鉄砲てっぽう)” の例文
旧字:鐵砲
こんどやってきたら、鉄砲てっぽうころしてしまうといっているひともあるくらいです。けれど、しょうちゃんは黒犬くろいぬをかわいがっていました。
僕がかわいがるから (新字新仮名) / 小川未明(著)
狼群ろうぐん鉄砲てっぽうをおそれて日中はあまりでないし、また人間の姿すがたが見えると、さっさとげてしまうので、この日は別段べつだん危険きけんもなかった。
そこで、「よし、おとうさんの鉄砲てっぽうをおろして、打ってやれ。だれにもおこられやしないからな。」と、ひとりごとを言いました。
しかし、火薬かやく鉄砲てっぽうも、当時とうじまだ南海の蛮船ばんせんから日本へ渡来とらいしたばかりで、硝石しょうせき発火力はっかりょくも、今のような、はげしいものではない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
遠くのほうに、いくそうかのふねが見えました。船はなみの上で、おどったりはねたりしながら、鉄砲てっぽうをうって、たすけをもとめていました。
あいにく、お葬式のときにうつ、鉄砲てっぽうも大砲もありません。そこで、アドルフとヨナスとが、お墓の上で石弓を引きました。
「ヤ、あのにわとりは実に見事に出来ましたネ。私もあの鶏のような作がきっと出来るというのなら、イヤも鉄砲てっぽうも有りはしなかったのですがネ。」
鵞鳥 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
町の人は、三人四人と組んで自警団じけいだんをつくり、鉄砲てっぽうやこんぼうをもって警戒けいかいにあたった。みなと船着場ふなつきば汽車きしゃ停車場ていしゃば、おもだった道の出入り口。
ね、そら、あの鉄砲てっぽうちの小さな変な人ね、そしてね、『おい、こんどはも少しよく、粉にして来なくちゃいかんぞ。』
毒もみのすきな署長さん (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ふと老人は市場いちばの後ろの一けんの店にはいった。店の外に古い鉄砲てっぽうだの、金モールのへりのついた服だの、ランプだの、さびたかぎだのがつるしてあった。
「えらいこっちゃ。あやってにこにこしよる若いもんを、わざわざ鉄砲てっぽうの玉のまとにするんじゃもんなあ」
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
「よし、そんならってみる」と言って、甚五郎は信康の前に出て許しをうた。信康は興ある事と思って、足軽あしがるに持たせていた鉄砲てっぽうを取り寄せて甚五郎にわたした。
佐橋甚五郎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
わたしは毎日、夕方になると、鉄砲てっぽうを持ってうちの庭をぶらついて、からすの番人をするのが習慣だった。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
これがほかの社会だと弊害へいがいがあると言っても程度が知れているが、軍隊の下剋上だけは全く恐ろしいよ。鉄砲てっぽうをぶっ放す兵隊を直接にぎっているのは下級将校だからね。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
明軍は、城の三方をひたひたとおしつつみ、夜となく昼となく、鉄砲てっぽうをうちかけた。
三両清兵衛と名馬朝月 (新字新仮名) / 安藤盛(著)
そこへ笠を深くかぶった、草鞋穿わらじばきの、猟人体かりゅうどてい大漢おおおとこが、鉄砲てっぽう銃先つつさき浅葱あさぎの小旗を結えつけたのを肩にして、鉄の鎖をずらりといたのに、大熊を一頭、のさのさと曳いて出ました。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
大理石だいりせきをしきつめた大ろうかを通って、かいだんの上まで行って、番兵のつめているへやにはいりますと、番兵らは鉄砲てっぽうを肩にのせてならんだまま、ありったけの高いびきをかいてねていました。
眠る森のお姫さま (新字新仮名) / シャルル・ペロー(著)
ぱちぱちという音のほかに、ぱんぱんと鉄砲てっぽうをうつような音も聞こえていた。立ちどまってみると、ぼくのからだはぶるぶるふるえて、ひざ小僧こぞうと下あごとががちがち音を立てるかと思うほどだった。
火事とポチ (新字新仮名) / 有島武郎(著)
「いまごろ、ゆみなんかったかがしなんてあるものでない。どこのや、はたけでも、鉄砲てっぽうった、いさましいかがしをてている。」
からすとかがし (新字新仮名) / 小川未明(著)
つづいて、おとうさんの鉄砲てっぽうを見あげました。これは、かべにかかっているデンマークの国王と皇后こうごう肖像画しょうぞうがのそばにかけてありました。
みな、谷川で火縄ひなわらしてしまったので、鉄砲てっぽうをすてて大刀をぬく。やりを持った者は石突いしづきをついてポンポンと石から石へ飛んであるく。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
どの兵隊さんも、鉄砲てっぽうをかついで、まっすぐ前をむいていました。着ている赤と青の軍服は、たいへんきれいでした。
わたしは大声にさけんで、馬に乗って追っかけると、おおかみどもは鉄砲てっぽうがこわいものだから、さっさとげていく。
そして、くらのわきについている鉄砲てっぽうをとって、そいつで馬をうちころせば、わかい王さまはたすかるのさ。だけど、そんなことは、だれも知りゃあしない。
須利耶さまも従弟いとこさまも鉄砲てっぽうをもったままぼんやりと立っていられましたそうでいったい二人いっしょにゆめ
雁の童子 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ハタキと羽子板はごいた鉄砲てっぽうにしている並木と八津がやめずに歌いつづけ、走りまわっているなかで、大吉のふしんがっている気持をしずめてやるように、いきなり背中に手をまわすと
