青白あおじろ)” の例文
またひかった! そのたび大空おおぞらが、えるように青白あおじろいほのおでいろどられて、あかるく家屋かおくも、木立こだちも、大地だいちからがってられた。
僕はこれからだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
煌々たる青白あおじろい光線が、室内を真昼のように照らしつける。水牛仏の顔が、一段と奇怪さを増した。
鬼仏洞事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
細君さいくんはそれと正反対せいはんたいに、色の青白あおじろい、細面ほそおもてなさびしい顔で、用談ようだんのほかはあまり口はきかぬ。声をたてて笑うようなことはめったにない。そうかといって、つんとすましているというでもない。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
ただみずのようにつき青白あおじろひかりながれていました。あちらの垣根かきねには、しろばらのはなが、こんもりとかたまって、ゆきのようにいています。
月夜と眼鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
妖怪屋敷ようかいやしきを照らす満月まんげつの光は、いよいよ青白あおじろくなって参りました。
崩れる鬼影 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ほかの少年しょうねんたちが元気げんきでいるのに、その少年しょうねんは、青白あおじろかおをして、弱々よわよわしそうでした。そのうちに、ベルがって、試験場しけんじょうはいるときがきました。
中学へ上がった日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あまりとおいので、そのうち、かみなりおとしたまでとどかなかったが、青白あおじろいいなびかりのひらめくたびに、くも峰々みねみねを、きだすようにてらしました。
おかまの唄 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、マッチをすって、それへをつけると、えるかえぬかすかな青白あおじろほのおが、ひものうえからえはじめました。
真昼のお化け (新字新仮名) / 小川未明(著)
わらわないばかりでなく、まえよりもいっそうかおいろ青白あおじろく、やつれてえるのでありました。両親りょうしんはたいそう心配しんぱいしました。老人ろうじんは、不思議ふしぎおもいました。
笑わない娘 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あるときはガスのが、青白あおじろがるところへせられて、からだにそのほのおびていることもありました。
人間と湯沸かし (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのよるいけのあたりのしだのかげくと、青白あおじろえるひかりが、いけみずうつって、それはみごとだったのです。
少年の日二景 (新字新仮名) / 小川未明(著)
青白あおじろたまのうちに、ひとみをこらしてますと、ゆめのような天人てんにん姿すがたがうかがわれるのであります。これこそ、ひろ世界せかいのうちで、いちばんとうといしおもわれます。
ひすいを愛された妃 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かあさんは、ちょっとめて、そのほうると、となりのいえ煙突えんとつから青白あおじろけむりのぼっていました。
煙と兄弟 (新字新仮名) / 小川未明(著)
つきは、青白あおじろかおで、あざらしをました。そのひかりは、あわれなあざらしのからだ青白あおじろくいろどったのでした。
月とあざらし (新字新仮名) / 小川未明(著)
あわれな天女てんにょは、なやみにたえかねてか、かおにははないろがあせ、青白あおじろく、きゅう姿すがたがやつれてえました。
羽衣物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おばあさんは、だれが、そういうのだろうとおもって、って、まどけました。そとは、青白あおじろつきひかりが、あたりを昼間ひるまのように、あかるくらしているのであります。
月夜と眼鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
れて、つきました。そのひかりはさびしくみずうえかがやきました。そのときかれは、おじいさんのついているぎんのつえがつきひかりらされて青白あおじろひかったのをました。
銀のつえ (新字新仮名) / 小川未明(著)
道端みちばたに、粗末そまつなが建物たてものがあって、まどいていると、がるようにして、りょう一はとおりました。うすにごったような仕事しごとべやに、青白あおじろが、強度きょうどねつえていました。
僕が大きくなるまで (新字新仮名) / 小川未明(著)
じょうさんのかおは、青白あおじろくて、は、んでいました。そので、じっとこちらを
楽器の生命 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そとからると、宏壮こうそう洋館造ようかんづくりの病院びょういんでしたけれど、ひとたび病棟びょうとうはいったら、どのへやにも、青白あおじろかおをして、んだ病人びょうにんが、とこうえ仰臥ぎょうがするもの、すわってうめくもの
だまされた娘とちょうの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
彼女かのじょは、さむかぜなかあるいて、まち西にしのはずれにいたりました。そこには、おおきなかわおとをたててながれていました。あたりは、一めんけむるように青白あおじろつきひかりにさらされています。
星の子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ちょうど、このはなうつった太陽たいようひかりは、りんほのおのように青白あおじろくさえられました。
公園の花と毒蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
仕事しごとをするときのすがたをると、つかれて顔色かおいろ青白あおじろいじゃないか。
アパートで聞いた話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「そうだな、青白あおじろく、ぼうっとして、ちょっとくちにはいえないなあ。」
海が呼んだ話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あるあたまうえが、いつになく、あかるく、青白あおじろられたのでした。
魚と白鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
屋敷やしきは、石垣いしがきいていて、その内側うちがわには、こんもりとしたがしげっていました。けるにつれて、あたりはひっそりとしました。つきがって、青白あおじろく、野原のはらみちいろどったのであります。
けしの圃 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そこへ、青白あおじろかおをした、やつれた母親ははおやがやってきました。
煙突と柳 (新字新仮名) / 小川未明(著)