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けいくわ
彼は
寐ながら
過去二三
時間の
經過を
考へて、
其クライマツクスが
突如として
如何にも
不意に
起つたのを
不思議に
感じた。
且悲しく
感じた。
彼は
寒さが
骨に
徹する
其の
夜のことを
明瞭に
頭に
泛べて
判斷するのには
氣候の
變化が
餘りに
急激であつた。
彼は
其の
間人事不省の
幾時間を
經過した。
而も
争論は何時も要領を
得ずに
終つて、何時までも
底止なく同じことを
繰返されてゐるのであツた。そしてグヅグヅの間に一
年二年と
經過して
今日となツた。
それ
故に
濱口内閣の
出來たときは
既に
昭和四
年度の四
分の一を
經過して
居つたに
拘らず、
實行豫算の
上に一
般會計及び
特別會計を
合せて一
億四千七百
萬圓程節約をなして
總じて
他人の
艱難に
對しては、
事務上、
職務上の
關係を
有つてゐる
人々、
例へば
裁判官、
警官、
醫師、とかと
云ふものは、
年月の
經過すると
共に、
習慣に
依つて
遂には
其相手の
被告
其所爲か
經過は
至極順當に
行つたが、どうした
譯か、
是といふ
原因もないのに、
月足らずで
生れて
仕舞つた。
産婆は
首を
傾けて、一
度醫者に
見せる
樣に
勸めた。
さうして
彼は
自分の
定まつた
家其の
物は
假令どうであらうとも、
心の一
部には
遠慮から
離れた
餘裕が
生じて
來て
彼は
僅に五六
日と
思ふ
内に卅
日以上を
經過して
畢つたのであつた。
「さうだにかゝんなくつても
癒んべなあ」おつぎは、
油が
穢くした
火傷を
凝然と
見て
居ると
自然に
目が
蹙められて、
寧ろ
自分の
瘡痍の
經過でも
聞くやうに
卯平の
枕へ
口をつけていつた。
今日迄の
經過から
推して、
凡ての
創口を
癒合するものは
時日であるといふ
格言を、
彼は
自家の
經驗から
割り
出して、
深く
胸に
刻み
付けてゐた。それが
一昨日の
晩にすつかり
崩れたのである。