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
夕食がむと、わたしは庭へ出て行ったが、鉄砲てっぽうは持たなかった。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
むら猟人かりゅうどのおじいさんがんでいました。このおじいさんは、長年ながねん猟人かりゅうどをしていまして、鉄砲てっぽうつことの大名人だいめいじんでありました。
おおかみと人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
海の上には、かりゅうどのおおぜい乗っている小舟こぶねがずっと並んでいて、そこからダン、ダンと鉄砲てっぽうをうっているのが見えます。
蛾次郎がじろうが手をたたくと、そのおとをたよりにねらった鉄砲てっぽうたまが、またも、つづけざまに、二、三発、ズドンズドン! と火のしまを走らせた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ずうっとずうっと遠くで騎兵きへいの演習らしいパチパチパチパチ塩のはぜるような鉄砲てっぽうの音が聞えました。そらから青びかりがどくどくと野原に流れて来ました。
土神ときつね (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
そのあいだ、ロボは遠くでしきりにほえていたが、鉄砲てっぽうがこわいと見えて私たちのそばへよりつかなかった。
子供たちは、めいめい鉄砲てっぽうをかつぎました。熊も一つもらいました。そして、それをちゃんとかつぎました。
ところが、そのときいちはやく、忠義者ちゅうぎもののヨハネスは、ひらりと馬にとびのるがはやいか、くらのわきから鉄砲てっぽうをとって、いきなりその馬をうちころしてしまいました。
そのからすは、てきとけんかをしたものか、また、鉄砲てっぽうたれたものか、また、もちぼうにでもかかったものか、みぎつばさやぶれていました。
翼の破れたからす (新字新仮名) / 小川未明(著)
自分たちの起した戦争の中へはいってわれらの敵国を打ちほろぼせと云って鉄砲てっぽうや剣を持って突貫とっかんしますか。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
そのあぶないことといったらありません。鉄砲てっぽうのたまが、まめのようにバラバラふってきて、味方みかたのものはあっちでもこっちでも、ばったばったとたおれるありさまです。
その船は、クジャクののように、美しい色をしていました。そして、何千という、目のようなものを持っていました。ところが、その目というのは、じつは、鉄砲てっぽうをうつための、穴だったのです。
「あれは鉄砲てっぽうだよ。近寄ちかよると、ズドンといって、みんなころされてしまうのだよ。」と、おやすずめはすずめにいいきかせました。
からすとかがし (新字新仮名) / 小川未明(著)
それは山鳥が、びっくりして飛びあがるとこへ、山男が両手をちぢめて、鉄砲てっぽうだまのようにからだを投げつけたものですから、山鳥ははんぶんつぶれてしまいました。
山男の四月 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
すぐさま鉄砲てっぽうをむけようとしましたが、そのときふと狩人は、オオカミがばあさんをのんでいるかもしれない、そして、もしかしたら、ばあさんのいのちはまだたすかるかもしれないぞ、と
そして、いくらおおかみがあばれたって、あのじょうぶなやぶってはいることはできない。もしそんなときは、鉄砲てっぽうかたなもあるとかんがえました。
おおかみと人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ある明方あけがた、須利耶さまが鉄砲てっぽうをもったご自分の従弟いとこのかたとご一緒いっしょに、野原を歩いていられました。地面じめんはごくうるわしい青い石で、空がぼうっと白く見え、雪もまぢかでございました。
雁の童子 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
おまえさん、ひとちで七つもやっつけた男に、こんなことがものの数にはいるとでも思ってるのかい。おれはな、下で猟師りょうしがやぶんなかへ鉄砲てっぽうをうってるから、ちょいと木をとびこえただけなのさ。
「あのとき、鉄砲てっぽうでズドンと一ぱつてば、それまでだったのだ。せめても、こっちがいのちたすけてやったのをありがたくおもったがいいのだ。」
おおかみと人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
一人のへんはなとがった、洋服ようふくてわらじをはいた人が、鉄砲てっぽうでもないやりでもない、おかしな光る長いものを、せなかにしょって、手にはステッキみたいな鉄槌かなづちをもって、ぼくらの魚を
さいかち淵 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「きっとざるめが、ははざるのらぬまに、あそびにたのだ。鉄砲てっぽうつのは、かわいそうだ。どれ、つかまえてやろう。」
「兵隊さ※だなぃ。鉄砲てっぽう持ってなぃぞ。」嘉ッコも走りながら云いました。
十月の末 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
こうおもいながら、かたから、鉄砲てっぽうをはずして、弾丸たまをこめて、その足跡あしあと見失みうしなわないようにして、ついてゆきました。
猟師と薬屋の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
卓の上には地球儀ちきゅうぎがおいてありましたしうしろのガラス戸棚とだなにはにわとりの骨格やそれからいろいろのわなの標本、剥製はくせいおおかみや、さまざまの鉄砲てっぽうの上手にどろでこしらえた模型、猟師りょうしのかぶるみの帽子ぼうし
茨海小学校 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)