
ひければ、こはそも
如何
(
いか
)
なる
大事
(
だいじ
)
の
出來
(
でき
)
つらむと
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「何んだえ、八。大變
國
(
こく
)
から
飛脚
(
ひきやく
)
が來たやうぢやないか」
銭形平次捕物控:217 歎きの幽沢
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“飛脚”の解説
飛脚(ひきゃく)は、信書や金銭、為替、貨物などを輸送する職業またはその職に従事する人のことである。佐川急便の商標でもある。単純な使い走りとは違い、事業が組織化されているのが特徴である。
(出典:Wikipedia)
飛
常用漢字
小4
部首:⾶
9画
脚
常用漢字
中学
部首:⾁
11画
“飛脚”で始まる語句
飛脚屋
飛脚体
飛脚文
飛脚船
飛脚馬
飛脚便
飛脚包
飛脚旅行